自国開催で3連敗した男子バスケットボール日本代表
東京五輪で男子バスケットボール日本代表は、3連敗を喫した。スペインに77-88、スロベニアに81-116、アルゼンチンに77―97と手も足も出なかった。自国開催ながら早々と姿を消し、軟弱さだけを国民に伝えた。
開催国としての恩恵を受け、45年ぶりの五輪出場となった今大会だが、世界との差を思い知らされた。八村塁、渡辺雄太と2名のNBA選手を擁しても、これが現実である。
こうなることは、大会前から分かっていた。Bリーグが発足したといっても、世界に目を向ければ、技術もスピードも体躯も、メジャーリーガーとリトルリーガー以上の開きがある。
3連敗以上に、私が問題視するのは指導者の無能さだ。ミニバスなどという日本独自のルールを築き、小学生の育成から世界に遅れをとっていることを、誰も自覚できていない。
中学、高校、大学、そしてプロの世界においても、未だに暴力指導が蔓延っている。今日、どこのバスケットボール大会においても、罵声が飛び交う。それでいて、声の主は確固たる哲学を持ち合わせたコーチではない。単なるボランティアか、教師であるケースが大半だ。
たとえば、UCLAの名監督であったジョン・ウッデンの育成法を学び、現場で模倣しようとするコーチなど現れない。※ジョン・ウッデンについて詳しく知りたい方は、是非、拙著『ほめて伸ばすコーチング』(講談社)をお読みください。
組織も運営もプレーも、レベルの低さだけを露呈する日本バスケットボール界。
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210619-00229584
再三述べて来たが、私は今こそ、数億円を投じてでも、本場で実績のある監督を日本に呼び寄せ、1からバスケットボールを教えてもらうしかないと考える。でなければ、バスケットボールを愛する日本の少年少女が、あまりにも可哀相だ。
果たして、この国のバスケットボール界が生まれ変わる手立ては見つかるのか。