WBCバンタム級王座に挑むノニト・ドネア、「井上尚弥戦の私とは違う」
現地時間29日に催されるWBCバンタム級タイトルマッチの挑戦者、ノニト・ドネア(38)がトレーニングキャンプを振り返った。
「今回の試合に向けてジムで練習を始めた際、自分のパワー、スピードが強烈だと感じた。私の体は、しっかりとした休息を必要としていた。休む期間があったうえでの準備だったので、土曜日の試合には自信を持っている」
「ノルディーヌ・ウバーリ(34)はテクニックがあるね。アマチュアでキャリアを積み、世界のベルトを腰に巻いているのだから、侮れない選手だ。我々の陣営は、けっして彼を過小評価していない。賢いファイターだと思う。
でも、私にはキャリアとパワーとスピードがあり、何よりも彼を倒すというモチベーションがある。いつものように、KOを狙っていくよ」
「(井上尚弥戦以来という)長いブランクは、時にフラストレーションを感じた。が、体を回復させ、リフレッシュする時間を与えてもらったよ。素晴らしく密度の濃いキャンプとなった。子供たちや妻とも一緒に過ごせたし、気持ちの面でも充実していた。傷が癒え、若さが蘇った。どんな戦いになるか、ちょっと予想できないね」
「この4~5年、いや、もっとかな。スパーリングでは相手を壊さないようにやってきた。でも、今回のキャンプでは、自分のペースで全てのパートナーを倒すつもりで激しくやった。その結果、昔の自分が持っていたような殺し屋の本能が戻って来たんだ。井上戦の後、自分はスパーの内容を変えねばならないと気付いたよ」
「井上との試合後、たっぷりと時間があったのでサウスポーについて学習し、対策も練った。私の敗北の半分はサウスポーが相手だからね。学んだことが自信に繋がる。今ならどんなサウスポーだって攻略できるさ。
私の不利を予想する声が多いようだが、まったく気にならない。この試合は自分にとってのチャレンジであり、意欲はたっぷりだよ。私がまだやれるということを証明してみせる。今、私を駆り立てているのは、ウバーリを叩きのめすということさ」
伝説的チャンピオンであり、紳士でもあるドネアにしては珍しく攻撃的な発言ばかりである。井上尚弥戦では、敗れながらも自身の価値を上げたドネア。明後日は、どんなファイトを見せてくれるか。