レイカーズ、第7シードでプレイオフ進出!"KING"レブロンがマイク・タイソンから学んだこと
試合終了まで、残すところ1分を切っていた。スコアは100-100。"KING"レブロンが放った10.36メートルの3ポイントシュートがネットを揺らす。この3点の差で、ロスアンジェルス・レイカーズはプレイイン・トーナメントで勝利を掴み、第7シードとしてプレイオフ出場を決めた。
重要な局面で、決定的な仕事が出来るーーーやはりKINGは千両役者だった。
とはいえ、この日のレブロンはけっして本調子ではなかった。34分51秒のプレーで22得点11リバウンド10アシストと、トリプル・ダブルをマークしたものの、いつもの迫力はなかった。17本のシュートを放ち、成功が7本。
特に最終Qの残り2分7秒でダンクシュートをブロックされ、左目を押さえながらコートに倒れ込んだシーンは、誰をも寄せ付けない本来のレブロンらしくない姿だった。それでも勝利を呼び込めるのが、KINGのKINGたる所以であるが……。
レギュラーシーズンで疲弊したのか、アンソニー・デイビスも、ゴールデンステイト・ウォリアーズのエース、ステフィン・カリーも精彩を欠いた。波に乗った時の彼らが見せる爆発力は見られなかった。
それでもデイビスは25得点(24分の10)12リバウンド2アシスト、カリーは37得点(23分の12)7リバウンド3アシストと結果を出すところが一流選手の証だ。レブロンのトリプル・ダブルもNBA入りしてから128回目を数える。コンディションが万全でなくても、非凡な仕事ができる男たちなのだ。
敗れたウォリアーズは最後の枠である第8シードの座を懸け、現地時間21日にメンフィス・グリズリーズと戦う。
そして、レイカーズは23日から第2シードであるフィニックス・サンズとの連戦が始まる。
今年の1月下旬、私は西地区で首位だったレイカーズと、東地区1位を走っていたフィラデルフィア・セブンティシクサーズとのゲームを現地で取材した。この時のレイカーズからは、昨シーズンの覇者である矜持が伝わって来た。1点差で敗れたものの、一人一人が溌溂としていた。
https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20210129-00219825/
しかし、3月20日のアトランタ・ホークス戦で右足首を捻挫したレブロンが6週間もの欠場を余儀なくされ、右ふくらはぎを故障したデイビスも離脱し、レイカーズは並みのチームとなってしまう。
今日、プレイオフ出場は決めたものの、現在のレイカーズに勢いは感じられない。
KINGは試合後、サバサバとした表情で語った。
「『最初のクリーンヒットが大事だ』って、いつもマイク・タイソンが言っていただろう。リングに上がって、最初のパンチを当てたところから、作戦が現実になる。俺たちもそうさ。
今日は素晴らしいゲームって訳じゃなかった。でも、プレイオフ進出を決めたことが良かった。最後の3ポイントシュートが入ったことで、ポストシーズンでの戦いが始まったんだ」
レブロンの活躍無しで、レイカーズが勝ち上がることは不可能だ。プレイオフでは、本来のKINGらしい闘いを期待したい。