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NBA、プレイオフ出場を巡る終盤の戦い

林壮一ノンフィクションライター
38得点の活躍を見せたリラード(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズンのNBAも、例年通りに東西それぞれ8位までのチームが5月22日からのプレイオフに出場する。

 それに加えて4チームによって7位8位を決める「プレイイン・トーナメント」も、18日より開かれる。レギュラーシーズンの7位vs.8位の勝者がプレイオフシード7位に入る。その敗者と、レギュラーシーズン9位vs.10位の勝者が戦い、勝った方が8位としてプレイオフの出場権を得る決まりだ。

 西地区は第4シードまでが決定し、5~7位が僅差となっている。プレイオフに出る為に、何としても6位までに入りたいと考えるのは当然だ。

 現地時間の5月7日、6位の座を争う37勝29敗同士のポートランド・トレイルブレイザーズと、ロスアンジェルス・レイカーズによる直接対決が行われた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ブレイザーズのホーム、モダ・センターは、今季初めて観客を入れ、この一番を迎えた。試合前のウォーミングアップで選手が姿を現した瞬間から、アリーナでの観戦を待ち望んでいたファンが歓声を上げる。

 選手たちも「もっと声を掛けて!」と耳に手を当て、ファンとの交流を楽しんでいた。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 試合は1Qで25-33、ハーフタイムで59-55、3Q終了時に82-78と、ややブレイザーズが押し気味に進んだ。結局、放ったシュート89本中37本を決めたブレイザーズが、88分の37のシュートを成功させたレイカーズを106-101で下し、6位と7位が入れ替わった。

 ブレイザーズのエース、デイミアン・リラードは39分3秒の出場で38得点4リバウンド7アシスト。"KING"レブロン・ジェームズをケガで欠くレイカーズは、アンソニー・デイビスが39分4秒のプレーで、36得点12リバウンド5アシストをマーク。

 リラードは試合後のZoom会見で、こんな風に語った。

 「己と向き合い、反省するのが、俺が出来る唯一のことさ。自分のプレーの映像を見直しながら、『まだまだ』『全然充分じゃない』と少しでも上達するようにやって来た。満足したことなんて無いよ」

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 一方のデイビスは「今夜の負けは痛い……」と言った。

 この2人は特出しており、他の選手と格の違いを見せた。ブレイザーズは勝利を掴みはしたが、スターティングで登場したロバート・コビントンが10本のシュート中1本しか決められず、ノーマン・パウエルも18分の6、CJ・マッカラムも、19分の7と大事な場面で得点できないシーンが目立った。

 もし、レイカーズの"KING"レブロンがコートに立っていたら、同じ結果にはならなかったのではないか。

Wダブルを見せたアンソニー・デイビス
Wダブルを見せたアンソニー・デイビス写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 "KING"レブロンは、3月20日のアトランタ・ホークス戦の2Qで右足首を捻挫し、およそ6週間のブランクを作った。これはKINGがNBA入りしてから最長となる欠場だ。4月末日、5月2日とプレーしたが、まだ完治してはおらず、調整中だ。

 レブロンがいなければ、並以下のチームとなってしまうのが現在のレイカーズである。

レブロン抜きで好成績を収めることは不可能だ
レブロン抜きで好成績を収めることは不可能だ写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 今日を含め、残すところ5試合ほどとなったレギュラーシーズン。プレイイン・トーナメント行きとなるのは、どのチームか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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