コービーの命日の翌日、1点差に泣いたKING
38分32秒間プレーし、両チームを通じて最多得点である34を挙げながらも、KINGレブロン・ジェームズは白星を掴めなかった。
1月27日に行われたロスアンジェルス・レイカースとフィラデルフィア・セブンティシクサーズの一戦は、現在、最もNBAファンの関心を集めるゲームだったと言える。
12勝6敗で東地区の首位を走るシクサーズに対し、14勝4敗で西地区の1位であり、2連覇を目指すレイカース。今シーズン、レイカースはアウェイのゲームでは負け知らずの10連勝中だった。
特に、KINGレブロンは2日前のゲームで今季ハイの46得点と好調を伝えていた。また、シクサーズ戦の前日はコービー・ブライアントの命日でもあり、レイカースはスケジュールを入れなかった。
フィラデルフィアは、コービーの故郷でもある。レイカースのメンバーそれぞれがコービーへの思いを胸に、会場入りした筈だ。
レイカースは代名詞であるイエローでもバイオレットでもなく、あるいはコービーがデザインしたブラックマンバでもない、ブルーのユニフォームでシクサーズのホーム、ウェルズ・ファーゴ・アリーナに登場した。
コロナ禍で無観客ではあるものの、シクサーズはステージを作って、ドラムやラップの生演奏で選手を後押しする。
こうした地元でのゲームがアドバンテージとなったのか、1Q残り6分37秒からレイカースは後手に回り、ひたすらシクサーズを追う展開が続く。
KINGレブロンはいつも通りに落ち着き払っており、11得点、4リバウンド、2アシストとチームを牽引するが、1Q終了時にレイカースは24-34と劣勢を余儀なくされた。
どの所属チームでもそうだが、KINGは他の選手を育てながら勝利を目指さねばならない。この日も、レブロンが絶妙なタイミングで出したパスをタレン・ホートン=タッカーやマーキーフ・モリス、ケンタビオス・コールドウェル=ポープがファンブルしてしまうシーンが目に付く。
それでもレブロンは「俺が」「俺が」とプレーしていた若き日とは違い、自分でポイントを重ねながらも味方のいいところを引き出そうとパスを配給した。
そんなKINGに応えるかのように、序盤ミスが目立ったポイントガードのデニス・シュレーダーが要所要所でいい働きをして追い上げる。3Q終了時には74-81だったが、試合終了11.2秒前に116-115と逆転に成功。
しかし、試合終了のブザー3秒前にシクサーズの背番号12、トバイアス・ハリスのシュートを防げず、力尽きる。レイカースは116-117で競り負けた。
KINGの左中指には、コービーの背番号が入ったタップが巻かれていた。試合終了後、レブロンは足早に控室に消えたが、その背が悔しさを物語っていた。
今シーズン5度目の黒星は、更にKINGの闘志を掻き立てそうだ。今後に繋がる敗北であることを信じる。やはりKINGレブロンから、目が離せない。