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4階級を制したレオ・サンタ・クルスの背を見て育つフェザー級が無敗の相手にKO勝ち

林壮一ノンフィクションライター
Sean Michael Ham/TGB Promotions

 ホンジュラスで生を享け、プロボクサーとなってからは米国テキサス州を住居とするホセ・エドガード・ガルシアは、2014年7月31のデビュー以来、2度の引き分けを経験したものの負けたことがなかった。

 戦績13勝(9 KO)2分けで対峙したのは、自身より7歳若いホセ・ペレス。4階級制覇の名王者、レオ・サンタ・クルスのジムメイトとはいえ、8勝(3KO)1敗1分けのレコードを見れば、これまでのように勝てるとふんでいたのではないか。

Sean Michael Ham/TGB Promotions
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 「ジャーボンテイ・デービスには敗れてしまったけれど、レオは生きるお手本。自分の律し方、トレーニングへのモチベーション、人間性も心から敬い、真似しています」

 と語る25歳のペレスの動きには躍動感があった。

 前後左右のステップ、ジャブ、フェイントがシャープで、初回からガルシアにプレッシャーをかけていく。

Sean Michael Ham/TGB Promotions
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 第2ラウンドには強烈な右を叩きこんで、ガルシアの動きを止めた。

 パンチ力にも、ペレスに分があった。

 IBFバンタム級、WBCスーパーバンタム級、WBAフェザー級、WBAスーパーフェザー級と4本のベルトを巻いたレオ・サンタ・クルスから学ぶことが無限にあるに違いない。

 打っては躱し、よけては打つというボクシングの基本をペレスは忘れなかった。

Sean Michael Ham/TGB Promotions
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 第3ラウンド終了直前にもペレスは右ストレートをヒットし、はガルシアをぐらつかせる。

 そして迎えた第4ラウンド、ショートの左フックでベテランの動きを止めるとロープに追い込み、右ストレートを叩き込んでガルシアを沈めた。KOタイムは同ラウンド39秒。

Sean Michael Ham/TGB Promotions
Sean Michael Ham/TGB Promotions

 今回の試合を終え、9勝(4KO)1敗1分けとなったペレス。サンタ・クルス効果をどこまで自分のモノと出来るだろうか。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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