Yahoo!ニュース

5階級制覇を狙うWBAスーパーフェザー級王者の言葉 

林壮一ノンフィクションライター
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 IBFバンタム級、WBCスーパーバンタム級、WBAフェザー級、そして現在保持するWBAスーパーフェザー級と、4階級を制したレオ・サンタ・クルス。

 クルスは同タイトルを持ったまま、10月31日にWBAライト級王者のジャーボンテイ・デービス戦を迎える。勝った方が、2階級のベルトを得るという珍世界戦だ。

 現地時間20日、クルスは自身が住むロスアンジェルスでの練習をバーチャルで公開し、試合前の心境を語った。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 自分がPPVのメインイベントを張ることが非常に楽しみ。ファンに素晴らしい試合をお届けするよ。僕の方が体が小さく、軽いという理由で劣勢を予想されている。でも不利だと言われるほど、モチベーションが上がるね。その考えが誤りであること、そして自分がいかなるファイターであるかを証明してみせる。

 僕がビッグネームとの試合を避けて来た、なんて言う人もいる。ならば、ジャーボンテイ・デービス以上の相手が今いるのか? と彼らに問いたい。デービスは高いスキルがあるし、パンチ力もある。自分は誰も恐れちゃいないさ。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 今回のファイトは、自分のキャリアで最も難しいものになるだろう。だから、これまでに無いほどハードなトレーニングを重ねている。かつて味わったことが無い充実度だし、こんなに素晴らしいコンディションに仕上がったのは初めてだ。リスクのある相手だからこそ、周到な準備をしている。

 

 ジャーボンテイに、僕ほどの経験値は無い。序盤は注意深く向こうの出方を窺う必要があるだろうね。でも、自分は戦士だから、打ち合いも望んでいる。ガンガン打ち合うべきだと感じたら、迷わずにそうするさ。リングで何をすべきかは良く分かっている。

 ヤツが試合終了まで気を抜けない、危険な選手だってことも理解している。だからこそ、ジャーボンテイの強打を食らわないように練習しているんだ。コーナーの声をきちんと聞き、冷静に戦わないとね。最終的に勝者となるのは、僕だ。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 ファンの声援って、いつも幸せを感じさせてくれるよね。パワーが漲るよ。応援して下さる方の温かさがあるからこそ、4階級制覇を達成できた。

 

 自分は特別な場所に行こうとしている。今の感情を上手く表現できないな……とにかく子供の頃からの夢が実現しそうで、最高の気分だ。試合当日が待てないよ。

Photo:Esther Lin/SHOWTIME
Photo:Esther Lin/SHOWTIME

 僕はこれまで、<飢え>がいかに大切かを学んで来た。世界チャンピオンになっても、飢えた状態を保たないと勝ち続けられない。今でも最初に世界タイトルに挑戦した頃と変わらない練習をしている。まぁ、今回のファイトは、人生を掴める大チャンスだよ。

 5階級を制すれば、歴史を築いたメキシカンになるよね。パウンド・フォー・パウンドでもトップ10入りできるだろう。

ノンフィクションライター

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

林壮一の最近の記事