「メッシ、バルセロナ残留」は、母国アルゼンチンでどう語られているか?

1年前から、バルセロナの会長に退団の意思を伝えていたメッシ(写真:ロイター/アフロ)

 実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、栃木SC所属のエスクデロ競飛王。

 自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。

 昨年末から、川越市のフットサル場で自らスクールを始め、この程、埼玉県のジュニアユース、トリコロールFCのコーチとなった彼が、「メッシ、バルセロナ残留」について語った。

撮影:著者
撮影:著者

 メッシがバルセロナを退団したいと発言したのは事実ですが、代理人であるメッシの父がクラブとの話し合いを持ち、残留することになりましたね。今、チームを離れた場合、7億ユーロの違約金を支払わねばならないので、それは避けたい。13歳からお世話になったチームと揉めたくないという理由だとアルゼンチン人は認識しています。

 7億ユーロは日本円で約882億です。メッシなら払えないこともありませんが、やはり金額が大きい。契約満了まで、もう1年を切っていますから2021年の6月まではやろう、と考え直したんですね。

 そして、お子さんも友達のいる古里のバルセロナを離れたくない、学校を変わるのも嫌だ、と主張しましたから、パパである顔も覗かせています。

 FCバルセロナを相手に裁判をしても、勝つ見込みは少ないですから、綺麗な形で去った方がいい、というのがアルゼンチン人の一般的な見方です。

 ロナルド・クーマン新監督がどんなチームを作り上げるかまだ分かりませんが、ジョゼップ・グアルディオラが指揮を執っていた頃のような、メッシにとってやり易いサッカーが出来、結果も出せれば、来年の6月以降もバルセロナのユニフォームを着たいと感じるかもしれません。

 でも、そうでなければ、やはり契約が満了したら、マンチェスター・シティへ移籍する可能性が大きい、とアルゼンチンでは語られています。

 ただ、来年の6月というのは、まだチャンピオンズリーグの途中でしょうから、問題が起こるかもしれませんね。

 クーマン監督は、選手時代に世界的ナンバーワンのリベロでした。オランダ代表の主力としてヨーロッパ選手権で優勝し、ワールドカップにも2回出場しましたね。トヨタカップで来日したこともあります。

 ディフェンダーとしての読み、カバーリングの巧みさに加えて最後列からゲームを組み立て、弾丸ライナーのシュートを何本も決めました。

 

 引退後、直ぐに指導者となり、20年以上のキャリアを積んでいますから、経験豊富と呼んでいいでしょう。クーマンが、メッシをどのように生かすかに掛かっています。攻撃は、メッシとアントワーヌ・グリーズマンでいい形が出来るんじゃないでしょうか。クーマンはDFでしたから、どれだけ強固な守備力を築くかにも、注目したいですね。

 今、33歳のメッシですが、37~38歳くらいになったら、バルセロナの下部組織に入る前に所属していた故郷のクラブ、ニューウェルズ・オールドボーイズの一員になるだろうとアルゼンチン人は期待しています。

 マラドーナもハビエル・マスチュラーノもそうだったように、最後は祖国のファンに雄姿を見せて現役を終える。まだちょっと先ですが、アルゼンチン国民は、生でメッシを見られる日を待ち望んでいるんですよ。