アルゼンチン人コーチが語る「日本代表は悪くない内容。でも、気になったのはピッチ」
実兄のピチは、あのディエゴ・マラドーナと共にワールドユース東京大会(1979年)で世界一となった右ウイング。息子は、京都サンガ所属のエスクデロ競飛王。
自身は、元アルゼンチンユース代表&ビーチサッカーアルゼンチン代表であるセルヒオ・エスクデロ。その彼が、タジキスタンを3-0で下したサムライブルーの一戦について語った。
日本代表はタジキスタンを3-0で下しました。今回の相手も、かなり実力差がありましたので、もう2点くらい欲しかったですね。2次予選対戦国の中で最強といってもスピードがなく、日本人選手の動きに付いてこられない部分が多々見受けられました。日本のDFは、いいプレッシャーをかけていましたが、タジキスタンの決定的なチャンスをGKの権田修一が見事に防ぎましたよね。前半24分でした。あれをもしタジキスタンが決めていれば、ゲームの流れは向こうが握ったかもしれません。権田はナイスセーブでした。
サムライブルーは、後半からサイドを抉るようになりましたね。日本のサイド攻撃は悪くなかったと思いますよ。途中交代で入った選手たちもアピールしようと頑張っていました。今の代表の競争の激しさが伝わって来ました。
僕がちょっと気になったのは、ピッチが人工芝であったことです。アルゼンチンでは、公式戦で人工芝のグラウンドが使われることって、まずありません。3部リーグでもですよ。やっぱり天然芝です。このところ南米でもパラグアイとかコロンビアなんかも人工芝のピッチが増えていますが、選手の体ーー膝や股関節、アキレス腱にかかる負担や怪我を考えると、やはり天然芝がいいんです。アメリカのMLSは人工芝がほとんどですが、アメフトに適していても、サッカーでは良くないです。選手寿命を縮めてしまいますよ。
昨今、前十字靭帯を痛める選手が多いですが、天然芝ならああいった怪我は防げるように思いますね。人工芝だと、ターンの時に足を取られることもありますし、知らず知らずのうちに体に妙な負荷がかかってしまいます。
また、バウンドも違うし濡れていればスリップもします。人工芝だと、ちょっとサッカーが変わってしまいますよね。W杯の決勝のスタジアムが人工芝ってことはないでしょう? 選手は慣れれば何とかやれてしまいますが、やはり体のことを考えてあげてほしいです。