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海外旅行では4人に1人が被害。GW旅行先の無料Wi-Fi、USB充電スポットでのハッキングに注意!

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
充電はモバイルバッテリーで(写真:イメージマート)

 ゴールデンウィーク期間ということで多くの人が国内や海外への旅行に出かけていると思いますが、旅行先でのスマホ利用でハッキング被害に遭う可能性があることは知っていますか?

 今回は旅行中のスマホ利用で気をつけるべきことを2点、紹介します。

海外では4人に1人が無料のフリーWi-Fiでハッキング被害に

 まず気をつけて欲しいのは無料で使えるフリーWi-Fiです。

 電車など乗り物の待ち時間や外出先で通信環境が良くないときに利用することが多いフリーWi-Fiですが、これを使ったハッキング被害が後を絶ちません。

 例えばセキュリティ保護されていないネットワークに接続すると、通信を傍受されパスワードなどの個人情報が盗まれる可能性があります。

 また、悪意あるハッカーが用意した公衆のフリーWi-Fiスポットになりすました偽のフリーWi-Fi(イーブル・ツインズ)に接続してしまうと、通信内容だけではなくスマホ内に保存しているクレジットカード情報やパスワードなど全ての情報が盗まれる恐れがあります。

 VPNサービスを提供しているNordVPNの2022年の調査によると、海外旅行中にフリーWi-Fiを使った旅行者の4人に1人がハッキング被害に遭っているそうです。

公衆USB充電スポットでもハッキング被害の可能性

 もうひとつ気をつけたいのが無料のUSB充電スポットの利用です。

 最近は多くのお店に無料でスマホを充電できるUSBポートが設置されていますが、このUSB充電スポットが改ざんされていた場合、充電に利用するとデータが盗まれたりウイルス感染したりする可能性があります。

 この改ざんは2種類あり、ひとつは悪意あるハッカーがUSB充電スポットに手をくわえている。もうひとつは備え付けのように見せかけてデバイスに不正なコードを埋め込むUSBケーブルを置いていることがあります。

 このハッキング手法は“ジュースジャッキング”と呼ばれており、今年4月にFBIが警告したことで有名になりました。被害が増えているのではないかと推測されます。

FBIによる“ジュースジャッキング”警告ツイート

ハッキング被害を防ぐ方法は?

 それでは、ハッキング被害に遭わないためにはどうすれば良いのでしょうか?

 フリーWi-Fiについては、セキュリティ保護のないフリーWi-Fiスポットの利用はやめるようにしましょう。また、通信が暗号化されているかどうか(httpsから始まるURLになっているか)を確認するのも重要です。

 ただしこれらの方法でも偽のWi-Fiネットワークに接続した場合は防げないため、フリーWi-Fiには接続しないことが一番重要で安全です。

 充電スポットについては、モバイルバッテリーを持ち歩くようにしましょう。モバイルバッテリーがあれば、どこでもすぐに充電できます。

 重たいため持ち運びたくないという人は、USB充電スポットから直接ではなくコンセントにUSB充電アダプタを挿して充電する方法があります。

 この場合、USB充電アダプタを持ち運ばないといけないためモバイルバッテリーを持ち歩くよりもめんどくさそうですが、軽さではこちらに軍配が上がります。

 楽しい旅行中にハッキング被害に遭うと、その対応に時間を取られますし、不安になって残りの旅行期間も台無しになります。

 旅行中はフリーWi-FiやUSB充電スポットをなるべく利用せずに過ごすことをおすすめします。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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