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エイプリルフールに「新型コロナウイルスに感染した」の嘘は言わないで! 炎上や逮捕の恐れ

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
その嘘、べつに面白くないですよ(写真:ideyuu1244/イメージマート)

 明日4月1日はエイプリルフールということで、嘘をつこうと考えている人も多いと思います。インターネット上も嘘だらけになることでしょう。

 ただ、気をつけて欲しいのは新型コロナウイルスに関係する嘘です。

 絶対に言わないようにしてください。

エイプリルフールに「コロナに感染した」嘘で炎上

 去年のエイプリルフールのことですが、韓国の歌手キム・ジェジュン氏が2020年4月1日、Instagramにて「新型コロナウイルスに感染した」との嘘を投稿しました。

 この投稿は即座にニュースとして拡散しました。その広がりように驚いたのか、キム・ジェジュン氏は「エイプリルフールの嘘だった」と内容を修正して釈明します。

 しかしながら混乱を呼んだ責任からは逃れられず。本人からするとエイプリルフールの軽い冗談のつもりだったのかもしれませんが、見事に炎上しました。

 現在、問題の投稿は削除されています。

「俺コロナ」が愛知県で多発→逮捕→実刑の例も

 上記は韓国でのことであり、“単に炎上しただけ”と軽く受け取る方もいるかもしれません。しかし、日本だと普通に逮捕されています。

 なぜか愛知県で多発した「俺コロナ」発言をする人たちのことは、記憶に新しいことでしょう。

 報道されていなかっただけで他県でも多発していたのかもしれませんが、報道された「俺コロナ」の人たちは逮捕されています(逮捕されたから報道されたのでしょうが)。

 逮捕されてしまうのは、「コロナに感染した」と発言することでその人が訪れた店、接触した人が対応に追われるからです。とくにお店だと消毒にお金がかかりますし、そのためにお店を休まなければいけないため損害も出ます。

 逮捕後の処分は不起訴や執行猶予など様々ですが、なかには懲役10ヶ月の実刑判決を下された人もいます。

 嘘で牢屋に10ヶ月です。俺コロナ、嘘でもやめましょう。

「私はコロナだ」「濃厚接触の会」ツイートで逮捕

 もちろんインターネットでも「俺コロナ」発言で逮捕された事例があります。

 以下の事例はネットで活躍していた人が逮捕されたため、ご存じの方も多いと思います。

 『Twitter』で「私はコロナだ」とツイートした1時間後、友人との飲み会の様子を写真付きで「濃厚接触の会」と追いツイートした結果、投稿から4ヶ月後に逮捕されました。

 この人物は『Twitter』と連携するサービス『ふぁぼったー』の開発者でもあったため注目され、その裁判の様子のレポートもいくつかネット上に投稿されています。

 この裁判の様子は読んでいてつらいです。とくにウケたわけでもない(しかも自身の逮捕に繋がった)投稿を、「どうして面白いと思ったのか」と説明させられているのです。つらいです。

実名報道により逮捕されるだけでダメージ大

 裁判の結果、不起訴処分になった人もいますが、一般的には逮捕されるだけで受けるダメージは大きいです。

 なぜならその多くが実名報道だからです。「あなたが逮捕された」という記事が世に出たときから、名前をネットで検索されるたびに「逮捕歴がある」ことが相手にわかってしまいます。

 逮捕後の再就職はかなり不利になるでしょう。

 もちろん、警察による取調べそのものも厳しいと思われます。

 面白いと思ったから。相手を驚かせたくて。とりあえずビッグウェーブに乗っておきたいから。様々な理由でエイプリルフールに嘘をつこうと思っている人がいるでしょうが、それが新型コロナネタならやめましょう。

 本当におすすめしません。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。スマホ、ネットの話題や炎上などが専門。ファクトチェック団体『インファクト』編集員としてデマの検証も行っています。最近はYouTubeでの活動も。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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