「プラスチックの空ボトルで車が盗まれる」ツイートが拡散。正体は2017年に出回ったフェイクニュース

拡散している写真。デマの火元とみられるYouTubeの動画からキャプチャ

 「プラスチックの空ボトルを使って車を盗む事件が起きている」と注意をうながすツイートが、11月24日から出回っています。

拡散しているツイート。筆者モザイク加工&キャプチャ
拡散しているツイート。筆者モザイク加工&キャプチャ

 ツイートは記事執筆時点で1万5千回以上もリツイートされ拡散しており、なかには実際にタイヤに挟んでどんな音が鳴るのか試している人もいました。

 そこで筆者も調べてみたところ、この「ペットボトルで車が盗まれる」という話は、2017年にフランスやベルギー、メキシコなどのSNSで広まった都市伝説系のデマ(フェイクニュース)だとわかりました。

拡散元はメキシコのYouTuberか

 このデマの拡散元になっているのは、メキシコのYouTuberが2017年6月にアップした1本の動画です。

 この動画は「ペットボトルで車を盗む方法」とのタイトルで、出回ったツイートと同じことをしています。問題のツイートに掲載されている写真も、この動画からキャプチャしたものだと判断できます。

 しかし、動画を見てみるとわかりますがタイヤに挟まれたペットボトルが出す音はそこまで大きなものではありません。

 エンジンをかけたあとの走り出しもゆっくりとしたものであり、後述する検証メディアによる「運転手が音に気づいて外に出るころには犯人とは数十メートル離れているのではないか? それでどうやって盗むのか?」といった指摘には頷けるところです。

仏新聞社「警察の公式発表なし」

 このデマについてフランスの新聞社『20 minutes』がフランス警察に取材したところ、広報担当者は「このテクニックを使った車の盗難は聞いたことがない」と答えたとのことです。

 また、ベルギーでボランティアにより運営されているフェイクニュース検証サイト『HOAX-NET』も、「フランス、ベルギー、メキシコのいずれでも警察による注意喚起はない」と伝えています。

 ちなみにこの件について取材を受けたフランス警察は、「車に乗り込む前に何も残っていないか(異常がないか)確認すること」と案内しています。