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小室圭さんビーチサンダル事件と佳子さんの恋人報道―秋篠宮家関連の騒動の行方は

篠田博之月刊『創』編集長
眞子さん結婚に続いて佳子さんの恋人報道が…(写真:Motoo Naka/アフロ)

 小室圭さんのニューヨーク州での司法試験をめぐる騒動について書いた下記の記事は、多くの人に読んでいただいた。ここで2~3、補足すると同時に、同時期に起きた秋篠宮家の佳子さんをめぐる恋人騒動についても書いておこう。

https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20220810-00309541

小室圭さん3度目の司法試験、世界的話題になったのが当日の服装だったというこの現実は

ビーチサンダルはさすがにすごい

 上記記事を書いたのは8月9日だったが、翌日10日に発売された『週刊文春』8月18・25日号が「小室圭さん44平米 愛の巣の代償」という特集記事を掲げており、小室圭さんの司法試験受験時の服装について詳細に触れていた。前回の記事にも書いたように、取材陣がやってくるのを知りながらラフな服装で試験に臨んだ小室さんが、報道などに振り回されずに自分のペースを貫こうという考え方なのは明らかだ。しかし、それにしても…と思わざるをえなかったのが『週刊文春』の記事だ。

 試験の1日目、ラフな服装で現れたことを紹介した後、2日目についてこう書いているのだ。コメントしているのは他の受験生だ。

「試験会場でビーチサンダルを履いていたのです。ビニールっぽい白い鼻緒に、緑のサンダル。会場に来るまではスニーカーだったようなので、会場内でわざわざ履き替えたのでしょう」

 当日、他の週刊誌や地元のユーチューバーたちが会場前で待機していたのは前回の記事通りだが、会場内の小室さんの格好まで取材したのは同誌ならではだ。

 それにしても、ビーチサンダルはさすがにすごい。ラフな服装はいいとしても、ビーチサンダルは、そこまでやる?という域に達しており、衆人環視の場でそれというのは事件と言ってもよいほどだ。

 ちなみに『週刊文春』は、小室夫妻の近隣の取材も行っており、同誌は独自の現地取材を敢行したようだ。それから上記記事で『週刊女性』についても、直撃したのは現地スタッフかもしれないと書いたが、カラーグラビアの小室さんの写真には「撮影/渡邉智裕(本誌)」とクレジットが入っているから、同誌はカメラマンを含めそれなりの独自取材態勢をとったようだ。

『女性自身』がぶち上げた佳子さんの恋人報道

 さてその小室さん報道が週刊誌各誌をにぎわせているさなか、8月9日発売の『女性自身』8月23・30日号がぶちあげたのが「佳子さま 本命恋人は両親公認エリート歯科医」だった。実は佳子さんの恋人報道というのは、富士急行グループ御曹司とか東京農大出身の男性とか、これまでも何度かなされており、いずれも立ち消えになっている。この種の報道というのは話を盛って、結婚を匂わせるのが定石だし、当たっていればスクープ、はずれてもクレームが来る心配はないというものだから、話半分で受け止めておけばよいのだが、今回の報道が波紋を投げたのは、眞子さんの結婚の後だし、女性宮家の問題などが議論されているという背景があるからだろう。

『女性自身』8月23・30日号が大きく報道(筆者撮影)
『女性自身』8月23・30日号が大きく報道(筆者撮影)

 その報道が当たりかはずれかというのを考える目安のひとつは、後追い報道の有無だ。特に秋篠宮家については食い込んでいる記者が何人かいるので、当たっていれば続報が出るはずだ。ただちょうど週刊誌は夏休みの合併号の時期。『女性自身』もそうだし、ライバル誌も翌週はお休みだ。そういう事情もあって、気にしていたら、続報を放ったのは8月17日発売の『週刊新潮』8月25日号だった。

後追いしたのは皇室に強い『週刊新潮』

「『佳子さま』新しい『彼氏』浮上の反響」と題する特集記事なのだが、『女性自身』の報道の真偽についてはこれを読んでもよくわからない。当然、お相手とされた歯科医院を直撃し、恋人と報じられた男性の父親の院長に真偽を尋ねているのだが、院長の答えは「(長男が)お付き合いしているということは全くありません」というものだった。もっとも、実際に交際していたとしても、騒ぎが拡大するのを危惧してそう答えざるをえないという見方もあり得るから、『女性自身』の報道がガセだったという断定もできないかもしれない。

『週刊新潮』8月25日号が後追い報道(筆者撮影)
『週刊新潮』8月25日号が後追い報道(筆者撮影)

 ここで『女性自身』の記事の中身を簡単に紹介しよう。この記事が話題になったのは、その歯科医院を佳子さんがお忍び訪問し、2時間ほど過ごしたという具体的な事実を、隠し撮りしたカラー写真とともに報じたからだ。マスク姿の佳子さんを玄関で見送る長男の両親を撮影し、顔をぼかして巻頭グラビアに掲載した。プライバシー侵害という批判もあり得るが、こういうプライベート写真自体が珍しいから、同誌にとっては、その写真だけでイケる!と判断したのだろう。話を盛り上げるためにか、グラビア記事には「もしかしたらご婚約の公表は意外と早いのかもしれない」という思わせぶりな締めくくりがなされている。

『女性自身』の直撃に父親の反応は…

 撮影されたのは7月6日だという。発表されるまで約1カ月かかったのは、相手男性のことや歯科医と秋篠宮家の関係など、肉付け取材を行っていたからだろう。記事によると、お相手とされた歯科医院の長男Aさんと佳子さんは学習院初等科6年のうち4年間同じクラス。ママ友だった紀子さんとAさんの母親は親しくしており、歯科医と秋篠宮家は家族ぐるみのつきあいなのだという。Aさんも実家のデンタルクリニックで歯科医を務めており、将来はその医院を継ぐ予定なのだという。

 だとすれば、その日、佳子さんが歯科医を訪ねていても不思議はないし、それをもって交際中とか婚約を匂わせるのは、話を盛っているという見方もできる。記事の前半では、このところ佳子さんが「まるで“別人のように”公務に励んでいる」ことが書かれ、「実は宮内庁にも、こうした精勤ぶりについて、“ご結婚を視野に入れた布石ではないか”という見方がある」という匿名証言が紹介されている。

 ただ、一時期、週刊誌が佳子さんの公務が少ないと執拗に報じ、宮内記者会の会見でもそれについて質問が出たりしていたようだから、それを意識して、佳子さんや宮内庁が公務を増やしている可能性がある。公務が増えたことは、別に結婚と結び付けなくても、おかしくはない。

 ちなみに『女性自身』のこの記事では、締切前に記者が、Aさんの父親である院長を特激するシーンが描かれているのだが、父親のリアクションが興味深い。

 記者が「7月6日に、こちらで佳子さまを拝見した件で、お聞きしたいのですが」と尋ねると、父親の答えは「拝見したということは、(お車を)追跡してきたということですか?そうでないと、わが家にいらしたことを、見つけることなんてできないですよね」。きちんと取材側を牽制しているのだ。そして前述したように続報した『週刊新潮』記者に対しては「お付き合いしているということは全くありません」と答えている。

姉の眞子さんの結婚騒動の後だけに注目が

 真相がどうなのかは当事者以外わからないのだが、気になることが幾つかある。

実は同時期発売の『週刊現代』8月13・20日が「秋篠宮家・佳子さま『9月、婚約発表』説に宮内庁が戦々恐々」という記事を掲載している。あまり具体的根拠が示されていない曖昧な記事なのだが、この見出しの断定ぶりが気になるところだ。『女性自身』も佳子さんがいつも乗っているワンボックスカーを追尾して前述の隠し撮り写真を押さえたようなのだが、記事から判断すると、その追尾の取り組みの発端は結婚絡みの情報なり見方が宮内庁周辺にあることだったようだ。

 さらにその少し前には『週刊ポスト』8月5・12日号が「佳子さま 怒涛の公務ラッシュに結婚前のラストスパート説」という記事を掲載している。それら複数の記事はそれぞれ根拠が曖昧なのだが、宮内庁周辺に何らかの情報か噂が浮上しているのかもしれない(あくまでも推論だが)。

 ただ『女性自身』の報道についてもうひとつ気になるのは、仮に二人が交際中だったとしても婚約内定といった事実がない限り、今回のように報道がなされると、もう同じように佳子さんが歯科医院に足を運ぶのが難しくなってしまうのではないかということだ。会って話をしただけで週刊誌の表紙に写真入りで報道されるとなると、今後のつきあいには双方が慎重にならざるをえないだろう。

 そうなると、こういう報道は、「婚約発表は近々か」などと書きながら、実際にはそんなふうに話が発展していくのを阻害していると言えなくもない。まあ、真相が明らかになってみないと何とも言えないことではあるが。

 佳子さんの将来が話題になるのは、やはり眞子さんの結婚騒動があったからだ。『週刊文春』や『文藝春秋』では、眞子さんの結婚は、女性として皇室から自由になるためのもので、佳子さんも同じ考えを持っているといったことが書かれていた。その姉を支持し応援してきたのが佳子さんだ。その佳子さんの結婚については、宮内庁はじめ皇室関係者が関心を持って当然だ。

『週刊女性』は15歳の弟の「お妃選び」を話題に

 ちょうど佳子さんの恋人報道を行った『女性自身』と同じ発売日の『週刊女性』8月23・30日号が何と「悠仁さま すでに始まっている慎重お妃選び」という特集記事を掲載している。まだ15歳で高校生になったばかりなのに「お妃選び」は早いのではないかと誰もが思うだろうが、記事の末尾近くで匿名の宮内庁関係者がこうコメントしている。

「候補者は1人でも多いに越したことはないので、悠仁さまの“お妃選び”はすでに始まっています」「ご学友はもちろん、公務やレセプションなどの“きっかけ”を、周囲の人々が慎重に見計らっています」

 このコメントをもって「お妃選び」という見出しを掲げたようだが、これは本人はともかく、周囲が既にそういう思いでいるという趣旨だろう。週刊誌は見出しが独り歩きしてしまうのが特徴だが、これも記事の中身と見出しの印象には乖離がある。ただ皇室関係者にとっては天皇を代々受け継いでいく後継者をどうするかというのが大きな関心事であるのは確かだろう。

 こんなふうに当人の意志と全く別に、後継問題が関心事として語られていくのが皇室ならではなのだろう。かつての雅子妃の適応障害の遠因となったケースのように、女性はもっぱら跡継ぎを産むための存在とみなされる。皇室全体のありようとして、女性に対する差別や偏見があることは否めないが、そのありように束縛を感じて自由への逃避を試みたのが眞子さんだと言われる。眞子さん結婚騒動において随所で発言していた佳子さんについても、眞子さんと同じ気持ちであることがうかがえる。その意味で佳子さんの結婚問題は、秋篠宮家のみならず皇室全体にとっておおいに気になる事柄であることは間違いない。

 今回の騒動、今後どうなっていくのだろうか。

[追補]

 この記事を書いた後発売された『週刊ポスト』9月2日号が、『週刊新潮』に続いて後追い報道を行っている。「佳子さま”交際報道”で浮上する結婚式に小室圭さんは出るのか問題」という記事だが、これを読んでも今回の交際報道の真偽はよくわからない。ただこの記事は比較的、『女性自身』の報道を認めているような書き方で、もし本当ならという前提で宮内庁関係者が危惧しているのは、結婚があるとすればそれに小室圭さんが出席するのかどうかだという。いや、そこなの?と突っ込みを入れたくなるが、『女性自身』報道の真偽はいまだによくわからない。

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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