Yahoo!ニュース

小室圭さん2度目の司法試験不合格で今後の行方を予測した週刊誌の「躍る見出し」

篠田博之月刊『創』編集長
小室夫妻の行方を週刊誌が予測報道(筆者撮影)

〔いきなりの追補〕以下の記事は2022年4月27日に執筆したもので、28日発売の『週刊新潮』の内容などはウェブの「デイリー新潮」を見たのだが、実際に4月28日発売に発売された『週刊新潮』5月5・12日号と『女性セブン』5月12・19日号について冒頭に少しコメントしておこう。特に『週刊新潮』の記事は、今後、波紋を広げそうな気がするからだ。

 『週刊新潮』記事の見出しは「『眞子さん』に生前贈与!?『上皇』『美智子さま』ご心痛は『小室圭さん』」。小室夫妻がいろいろ苦労しているのを見て、上皇夫妻が1000万円を援助する、あるいは援助したという内容だ。具体的な金額が入っているだけにある意味衝撃だが、根拠となっているのは匿名の「宮内庁関係者」の証言だ。ただ書かれたコメント自体には曖昧な表現が目立つ。

「そうした夫婦の窮状を前に、とりわけ上皇后さまがお心を砕かれ、当面の暮らしに不自由しないようにと眞子さんの口座に1000万円ほどの金額をお振込みになると伺いました。すでに『結婚祝い』の名目で支援されたとも聞いています」

 1000万円が既に振り込まれたというのか、振り込まれる予定だというのか、全体的に曖昧だ。

4月28日発売の『週刊新潮』5月5・12日号(筆者撮影)
4月28日発売の『週刊新潮』5月5・12日号(筆者撮影)

 もうひとつ『女性セブン』5月12・19日号「眞子さん小室圭さん摩天楼にギブアップ 緊急帰国は手つなぎで」も、書かれている内容が本当なら波紋を広げるものだが、この5月に小室夫妻が緊急帰国するのではという記事だ。ただ、その根拠が「ふたりが昨秋、結婚から渡米までの約3週間過ごした都内の高級ウイークリーマンションが、5月後半以降、一切の宿泊予約を停止しています」という「不動産関係者」の匿名コメント。どうなんだろう、この根拠は。見出しにドーンとうたうほどのものなのか。

 ともあれ、小室夫妻についての週刊誌報道は収まる気配がない。小室圭さんが2度目の司法試験に不合格だったというニュースに端を発しているのだが、以下、この間の報道内容を振り返ってみよう。『週刊文春』のニューヨーク総領事をめぐる報道など気になる情報も見受けられる。  (2022年4月28日)

一般紙も報じた小室圭さんの不合格報道

 皇室報道については新聞・テレビが基本的に宮内庁発表しか報じないため週刊誌の独壇場となっている。女性週刊誌などニュースがなくても皇室ネタは入れるという方針になっているようだ。ただ「菊のカーテン」の向こう側の話であまり情報が入ってこないため、それを臆測や見出しの派手さでカバーするという面があるのは否めない。

 4月15日から始まった小室圭さんの2度目の司法試験不合格をめぐる報道についても、見出しが派手な割に、記事の中身はいまひとつ。やはり舞台がニューヨークなだけに、日本におけるように匿名の関係者の情報をとるのが大変なのだろう。小室夫妻やその関係者は当然取材拒否だし、周辺取材といっても日本とは勝手が違う。複数の週刊誌が現地での小室さんや眞子さんの写真を掲載しているものの、それ以上内容的に踏み込んだ記事にはなっていないのが現実だ。

 4月15日にNHKニュースが報じた時には「それが全国放送で流すネタか」とネットで突っ込みが入ったようだが、ワイドショーやスポーツ紙は当然として、翌日には一般紙も一斉に報じていた。今回、小室さんが無事に司法試験に合格していれば、4年以上にわたった結婚騒動に最終的な決着がつくことになるはずだった。しかし、そうはいかずにどんでん返しとなった。小室夫妻はもちろん、秋篠宮家周辺も含めて関係者は「あちゃー」と頭を抱えたに違いない。

 NHKニュースなどによると、小室さんは日本で世話になった奥野善彦弁護士に不合格を伝えてきた時、「次は7月に挑戦します」と言ったそうだ。「三度目の正直」と次の司法試験にかける意向のようだが、週刊誌にはいろいろな憶測が飛び交っている。そもそも複数の週刊誌によると、合格することを前提に籍を置かせてくれている現在の法律事務所がそれを許すのかということだ。

 例えば『女性自身』5月3日号ではニューヨーク州の弁護士が「3回目のチャンスを貰える可能性は25パーセント」とコメントしている。現状のままで3回目に挑戦できる可能性は半分以下というのだ。

今後の小室夫妻について様々な予測が

 そして、事務所を解雇された場合、今後のビザはどうなるのか、こういう方法は考えられるがそのためには…などと週刊誌は様々なシミュレートを行っている。いや、それは現在の事務所に意向を確認すれば済む話では…とも思うが、『週刊文春』が取材申し入れを行ったのに対して事務所はそれを拒否している。

 さらに週刊誌は、今後小室さんがどうなるのか、いろいろなケースを提示する記事を掲げている。その見出しがなかなか面白いのだ。『女性自身』5月3日号は「小室圭さん、弁護士絶望的で主夫専従転身 NYで育メンに」。小室さんが主夫になり、眞子さんが仕事に就くという想定で、噂になっているメトロポリタン美術館の話などを改めて紹介している。

『週刊女性』5月3日号は「眞子さん結婚直前に漏らしていた『ダメだったら別れる!』宣言」。見出しだけ見ると、2人が別れる可能性があるような印象だが、記事を読むと、匿名の「眞子さんの知人」が、昨年、眞子さんが冗談交じりに周囲に話していたという曖昧なコメント。

 その匿名の知人が眞子さんに直接聞いた話なのか伝聞なのかも曖昧(たぶん後者だろう)だ。そういう不確かな匿名コメントをドーンと見出しに持ってくるのがひとつの手法なのだが、週刊誌は、記事は読まなくても広告で見出しだけ見るという読者も多いため、見出しが独り歩きする。

 そして『週刊朝日』4月29日号は「小室夫妻『カナダ移住』説の現実味」。「カナダ移住」説とは何かというと、ネットで囁かれている噂なのだという。根拠は小室夫妻を支えてきたとされる前ニューヨーク総領事がカナダ大使に異動となったことなのだが、「一筋縄ではいかなそうなカナダ移住。それでも、実現する可能性がないわけはない」と、この記事自体が曖昧だ。

ニューヨーク総領事との関係めぐる気になる指摘

 ちなみにこのニューヨーク総領事との関係については、『週刊文春』4月28日号に興味深い記述がある。そのカナダへ行った前任者に代わって新たに就任したのが森美樹夫ニューヨーク総領事。今年1月に秋篠宮夫妻と面会したことが報じられており、この記事によると、「実際、森氏は周囲に、『秋篠宮さまに頼まれた』と漏らしていたという」とある。

 そして外務省関係者のこんな匿名コメントを載せているのだ。

「じつは、森氏のNY総領事就任は”秋篠宮さまシフト”なのです」

 眞子さんは皇籍離脱で一市民になったとはいえ、実際には何らかの形で皇室なり政府筋のサポートを受けていることは十分考えられるのだが、この森氏のNY総領事就任こそが”秋篠宮さまシフト”だというのだ。

『週刊文春』4月28日号の言う「特別待遇」とは(筆者撮影)
『週刊文春』4月28日号の言う「特別待遇」とは(筆者撮影)

 ちなみにこの記事の見出しは「小室圭さん『特別待遇』受験の落とし穴」。皇籍離脱で眞子さんは一市民とはいっても、実は小室さんともども「特別待遇」を受けているというのだ。記事で指摘しているのは、今の勤務先である法律事務所も「彼の能力ではなく『プリンセスの夫』という肩書を重視している」「日本企業の案件を取ってくることが期待されている」という。小室さんはそういう「特別待遇」にあり、だからこそ今回の司法試験は「絶対に負けられない戦い」だったというのだ。

 事務所が本当にそういう思惑を持っているとすれば、いろいろな疑問が氷解するし、2度目の司法試験不合格でもすぐに解雇とはならない可能性があるという点で、この記事はなかなか興味深い。ただ残念なことに、同誌はそういう見立てのもとに、小室さんの事務所に取材しようとしたが拒否されている。

『週刊新潮』は「詐欺的結婚」なる凄い見出し

 週刊誌が今後の小室夫妻の行方について様々な臆測をぶち上げていることは前述したが、見出しの激しさで言えば『週刊新潮』4月28日号が一番だ。「再び不合格で『ヒモ化』鮮明 『小室圭さん』詐欺的結婚へのため息」。

「ヒモ化」というのもすごい表現だが、同誌の評価だからまあ許容の範囲かもしれない。ただ「詐欺的結婚」なる表現はなんとも凄まじい。昨年来、『週刊新潮』は小室夫妻叩きになると見出しの激しさが1オクターブ上がってしまう印象を受けるが、これもその典型だ。

『週刊視聴』4月28日号のすごい見出し(筆者撮影)
『週刊視聴』4月28日号のすごい見出し(筆者撮影)

 週刊誌はいずれも、いまひとつ具体的な情報がとれてないようなのだが、その分、見出しの激しさが目立つ。

 4月最後の週に発売された号でも例えば『女性自身』5月10・17日合併号の見出しは「眞子さん『セレブ生活は一生安泰』小室圭さんも高笑いの裏保障」。今も小室夫妻の自宅マンションには隠し撮りを行うカメラマンが姿を見せているそうで、同誌も4月19日撮影の写真を掲載しているのだが、小室さんは「撮影で身構えるカメラマンを目の端で捉えると、なぜか笑いをこらえられない様子だった」という。

 そこから同誌は、総領事や日本政府のサポートによって眞子さんの「セレブ生活」は安泰だとして「高笑い」の見出しを掲げているのだ。でもどう考えても、小室さんがカメラマンを見て笑ったのは、彼らが連日張り込みをやっていることに対する「苦笑い」ではないだろうか。

 私は事件の被疑者側に話を聞く機会が多いので、このシチュエーションについては何度も当事者に聞いているが、例えばサッチーこと故・野村沙知代さんも一度逮捕されて保釈された時、拘置所から出たとたんに報道陣が殺到していて、しかもカメラマンが慌てる様子を見て「あの光景を見たら誰だって笑ってしまうわよ」と言っていた。しかし、大体その笑いが報道される時には「不敵な笑い」と書かれるのが常だ。

『女性自身』の今回の「眞子さん『セレブ生活は一生安泰』小室圭さんも高笑いの裏保障」もすごい見出しというほかない。

「一生安泰」「財政破綻」と雑誌によって反対の論評も(筆者撮影)
「一生安泰」「財政破綻」と雑誌によって反対の論評も(筆者撮影)

 『女性自身』が、小室夫妻が「特別待遇」で高笑いしていると見出しにうたったのと対照的に『週刊女性』5月10・17日合併号は「小室眞子さんが免れない財政破綻カウントダウン」。小室さんの不合格によって小室夫妻の財政破綻はカウントダウンに入ったという、『女性自身』と正反対の見方だ。

 少ない情報のどこに力点を置いてどういう見出しを掲げれば読者の目をひくかを考えてつけている見出しが同日発売の女性週刊誌で正反対になっているのだ。

 ついでにというか興味深いのは、4月28日発売の『週刊新潮』の内容が27日にウェブサイトの「デイリー新潮」で公開されたのだが、驚くのは「小室さんが試験に不合格となったことで、先行きに暗雲が垂れ込めるが、実は、密かに上皇ご夫妻からの私的な財産の譲渡が計画されている」と書かれていることだ。金額は1000万円という。数字などが具体的な点が興味深いのだが、果たしてどのくらい裏のとれた話なのだろうか。

https://www.dailyshincho.jp/article/2022/04271131/

眞子さんに上皇ご夫妻から“生前贈与” 初孫を案じ「ロイヤルサポート」

 ともあれ週刊誌各誌に小室夫妻の行方をめぐる見出しが躍る状況はまだ続きそうだ。実際には、小室夫妻の今後は果たしてどうなるのだろうか。

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

篠田博之の最近の記事