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“韓国のキムタク”とされたウォンビンは何をしているのか。数年ぶりに公の場に

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
2011年のウォンビン(写真:ロイター/アフロ)

かつて“韓国のキムタク”と呼ばれた俳優ウォンビンのことを覚えているだろうか。

ウォンビンといえば、韓国では『冬のソナタ』の監督が手がけたドラマ『秋の童話』(2000年)でブレイクし、2002年には日韓合作ドラマ『フレンズ』で深田恭子と共演。日本でも“韓流四天王”の1人に数えられるほど人気を博していたが、2010年の映画『アジョシ』以降、俳優業は開店休業状態になっている。

10年近く新作がない“四天王”ウォンビンの現在

もともと寡作な俳優として有名だったが、さすがに10年のブランクは長すぎる。その間、いくつもの企業CMに起用され、広告モデルとしての価値は高めてきたが、俳優としての存在感は薄れる一方だ。

そんな彼が先日、広告モデルに起用された男性服ブランドによる「オンラインサイン会」に姿を現した。

久しぶりに公の場に現れて(おそらく演出ではあるが)ファンサービスを行ったのだ。動画に映るウォンビンは相変わらずのイケメンぶりで、一風変わった髪型でも彼がするだけで様になるのだから不思議だ。今年で43歳になるとは思えない若々しさを見せていた。

(参考記事:“韓流四天王”ウォンビンの近況が明らかに。「とても40代に見えない!!」イケメンぶり【PHOTO】)

ただ、久々の露出で韓国メディアが注目したのはやはり“俳優ウォンビン”としての活動のなさだった。

今回のサイン会に対して「ウォンビン、『アジョシ』以降ファンと会う」(『E Today』)、「相変わらず格好いいのになぜ活動しない?」(『スポーツ朝鮮』)といった見出しが並ぶのは、ファンはもちろん、メディアも彼の10年ブランクを惜しいと思っている証拠だろう。

というのも、カンヌ映画祭にもノミネートされたポン・ジュノ監督の映画『母なる証明』(2009年)や、韓国でその年の映画興行ランキング1位となった『アジョシ』といった出演作を見てもわかる通り、演技力も申し分ない。それだけに俳優ウォンビンの新作を楽しみにしている人々も多いのだ。

実は、ブランク期間中も何度かドラマや映画への出演を検討していたらしい。

例えば、TBSドラマ『愛なんていらねえよ、夏』の韓国リメイク版『その冬、風が吹く』や、ハ・ジョンウが主演した映画『神と共に』シリーズがそれだ。

復帰に対する意思がないわけでもないのに、毎度のごとく出演が見送りになる理由は何なのだろうか。

業界では「選びすぎ」という意見が大多数を占めているが、ブランクが長引けば長引くほど、「良い作品でなくては」というこだわりも強くなってしまっているのかもしれない。

ウォンビンと同じく“ヨン様”ペ・ヨンジュンも…

ウォンビンと同じような理由でもうひとり、近況が気になるスターがいる。ウォンビンとともに韓流四天王のひとりとされた“ヨン様”ことペ・ヨンジュンだ。

言わずと知れた『冬のソナタ』で日韓ともに大ブレイクした彼は、自身が立ち上げた芸能事務所が制作を手がけた『ドリームハイ』(2011年)で助演を務めた以降、俳優業に関しては開店休業状態だ。

最後の主演作はドラマ『太王四神記』(2007年)と13年前まで遡らなければならないのだから、世間で「事実上の引退」と囁かれても仕方のない状況だろう。

その間、もちろん遊んでいたわけではない。

元アイドルの女優パク・スジンと電撃結婚して2児のパパになり、実業家として成功を収めた。2018年に東方神起らが所属するSMエンターテインメントの大株主となり、彼の持ち株資産価値は推定439億ウォン(約43億9000万円)にもなると報道されたことあるという(2019年6月発表)。

悠々自適に暮らせる富があるからか、数年前からは海外活動やCMでもすっかり姿を消し、ウォンビンのように作品を検討しているという噂すら聞こえない。SNSや公式ホームページも2016~2017年あたりから更新がなく、もはや「俳優業の復帰は見込めない」状況だ。

どんな事情があれ、ウォンビンとぺ・ヨンジュンは大衆から支持され人気を集め、富と名声を築いた俳優だ。『愛の不時着』をはじめ韓国ドラマが世界で評価されている今、2人が役者魂を覚醒させて新たな作品作りに取り組めば、それはそれで大きな話題になると思うのだが…‥‥。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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