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美人姉妹&絶対エース…女子バレー韓国代表は「五輪1年延期」がプラスか

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
イ・ダヨン(写真提供=スポーツソウル)

新型コロナの影響で東京五輪が1年延期されたが、本来であれば明日7月26日は東京五輪の女子バレーボール初戦が行われる予定だった。

1年の延期によって各国の選手やチームにはさまざまな影響があったことは想像に難くないが、こと44年ぶりのメダル獲得を狙う女子バレー韓国代表にとっては1年の延期がプラスに働くのではないかとの見方が少なくない。

というのも、韓国代表の主力メンバーが国内リーグで同じチームに所属することが決まり、チームワークを強化する期間が増えたといえるからだ。

美人姉妹双子+絶対エースが同チームに!

そのチームとは、興国生命スパイダース。同チームにはもともと韓国代表のイ・ジェヨンが所属していた。2019年に日本で行われた国際バレーボール連盟(FIVB)女子バレーW杯で韓国の“新エース”と呼ばれるほど活躍し、その名をご存じの方もいるだろう。

そんな興国生命スパイダースは今年のFA市場を通じて、まず韓国代表セッターのイ・ダヨンを獲得した。イ・ダヨンはイ・ジェヨンの双子の妹であり、“韓国の美人セッター”として非常に人気が高い選手だ。

(参考記事:【写真】韓国女子バレーの“美人セッター”イ・ダヨン、自撮り写真が話題に!

この韓国代表の双子姉妹を揃えただけでも、興国生命スパイダースはリーグ優勝候補の筆頭に上がったが、さらに6月には韓国代表の“絶対的なエース”キム・ヨンギョンまで獲得した。

そもそもキム・ヨンギョンは2009年まで興国生命スパイダースでプレーした後、日本のJTマーヴェラスに移籍しながら、海外生活を始めた。日本、トルコ、中国などで活躍し、2018年にはトルコに戻ってエジザージュバシュでプレーしたが、今年5月に契約を終了。今回、11年ぶりに“古巣”興国生命スパイダースに帰ってきた。

キム・ヨンギョンは興国生命スパイダース復帰するにあたり、年俸80%削減という思い切った決断を下している。彼女がそこまでして韓国復帰にこだわったのには理由がある。入団記者会見でこう述べている。

「たくさん悩んだ。最大の理由の1つは、新型コロナが原因で韓国代表のトレーニングもできない状況があった。海外の状況も良くない。いつリーグが再開するか疑問があった。最高のコンディションでオリンピックを準備したい気持ちが大きかった。良い競技力をキープするために復帰したいと思った」

すべては東京五輪のためというわけだ。

キム・ヨンギョンが学び、成長する“新エース”

女子バレー韓国代表の主力中の主力といえるキム・ヨンギョン、イ・ジェヨン、イ・ダヨンが同じチームに所属することが決まり、彼女たちが同じチームで実戦を通じて連携を深めることができるのだから、来年の東京五輪への楽しみも増す。

何よりもキム・ヨンギョンの加入によって、すでに韓国トップクラスといえるイ・ジェヨンがさらなる成長を遂げるのではと期待されている。

7月14日から興国生命スパイダースの練習にキム・ヨンギョンが合流したのだが、今後は毎日同じコートで汗を流し、今まで以上に連携を深められる。コートの外でも、昨シーズンまで欧州でプレーしていたキム・ヨンギョンの生活から学びを得られるだろう。

イ・ジェヨンは『スポーツソウル』のインタビューを通じて、「ヨンギョン姉さんのすべてを真似ることはできないが、ついていけるように努力する」とし、「横から長所を見て学びたい」と話している。

23歳の新エースがキム・ヨンギョンから学び、1年後にはさらなる飛躍を遂げている可能性は少なくない。それはセッターのイ・ダヨンも同じだろう。

いずれにしても主力3人の連係が深まれば、女子バレー韓国代表にプラスに働くことは間違いない。女子バレー韓国代表は東京五輪の1年延期というアクシデントをポジティブな要素に変える可能性が高い。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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