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“飛ばし屋の美女ゴルファー”がイ・ボミ、ユン・チェヨンらも凌駕。キム・ミンソン5とは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
キム・ミンソン5(写真提供=KLPGA)

先週末、韓国ではKLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)ツアーの今季国内第7戦となる「メッコール・竜平リゾートオープンwith SBS Golf」が江原道(カンウォンド)のバーチヒルゴルフクラブで行われた。

元祖・美女ゴルファーの参戦にメディアも注目

7月3日~5日にかけて行われた同大会の賞金総額6億ウォン(=約6000万円)。大会には韓国のトッププロたちはもちろん、昨季全米女子ツアー新人王のイ・ジョンウン6や日本ツアーを主戦場とするイ・ボミやユン・チェヨンも出場した。

イ・ボミは5月のKLPGAチャンピオンシップを含め、今季はすでに韓国ツアーに5試合出場しているが、ユン・チェヨンは今季初の試合出場にして韓国ツアー出場は昨年8月のハンファ・クラシック以来。

日本本格参戦前までは史上最多となる8年連続でKLPGA広報モデルに選出されるなど、韓国では“美女ゴルファー”の代名詞とされているだけに、イ・ボミと揃って各メディアがその一挙一動をフォトニュースで伝える注目ぶりだった。

(参考記事:韓国女子ツアー参戦中のイ・ボミとユン・チェヨン、華麗なティーショットを披露【PHOTO】)

そんな期待に応えるかのようイ・ボミ、ユン・チェヨンは奮闘。イ・ボミは最終的に1アンダーで41位タイ、ユン・チェヨンは4アンダーの17位タイで大会を締めくくった。

優勝したのは、キム・ミンソン5。トータル12アンダーで優勝した。

「飛ばし屋の美女ゴルファー」キム・ミンソン5とは?

キム・ミンソン5には過去に何度かインタビューしたことがある。

初めて言葉を交わしたのは2015年の春。2012年にプロ転向し、2014年からKLPGA1部ツアーに昇格すると、1年目でいきなり優勝も経験したことで韓国メディアの間では期待の新人だった。

身長170センチの長身でドライバーの平均飛距離が252.8ヤードだったことから、ついたあだ名は“長打美女”。日本風で言うと“飛ばし屋の美女ゴルファー”に近いニュアンスだろうか。

キム・ミンソン5(写真提供=KLPGA)
キム・ミンソン5(写真提供=KLPGA)

モデルのようなスレンダーな長身ビジュアルもあって、2016年度からは実力と人気を兼ね備えた者が選ばれるKLPGA広報モデルにも選ばれた。

「いつか日本を含め海外でプレーしたいという夢はありますが、まずは韓国で実績を残してからですね」と笑っていたのか昨日のようだ。

だが、2017年4月のネクセン・セントナインマスターズで通算3勝を飾って以降は今一つ波に乗れなかった。

それまで3年連続トップ10圏内をキープしていた賞金女王ランキングでも、2018年は46位、2019年は22位。

今季も新型コロナ禍の中で行われた国内開幕戦のKLPGAチャンピオンシップでは途中棄権。E-1チャレンジカップでは予選落ち、ロッテ・カンタータ女子オープンでは71位タイ、KIA自動車第34回韓国女子オープンでは72位タイ、先々週のBCカード・ハンギョン・レディースカップ2020では予選落ちだった。

それだけに1168日ぶりにして通算5度目の優勝となったメッコール・竜平リゾートオープンwith SBS Golfの美酒は格別だったのだろう。安堵の表情で語っている。

キム・ミンソンが登録番号を「5」にした理由

「(これまでの成績低迷もあり)実は今季はシード権獲得が難しいかもと覚悟をしていましたが、今回の優勝を機にそんな心配も吹き飛びました。これからは結果ばかりに執着せず、ますは置かれた状況に集中し、今季の残った大会もひとつひとつ解いていきたい。まだ1シーズンに2勝をしたことがないので、今年はぜひやってみたいですね」

ユン・チェヨン(写真提供=KLPGA)
ユン・チェヨン(写真提供=KLPGA)

いずれにしても復活した“長打美女”ことキム・ミンソン5。前回紹介したキム・ジヨン2と同様に、キム・ミンソンの登録名には「5」がつくが、キちなみに彼女の場合はキム・ミンソンとしてKLPGAに登録されたのが5番目だからではない。

本人にインタビューした際に尋ねてみると、本来なら「キム・ミンソン4」だったが、本人が「4(サ=死)」の数字をつけることが嫌い、「キム・ミンソン5」になったらしい。

登録名通り、通算5勝は達成した。今後その数字をどれだけ伸ばしていくか、注目したい。

イ・ボミ(写真提供=KLPGA)
イ・ボミ(写真提供=KLPGA)
ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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