BTSは定価30倍、解散アイドル公演130万円も。チケット転売問題に韓国も動くか

(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

スポーツやエンターテインメントのチケット競争が騒がしい今日この頃だ。つい先日は東京五輪の観戦チケットの抽選結果をめぐって一喜一憂があったし、6月14日からは国内で行われる芸術・芸能やスポーツイベントなどのチケットの不正転売を禁止する「チケット不正転売禁止法」が施行された。

不正転売や常識外れの高額取引を禁じるための規制で、違反が発覚した場合は1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられるという。東京五輪組織委員会も、観戦チケットの不正転売せぬよう注意勧告しているが、韓国でも、日本と似たような動きを見せている。

6月12日、韓国国会では公演チケットの不正取引を禁止する公演法の一部改正案が発議された。オフラインでの高額転売が発覚した場合に20万ウォン(約2万円)以下の罰金が科せられる現行の規制をより強化し、オンライン・オフラインを問わずに高額転売が発覚すれば1年以下の懲役もしくは1000万ウォン(約100万円)以下の罰金刑にするという内容になっている。

代表発議者であるシン・チャンヒョン議員(政党名「共に民主党」)は、以下のような発言をしていた。

「昨年8月に行われたBTSのコンサートのチケットが、定価11万ウォン(約1万1000円)よりも30倍も高騰した320万ウォン(約32万円)で取引されるなど、人気K-POPグループのライブにおいて不正転売が横行している。このような不正転売が続けば、主な客層である学生たちに間違った経済観念を植え付け、保護者への依存度が高まるなどの悪影響を及ぼす可能性がある」

(参考記事:BTSとARMYが作る「成熟したファン文化」…ファンミ騒動も“成長痛”にすぎない

日本ではかなり前から、ジャニーズ事務所所属タレントの公演をめぐってチケットの高額転売などが問題視されてきたが、韓国でも人気K-POPアーティストになると、その事情はさほど変わらない。

かつて韓国ではダフ屋行為で売られるチケットを“アムピョ(暗票)”と言われていたが、最近は一部の若者たちからどういうわけか“プレミアム”と呼ばれるようにもなり、高額チケットも当たり前という風潮が広がっている。

昨年末に行われた人気グループWanna Oneの解散コンサートでは、定価11万9000ウォン(約1万1900円)のチケットが1300万ウォン(130万円)で転売されていたということが明るみになって、世間を驚かせた。

こうした事態をK-POP業界も重く受け止めており、横行するダフ屋行為や不正転売をせぬよう、各芸能事務所はもちろん、アーティスト本人たちもSNSなどで転売禁止を促すよう訴えているが、これがまた難しい。

例えばBTSの所属事務所であるBig Hitエンターテインメントの場合は、BTSのコンサートにおいて「購入者と入場者が同一人物の場合のみ入場可」といった方法を採用している。

ただ、一部のファンからはこの方法に対する不満の声があがっており、「学生の場合、兄弟や親が代理でチケットを購入する場合もある」「急に行けなくなった場合はチケットを譲渡したり、ファン同士で座席を交換したりするのは日常茶飯事。そんな文化を考慮していない」という意見もあって、関係者たちも頭を悩ませていると聞く。

いずれにしても、ほぼ同じ時期にチケットの不正転売禁止への取り組みを始めた日韓。成果を競うことはないが、不正転売や高額転売の取り締まりによって、チケットを求める多くの人たちが平等に機会を得られるようになることを願うばかりだ。