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チャン・グンソクにキム・ヨナ、BTSファンも…12月の韓国芸能界で寄付が活発なワケ

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
兵役中でも寄付を行ったチャン・グンソク(写真:アフロ)

12月に入って、韓国芸能界ではスターたちの寄付活動が活発になっている。

兵役中のチャン・グンソクも

例えば、兵役中のチャン・グンソクは12月1日、チョッパン村(貧民村の意味)の住民のために練炭1万3000個を寄付していた。

(参考記事:兵役期間の短縮が実現!チャン・グンソクはいつ終わる?

練炭伝達式には、現在社会服務要員として兵役中のチャン・グンソクに代わって、所属事務所と公式ファンクラブ「Cri-J」の役員などが出席したという。

チャン・グンソクは以前から積極的な寄付活動を行っているスターとして知られており、今春には母校の漢陽(ハニャン)大学に、同校の広告モデル活動で得た収益のうち1億ウォン(約1000万円)を寄付していた。

ちなみにチャン・グンソクは在学当時も、12億ウォン(約1億2000万円)を奨学金として寄付し、世間の注目を集めている。その後も数回にわたって後輩のための発展基金を寄付しており、同校には「チャン・グンソク奨学金」が存在するほどだ。

K-POPアイドルも寄付に積極的

つい先日、舞台上で失神して心配されたAOAソリョンも、“寄付天使”の仲間入りを果たしている。所属事務所FNCエンターテインメントは12月上旬、「ソリョンが最近、低所得層の青少年のためにCommunity Chest of Koreaの社会福祉共同募金会に5000万ウォン(約500万円)を寄付した」と伝えた。

ソリョンは昨年、浦項(ポハン)付近で発生した地震の被災者と、ソウル農学校に5000万ウォン(約500万円)ずつ寄付したことで話題になったが、今年も善行を続けているわけだ。

またFNCエンターテインメント所属の芸能人、ソリョンやチョン・ヘインらが歌う『It’s Christmas』が12月17日から音源サイトで公開されたのだが、その収益金も全額、恵まれない子供たちに寄付されるそうだ。

俳優やアイドルだけではない。

6年ぶりに海外アイスショーに参加するキム・ヨナは?

“フィギュア女王”キム・ヨナも寄付活動で有名だ。12月中旬~下旬にかけて6年ぶりに海外でアイスショーに出演するのだが、出演料を全額寄付するという。

(参考記事:キム・ヨナが6年ぶりに海外アイスショーに出演、出演料は全額寄付

2010年にユニセフ親善大使に任命されたキム・ヨナは、2013年に行われた世界選手権の優勝金を全額寄付するなど、12回にわたり約8億5000万ウォン(約8500万円)の寄付金を納めている。アメリカの経済誌『フォーブス』の「2014年アジアの慈善家」に選ばれたこともあり、韓国スポーツ選手のなかでも別格の存在といえるだろう。

韓国芸能人が寄付する理由

そもそも芸能人の寄付は、一般人や企業家の寄付に比べて、波及力が圧倒的に強い。その波及力は、顔と名前が知られているスターであればあるほど強くなるだろう。

そのため芸能人の寄付を“売名行為”と指摘する人がいないわけでもない。実際に韓国スターのなかには、寄付したことを公開せず、後日その善行が明らかになるといったケースも見られる。

一方で、これまで総額100億ウォン(約10億円)を寄付し、韓国芸能界一の寄付者とされる歌手キム・ジャンフンは「後ろ指をさされても芸能人の寄付は知られるほうが良い」と考えを示したことがある。

ユ・アインも同じような意思を伝えたことがある。以前とある財団の募金活動に参加したユ・アインは、「人知れず寄付するのもいいが、もっと知らせて、多くの人が後に続くきっかけを作ることも大切だと思います」と、自らの考えを明かした。

多くの韓国芸能人が寄付する理由は、そんなところにあるのだろう。

事実、韓国では俳優やアイドル本人ではなく、そのファンによる寄付活動も活発という特長がある。

本人だけでなくファンも…BTSの場合

日本でも東方神起ファンの善行が知られているが、今年目立ったのは“ARMY”の名で知られるBTS(防弾少年団)のファンたちかもしれない。

韓国赤十字社の陜川(ハプチョン)原爆被害者福祉会館側は12月4日、「BTSのファンによるコミュニティ“走れARMY”が、544万2277ウォン(約55万円)を寄付した」と発表した。

BTSのファンたちは慰安婦被害者への寄付も行っており、韓国メディア『スポーツソウル』によれば、「これまで依頼人名に“BTS”や“アーミー”、もしくはBTSのメンバーの名前が記載された振込額だけで1000万ウォン(約100万円)に及ぶ」と伝えている。

賛否はあるが今年日本でも話題になり、今もっとも勢いのある韓国グループといえるだけに、そのファンの熱意も凄まじいといったところなのだろう。

(参考記事:“原爆Tシャツ”騒動のBTS…韓国専門家が「日本での人気は揺るがない」と強気なワケ

枚挙に暇がないほど、多くの芸能人とそのファンが寄付活動を行っている韓国。今後も善行の輪が広がっていくことを期待したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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