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【インタビュー】“8頭身美女ゴルファー”ユン・チェヨンが日本に来て変わったこと

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真提供=KLPGA)ユン・チェヨン

日本女子ツアー本格参戦、2年目を終えたユン・チェヨン(Q CELLS=Qセルズ)。

美女ゴルファー“神セブン”のひとり

韓国時代はもちろん、日本でも「8頭身美女ゴルファー」「元祖美女ゴルファー」などの見出しで報じられ、イ・ボミ、アン・シネらと並んで韓国女子ゴルファー“神セブン”に入る注目度の高い選手だ。

(参考記事:【PHOTO】イ・ボミ、アン・シネ、そして…韓国女子ゴルファー“神セブン”を一挙紹介!!

今季は優勝こそなかったものの、トップ10回数が11回(7位タイ)と安定した活躍を見せた。昨年の同5回と比較すると、倍以上も増えたことになる。

そんなユン・チェヨンの独占インタビュー。2回目の今回は、日本に来てから起こった彼女のゴルフの変化や韓国時代との違いについて紹介しよう。

そもそもユン・チェヨンの今シーズンは、“第2の全盛期”を迎えたといっても過言ではない成績だった。それだけに本人も日本ツアー参戦を肯定的にとらえている。

「いろんな人から“よく日本に行った”とほめられます(笑)。自分のゴルフをちょっとアップグレードできたかなと思う。マネジメントや精神面が成熟したのかもしれない。30代になって経験も豊富なので、プレーに老練味が出てきたというか。

韓国では若い選手が次々と台頭してきて、30代になると引退する選手も多いですが、私は時間を逆行しているようです(笑)」

ユン・チェヨンは日韓女子ツアーを比較するとき、よく韓国女子ツアーの競争の激しさを強調する。以前インタビューしたときも、「韓国では次々と若い選手が台頭してきて、30歳を過ぎたら残れない」と話していた。

次々とスターが登場する韓国女子ツアー

実際に現在の韓国女子ツアーは、2015年にデビューしたイ・ジョンウン6が2年連続の賞金女王に輝くなど、新しいスターが次々と登場している。そのイ・ジョンウンは来季からアメリカ進出することになったが、“心配無用”といった雰囲気もある。

(参考記事:イ・ジョンウンが米ツアー進出も心配無用!? 韓国女子ゴルフのスター候補たち

それほど有力な選手が次々と登場しているだけに、シードを守る競争もし烈ということだろう。

「日本では上手くいかず予選落ちしたとしても、“来週頑張ろう”と思えるんです。また結果がそれほど出なくても“自分としては上手くできた”と手応えを得ることもある。韓国では競争が激しすぎて、そうは感じられなかった」

日本女子ツアーに参戦するようになって、自分のゴルフに変化も出てきたようだ。

日本参戦前にインタビューした際、ユン・チェヨンは筆者に自分のゴルフを「全体的に守りのゴルフ、プレー中に大切にしているのはリズム」と話していた。が、今は少し違う。

「今も試合中のリズムやテンポはとても大切にしています。ただ以前までが“守りのゴルフ”であれば、今はポイントをちゃんと絞って“攻めのゴルフ”も試みます。果敢に攻めるときもあるし、慎重にプレーすることもある。メリハリのあるゴルフを意識しています。そこは少し変わったかもしれません」

イ・ボミより安定感がある

ユン・チェヨンは自分のゴルフの強みを「大きく崩れることがないというところ」と話す。今季29試合に出場し、トップ10回数が11回、予選落ちが4回だ。この数字はキム・ハヌルや、先日熱愛が発覚して大きな話題となったイ・ボミよりも上だ。

(参考記事:熱愛発覚した女子ゴルフのイ・ボミ、日常写真の美貌も話題

その安定感の秘訣は、どんなところにあるのだろうか。

「ドライバーが上手くいかない日もありますが、そういう日はショートゲームで挽回して、なんとかパーをキープする。だからとんでもなく悪いスコアというのは、年に数回だと思います。

ジュニアのときから、パーセーブするための練習をたくさんしてきました。ショートゲームでミスが出ると“ボギーかもしれない”と考える選手が多いですが、私は“パーをセーブする”というスタンスでいつもプレーしています。特にドライバーの正確さと、100ヤード以内のショットは自信があります。もちろん失敗するときもありますが、自信を持ってスイングできています。

ただ安定感があるかわり、すごく上手くなることもないのですけど…(笑)」

ユン・チェヨンが今季掲げていた目標は、2つあった。

1つは、ツアー最終戦の“LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ出場”だ。リコーカップはツアー優勝者や賞金ランキング上位25位までなど、1年間の成績上位者に出場資格が与えられる大会だけに、「一応目標のひとつは達成できたかなと思っています」と話す。申ジエの優勝で幕を閉じたリコーカップで、ユン・チェヨンは12位タイだった。

しかしユン・チェヨンがもっとも達成したかったのは、もう1つの目標、“1勝”だろう。

優勝回数はこれまで1回

ユン・チェヨンにとって優勝は、軽々しく口にできるものではない。彼女にとって優勝経験は、2014年7月の韓国女子ツアー「済州サムダス女子オープン」の1勝のみだからだ。

今季の韓国女子ツアーでは、そのルックスと実力でデビュー当時から大きな注目を集めていた美女ゴルファーのパク・キョルが、デビュー4年目にして初めて1勝をあげて話題になった。

だが、ユン・チェヨンの韓国女子ツアー初優勝はデビュー10年目のこと。実にプロデビューから160試合で達成した唯一の栄光だった。

だからこそユン・チェヨンは1勝の難しさを、深く認識している。そしてその目標は、来シーズンへと持ち越される。

次回は来季の目標や彼女の将来のビジョンについて紹介しよう。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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