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女子ゴルフ豪華カルテット…国別対抗戦に韓国が並々ならぬ闘志を燃やしているワケ

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
日本女子オープンを制したユ・ソヨンも韓国代表として参戦(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

10月4日から韓国の仁川(インチョン)・松島(ソンド)のジャック・ニクラウス・ゴルフクラブ・コリアで「2018 UL インターナショナル・クラウン」が開催される。同大会は全米女子プロゴルフ協会主催で、2年に1度開催される女子ゴルフの国別対抗戦だ。

女子ゴルフの対抗戦といえば、日韓欧豪4ツアー対抗戦「THE QUEENS」なども知られるところだろう。イ・ボミやキム・ハヌルが韓国のキャプテンを務めたことは、日本でも有名だ。

(参考記事:【写真35枚】イ・ボミも思わず泣いた!! 4カ国対抗「THE QUEENS」フォトヒストリー

それに比べるとインターナショナル・クラウンは、より国別というイメージが強い。

7月1日付けの世界ランキングの基準を満たした韓国、アメリカ、日本をはじめ、イギリス、オーストラリア、タイ、スウェーデン、台湾の8カ国(選手32人)が出場する。前回大会で優勝したのはアメリカだった。

今回のインターナショナル・クラウンに並々ならぬ闘志を燃やしているのが、韓国だ。

現在、女子ゴルフ世界ランキングのトップ10のうち、4人が韓国人ゴルファーであり、また2016年リオ五輪で金メダルを獲得したのも韓国(パク・インビ)である。

国別対抗戦を行えば韓国が有利に思えるが、2014年の新設からインターナショナル・クラウンでは未だに優勝がない。

スペインが優勝した2014年大会は日本と並んで3位タイ、2016年大会は2位(日本は5位)だった。もはや負けられないという思いだろう。韓国メディアも「屈辱のチーム・コリア、“今回こそ雪辱”」(『ソウル経済』)と鼻息が荒い。

それに加えて今大会の舞台は、過去2大会が行われたアメリカではなく、ホームの韓国。メンバーも“ゴルフ女帝”パク・インビや韓国美女ゴルファー“神セブン”は出場しないものの、豪華だ。

(参考記事:イ・ボミとキム・ハヌルだけじゃない!! 韓国美女ゴルファー“神セブン”は誰だ!?

筆頭は、世界ランキング1位のパク・ソンヒョンだろう。今シーズンは「テキサスLPGAシュートアウト」「KPMG女子PGA選手権」「インディ女子インテック選手権」の3勝をあげており、まさに韓国代表に相応しい実力を証明している。

また、先週の日本女子オープンを制したユ・ソヨン(世界ランキング4位)も参戦。彼女は2014年、2016年も出場しているのだが、通算6勝2敗と同大会を得意としている。世界ランキング10位のキム・インギョン、同27位のチョン・インジも実力のある選手だ。

(参考記事:「変数ではなく常数と闘う」チョン・インジの原点と勝負強いメンタルの秘訣

日本は畑岡奈紗、比嘉真美子、成田美寿々、そしてケガで欠場する鈴木愛にかわって上原彩子が出場する。

インターナショナル・クラウンは3日目まではフォアボール形式のダブルス戦が行われる。韓国、イギリス、オーストラリア、台湾がA組、アメリカ、日本、タイ、スウェーデンがB組となっており、上位1~2位と3位2チームのうち1チームの計5カ国が進出する最終日はシングルス戦を実施する。

賞金総額は160万ドル。各国を代表する女子ゴルファーがしのぎを削る一戦だけに、注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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