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「美女揃い!!」「Kリーグよりも数字を稼いでいる」韓国女子バレーが人気を集めている!!

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
女子バレー韓国代表の国際舞台での好成績が決め手(写真:松尾/アフロスポーツ)

8月18日に開幕するジャカルタ・アジア大会を控え、最近は女子バレーボールの話題を目にする機会が増えたような気がする。

韓国でも同様で、特に先週末からは女子バレーボールに関する報道が目立つようになった。

韓国バレーボール連盟(KOVO)が主催する『韓国道路公社カップ 女子プロバレーボール大会』(KOVOカップ)が、8月5日に開幕したからだ。

KOVOカップは2006年から開催されてきたカップ戦だが、今年の大会は異例だ。韓国では2005年からプロリーグのVリーグが男子部・女子部の両方でスタート。リーグ戦、カップ戦ともに男子・女子の公式戦が同時に行われてきたが、今年は男子に先駆けて女子のカップ戦が単独で行われているのだ。

韓国女子バレー代表は8月にアジア大会、9月には世界バレー(世界選手権)が控えているスケジュールの関係上、女子だけが先に開催されることになったこともあるが(男子は9月に開催予定)、女子単独での開催は韓国バレーボール史上初めてのこと。

カップ戦には、アジア大会を控える女子韓国代表選手たちは不参加で、実力はもちろん、美しいルックスも人気を集めている外国人選手たちも、国際移籍証明書(ITC)が発給されていないため参加していないが、注目度は高い。

(参考記事:【画像】ミスコン受賞者も!! 韓国Vリーグ女子の“美しすぎる外国人選手”を集めてみた!!

「女子KOVOカップの観戦ポイント、知って観るともっと面白い」(『スポーツ東亜』)など、大会の特集を組むメディアまであるほどだ。

“美女姉妹“などスター選手が人気を後押し

こうした注目と関心が高い背景には、韓国で高まっている女子バレー人気がある。

韓国バレーボール連盟が発表した報道資料にも、「刮目すべき成長を見せている女子バレーボール人気を受け、単独開催することとなった」と綴られている通りだ。

そもそも女子バレーボール人気に火が付いたきっかけは、2012年のロンドン五輪だろう。

1976年のモントリオール五輪での銅メダル獲得以来、五輪でこれといった成績を残せていなかった女子韓国代表は、ロンドン五輪でベスト4に進出。2010-2011シーズンに日本のVリーグでもプレーしたエースのキム・ヨンギョンは大会MVPにも輝き、女子バレーボールに関心が注がれるようになったのだ。

その後も2014年の仁川(インチョン)アジア大会優勝、2016年のリオ五輪のベスト8進出など、国際大会で結果を残し続け、女子バレーボールに対する注目度は上昇。

さらに、“バレー女神”コ・イェリンや美人姉妹”とされるイ・ジェヨン、イ・ダヨンをはじめ、実力はもちろん、ルックスも関心を集めるスター選手が続々登場したことも、女子バレーボール人気を後押ししたといわれている。

(参考記事:【画像】アイドル並みのかわいさ!? 韓国美女バレー選手“ベスト6”が美しすぎる!!

勢いはスター選手も多い男子以上?

女子バレーボールの人気は、数字にも表れている。例えば、Vリーグ女子のテレビ中継の視聴率だ。

昨季、ケーブルテレビ局で中継されているVリーグ女子のリーグ戦の平均視聴率は、2005年のプロリーグ発足後、史上最高となる0.79%を記録している。「視聴率1%を越えたら大ヒット」とされるケーブルテレビでの中継で、その1%に肉薄するのだからすごい。

参考までにKリーグのケーブルテレビ平均視聴率は0.11%だ。Vリーグ女子がプロサッカーよりも視聴率を稼いでいるのである。

さらにVリーグ女子は、昨季ポストシーズンには前季ポストシーズン平均視聴率(0.94%)から0.12ポイント増の1.06%を記録。

“韓国バレー界の玉木宏”とされるムン・ソンミンをはじめ、スター選手も多いVリーグ男子が昨季ポストシーズン(1.40%)からほとんど変わらない1.41%にとどまったことと比較しても、Vリーグ女子の人気の高さがわかるだろう。

ほかのスポーツと比較してもVリーグ女子の視聴率は高い。例えば韓国では、日本の漫画『スラムダンク』がバスケットボール・ブームを起こしたとされ、バレーボールと並んで“冬の二大スポーツ”ともいわれるが、昨季プロリーグの平均視聴率は男子・女子ともに0.20%。女子Vリーグはそのおよそ4倍の視聴率を記録しているのだ。

(参考記事:桜木花道は「カン・ベクホ」!? 韓国でもバスケブームを巻き起こした『スラムダンク』のすごさ

こうした関心の高さを受け、史上初めてKOVOカップが女子単独で開催されたわけだが、この大会はVリーグ女子の行く末を占う場にもなると言われている。

というのも、前述した通り、韓国Vリーグは男子部と女子部が同日に試合を行わせることが多く、午後5時から女子、午後7時から男子の試合が行われている。

男子のほうが人気があったためのスケジュールだというが、最近は女子の人気が高まったことを受け、より多くのファンが観戦できる午後7時から女子の試合を行なうべきではないかという声が上がっているのだ。

男子・女子を分離させて、それぞれ個別に試合開催すべきとの意見もあるほどなのだ。

今回のKOVOカップは、それを実現できるどうかが試される場となると伝えるメディアも少なくないが、はたして、女子バレーボールの人気はこの大会で改めて証明されるか。

大会は今月12日まで行われるが、史上初の女子単独カップ戦が今後、どのような反響を呼ぶか引き続き注目していきたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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