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まさに愛と憎しみの『マジンガーZ』。韓国における日本のロボットアニメ人気とは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

本日5月17日から韓国で公開される日本の映画が、局所的な注目を集めている。映画『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』だ。

「帰ってきた“マジンガーZ”…おじさんたちの思い出の旅にぴったり!」(『東亜日報』)、「マジンガーZが帰ってきた、もう一度人類を守るために」(『中央日報』)などと韓国大手メディアが報じているように、一部のマニアたちの間ではかなり期待されているようだ。

近年、韓国で公開された日本のアニメ映画といえば『君の名は。』の大ヒットが記憶に新しいが、『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』が韓国でどのような反応を示すか興味深いところだろう。

(参考記事:パロディーに“迷惑行為”まで…『君の名は。』が韓国で人気のワケは?

それにしても、なぜ韓国でマジンガーZは有名なのだろうか。

実は韓国でも1975年8月から毎週月曜日にテレビ放送されていたのだ。

“黒歴史”の因縁も

当時の韓国は日本の大衆文化が禁止されていた時代。そのため日本のアニメではなく、アメリカのアニメとして放映されていたとされている。

しかも、マジンガーZが韓国に与えた衝撃と影響はかなり大きかった。

韓国ではマジンガーZがアニメ放送された翌年の1976年に『ロボット テコンV』なるアニメが放送開始されているのだ。

この『ロボット テコンV』。マジンガーZとかなりソックリなことで有名だ。韓国では盗作疑惑にさらされ、テコンVの企画段階のタイトルが「マジンガーテコン」だったことなどが明らかとなり、韓国アニメ業界における“黒歴史”となっているほどだ。

(参考記事:韓国アニメ業界が直視したがらない“黒歴史”と呼ばれる3つのアニメ作品

前出の『中央日報』の記事では、「マジンガーZの影響で1976年にテコンドーと操縦型ロボットを結合した『ロボット テコンV』が誕生した」と紹介していたが、筆者の同世代の韓国人の中には、今でも『テコンV』が本家本元だと思っている者も少なくない。

しかも、同じようなケースは、サッカー漫画でもある。例えば『キャプテン翼』だ。

もともと『キャプテン翼』は韓国で不人気で同じジャンプ漫画でも『スラムダンク』とは対照的なほどだが、それは同じ頃にとあるサッカーアニメが韓国でヒットしていたことも無関係ではないだろう。

(参考記事:『スラムダンク』は今でも人気で『キャプテン翼』は拒絶されたワケ)

そのサッカーアニメのタイトルは『蹴球王シユットリ』

ただ、実はこの『蹴球王シユットリ』も日本の漫画だったことを知らせると、多くの韓国中年男性たちが驚く。「テコンVにも日本のアニメを参考にしている」と教えると、複雑な苦笑いを浮かべる中年男性も多いのだ。

とはいえ、マジンガーZやテコンVは、その後の韓国におけるロボットアニメ人気の基盤になっているといっても過言ではないだろう。

ロボット人気で美女オタクも登場

例えば、「ガンダム」シリーズは、韓国でも根強い人気を誇っている。

ファーストガンダムと呼ばれる『機動戦士ガンダム』はもちろん、2000年以降放送された『機動戦士ガンダムSEED』や『機動戦士ガンダム00』シリーズは男性のみならず、女性ファンも多数存在するほどだ。

実際に人気俳優のシム・ヒョンタクやパク・ヘジン、プロ野球選手のファン・ジェギュンら男性有名人だけでなく、“コスプレ女神”とされるチェ・ヘヨンなどもガンプラオタクを公言している。

韓国にもガンプラを主体とした総合施設「ガンダムベース(GUNDAM BASE)」が2003年にソウルでオープンしており、現在は全国で9店舗まで拡大した。

ガンダム以外にも『エヴァンゲリオン』シリーズなど、ロボットアニメファンが意外に多い韓国。それだけに本日公開される『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』にも注目が集まっているワケだ。

はたして韓国メディアが報じたように、韓国のおじさんたちの心を掴むのだろうか。

かつて少年時代に大好きだったテコンVへの愛着と、そのテコンVとの因縁からどこか愛憎が交錯する対象でもある『マジンガーZ』。その反応が今から楽しみだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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