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東方神起が久々の韓国公演!!だが、意外と知られていない日韓コンサート事情の違いとは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
2年9か月ぶりの韓国公演を行う東方神起(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

韓国はもちろん、日本をはじめアジアで絶大な人気を誇るK-POPスーパーグループ東方神起。

昨日、日本テレビ系で放送されたスペシャルドラマ『天才バカボン3~愛と青春のバカ田大学~』でも、東方神起本人と初のホテルマン役の2役を務めて注目されたが、本日5日からは韓国で単独コンサート『TVXQ! CONCERT-CIRCLE- #welcome』を開催する。

東方神起の韓国での単独コンサート開催は、実に2年9か月ぶり。

昨年4月にユンホが、8月にチャンミンが兵役を終えて活動を再開して以降、カムバック・ショーケースなどは開催されたが、単独コンサート開催は再始動してから初めてのことだけに、韓国でも大きな関心を集めている。

(参考記事:【画像あり】おかえり!! 韓国メディアがとらえた「東方神起」のカムバック・ショーケース!!

ヒット曲はもちろん、3月にリリースされたニューアルバム『New Chapter#1:The Chance of Love』の収録曲なども披露されると予告されており、ファンも期待感を高めているが、今日から始まる公演はコンサート業界でも歓迎されているだろう。

韓国のコンサート参加率高いのは20~40代女性

というのも、東方神起のファンの多くは、20~40代の女性。

実際にメンバーの除隊現場にもこの年代の女性が大勢集まっていたが、韓国でもっともコンサートに足を運ぶといわれているのが、その20~40代の女性なのだ。

(参考記事:東方神起メンバーの除隊現場に密着!! 集まった数千人のファンに思ったこととは?)

チケット予約販売サイト『INTERPARK』が今年1月に発表したところによれば、昨年の韓国コンサートチケット販売総額は、前年比3%増の4411億ウォン(約441億円)。

同サイトからチケットを購入したのは164万822人だったが、そのうち20代女性が23.6%、30代女性が24%、40代女性が11.6%を占めたという。チケット購入者のうち約6割が20~40代の女性だったわけだ。

東方神起は、そんなコンサート参加率の高い20~40代女性ファンが多いだけに、今回のコンサートも大盛況となることは間違いないだろう。

ただ、日本で5大ドームツアーなども行ってきた東方神起の二人にとっては、韓国での公演は少々寂しく感じる側面もあるかもしれない。

(参考記事:誕生秘話と苦難を乗り越えて掴んだ栄光…東方神起とSMエンターテインメントの“光と影”

コンサート会場の数も規模も、日本が圧倒的に上回っているからだ。

前回に続きサプライズはあるか?

そもそも韓国には、1万人以上収容できる会場は極わずかしかなく、ドームも2015年に完成した高尺(コチョク)スカイドームが唯一だ。

その高尺スカイドームも最大収容人数は2万5000人と、東京ドーム(5万5000人収容)の半分にもならない規模。

全国各地に大規模なドームやアリーナがある日本と比べると、韓国のコンサート会場事情は寂しいと言わざるを得ないのである。

ある韓国記者などは、「日本のコンサートを取材しながら羨ましいと思ったことは一度や二度ではない」と嘆いていたほどだ。

2022年までの完成を目指し、4800億ウォン(約480億円)を投じて2万席規模の「ソウル・アリーナ」の建設を進めるなど、行政もコンサート施設の拡大に乗り出しているが、まだまだ日本とは大きな差があるのが実情なのである。

今回、東方神起がコンサートを開催するのも、ソウル市は蚕室(チャムシル)にあるソウル・オリンピック競技場に隣接する補助競技場だ。

収容人数はわずか5000人。6月8~10日に3デイズ公演が予定されている日産スタジアム(7万人以上収容)の12分の1のサイズである。

それだけに会場の規模には物足りなさも感じるかもしれないが、デビュー以来、ファンと強い絆を結んできたのが東方神起でもある。

会場の規模は大きくなくても、ファンの期待を裏切るようなパフォーマンスをすることはあり得ないだろう。

2015年に開催した前回の単独公演では、所属事務所SMエンターテインメントの後輩であるボーイズグループEXOのメンバーがゲスト出演して話題を呼んだが、特別なサプライズなども用意されているかもしれない。

いずれにしても、ファンとメディアの大きな関心を集めている2年9か月ぶりの単独コンサート。現地の盛り上がりを見るに、韓国が誇るスーパーデュオの人気は今後も衰えることはなさそうだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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