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日本の「もちロール」が大人気だが…手離しで喜べない“韓国のお菓子ブーム”の真実

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
写真はイメージ(写真:アフロ)

韓国で「もちロール」が人気を博しているという。

「もちロール」とは、お餅のような食感のスポンジ生地でクリームをつつんだコンビニスイーツのこと。日本の商品だ。

韓国コンビ大手CUによれば、同商品の初回入荷分20万個が発売10日で完売したという。想定よりも20日も早く完売したというのだから、その人気ぶりがわかる。

過去には「いちご大福」やポテチもブームに

そんな「もちロール」のように、韓国で人気を集める日本の商品は少なくない。

スイーツやお菓子は特に多い印象で、数年前には「いちご大福」が韓国で流行した例もある。

(参考記事:韓国でいちご大福がブームに。その裏では“元祖”をめぐるお家騒動があった!!

また2014年には、日本の「ポテトチップス しあわせバター」のインスパイア商品、「ハニーバターチップ」が韓国で大流行し、品切れとなるほどのブームとなっている。

日本の空港で、韓国人観光客向けに「ポテトチップス しあわせバター」を販売していたほどだった。

ただ過去の傾向を見ると、「もちロール」が売れると判明したことで、すぐさま類似商品が出回るということも考えられる。

たびたび浮上する“パクリ説”

事実、韓国には「ポッキー」や「かっぱえびせん」の類似商品があるし、最近も韓国の製菓会社オリオンが発売した「コブッチップ」というスナック菓子に“パクリ説”が浮上した。

「コブッチップ」が日本の製菓会社ヤマザキビスケットの「エアリアル」とうり二つということで、議論が巻き起こったのだ。

(参考記事:「またパクリか」韓国で“エアリアル”にうり二つのスナックが話題沸騰中!!

また韓国における“お菓子ブーム”の特徴としては、ブームの周期が非常に短いということもある。

例えば、2016年に「台湾カステラ」が大人気となったが、上陸から1年も経たずにそのブームは過ぎてしまった。韓国のとのあるテレビ番組で、“台湾カステラの真実”という暴露特集も組まれたほどだ。

「 熱しやすく冷めやすい国民性が関係している」「競争激化で業界全体が駄目になる」などとその原因を指摘されることが多いが、今回の「もちロール」人気も一時的なものの可能性は低くないだろう。

個別に見れば一過性だが…

前出の実例のように個別に見れば一過性のブームが多いものの、日本のお菓子やスイーツが定期的に韓国で人気を博していることは間違いないだろう。

日本を訪れる韓国人観光客が年々増加しているなかで、彼らがかならず買っていく日本の商品には、「蒟蒻畑」などさまざまな種類のお菓子がランクインしているほどだ。

(参考記事:韓国人観光客が必ず買っていく「日本の商品」BEST 6をご紹介!!

今現在、韓国で高い人気を誇っている「もちロール」。そのブームがいつまで続くか注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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