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女子サッカー日韓戦。日本が警戒すべき韓国の“美女スター”と“知日派”たち

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
昨年のE-1選手権での韓国女子代表(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

2019年女子サッカーW杯フランス大会の予選を兼ねた女子アジアカップが、4月6日からヨルダンで行われている。前回大会王者の日本は今日、1次リーグ第2戦で韓国代表と対戦する。

出場8カ国中上位5カ国がW杯出場権を獲得できる今大会、B組に入った日本は、7日の初戦でベトナムに4-0で勝利し、現在勝ち点3でグループ首位。対する韓国は、オーストラリアを相手に0-0で引き分けたため、勝ち点1で日本を追いかける状況だ。

日本は勝てば準決勝進出が確定し、同時にW杯出場も決まる。一方の韓国は、この試合に勝てば、第3戦のベトナム戦は引き分け以上で1次リーグ突破とW杯出場権を獲得できる状況だ。

日本が警戒すべき“アイドル選手”

気になるのは韓国の実力だが、“なでしこジャパン”がもっとも警戒すべき韓国選手は、イ・ミナだろう。

昨年12月のE-1選手権でも韓国女子代表の中心選手として活躍したイ・ミナは、“美女スター”“サッカー女神”などと呼ばれ、韓国ではアイドル的存在として知られている。

(参考記事:【画像あり】“韓国女子サッカーのアイドル”イ・ミナのSNSがスゴい!!

もちろん、実力も申し分ない。

今年2~3月にポルトガルで行われたアルガルベカップでは2ゴールを挙げており、韓国女子代表を率いるユン・ドクヨ監督も「(イ・ミナは)日本戦にかける覚悟が並外れている。十分にやってくれると信じている」と、名指しで期待をかけているほどだ。

これまで韓国女子サッカーのアイドルと言えば、“韓国女子サッカー美貌担当”と称されるシム・ソヨンなどが有名だったが、イ・ミナは人気と実力の両方を兼ね備えているのだ。

しかも、イ・ミナは今季からなでしこリーグのINAC神戸でプレーしている。

日本代表にはINAC神戸から5人が選ばれており、7日のベトナム戦ではそのうち4人がスタメン出場したが、イ・ミナはINAC神戸のたちと日頃から一緒にプレーしているだけに、特性や対策も知り尽くしているとのが韓国メディアの見方だ。

(参考記事:【現地記者が明かす】INAC神戸に加入する韓国代表のビーナス!! イ・ミナの知られざるエピソード

もっとも、日本のことを知る韓国選手はイ・ミナだけではない。

例えば、韓国で“日本キラー”と呼ばれるエースのチ・ソヨンも、2011年から2013年までINAC神戸でプレーしていた。チ・ソヨンは、初戦のオーストラリア戦でAマッチ通算100試合を達成したが、韓国代表として“なでしこジャパン”と対戦した経験も豊富だ。

また、主将のチョ・ソヒョンと、マルチロールとして存在感を示しているチャン・スルギも、それぞれ2015年と2016年にINAC神戸でプレーしていたことがある。

イ・ミナが韓国メディアに語った「日本戦」

そんな“知日派”を多く擁する韓国が得意とするフォーメーションは、4-1-4-1。

初戦のオーストラリア戦では、もともと中盤でプレーすることの多いチョ・ソヒョンを右SBに置き、守備に重心を置いていたが、ユン・ドクヨ監督が韓国メディアに明かしたところによると、どうやら日本戦では攻撃サッカーを展開する腹積もりらしい。

ユン・ドクヨ監督はスポーツ紙『イルガン・スポーツ』の取材に対して、こう明かしているのだ。

「日本戦は守備的にはいかない。もっと積極的な攻撃、積極的な試合をする。5~6位決定戦ではなく、4強に進出して、早くW杯出場権を獲得することが、我々にとってはもっとも良いシナリオだ」

そんな攻撃の中心となるのがイ・ミナやチ・ソヨンとなるわけだが、イ・ミナは今回の日本戦には特別な思い入れがあるという。イ・ミナは大会前、韓国メディアにこう語っていた。

「日本でプレーしながら、日本に勝ちたいという気持ちがさらに強くなりました。E-1選手権では日本戦をはじめ、3戦全敗しましたが、アジアカップではもっと努力して、良い結果を出したいです」

普段は明るく、旧知の韓国人カメラマンには愛嬌たっぷりにさまざまな表情を見せるイ・ミナだが、今回ばかりはいつも以上に気が引き締まるのだろう。W杯出場権にE-1選手権のリベンジまでかかっているだけに、その表情からは日本戦にかける並々ならぬ覚悟も伝わってくる。

(参考記事:写真15枚!! 韓国カメラがとらえた「美少女サッカー選手」イ・ミナのかわいすぎる“秘蔵カット”

韓国メディアも「女子韓国代表、日本戦で“雪辱+W杯行き”狙う」(『聯合ニュース』)と関心を寄せている今日の一戦。

総合力では“なでしこジャパン”が韓国を上回っていることは明らかだが、韓国の“知日派”たちへの警戒は強める必要があることだけは、間違いなさそうだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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