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女王キム・ヨナが直接指導し溺愛する“韓国フィギュアの妖精”チェ・ダビンとは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
チェ・ダビン(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

本日21日に行われるフィギュアスケート女子シングル・ショートプログラム(SP)。

日本からは宮原知子と坂本花織が出場するが、開催地の韓国では、日本選手にはさほど関心が集まっていない。

「宮原知子、“優雅な演技”」(『スポーツ・ソウル』)、「ジャンプは惜しかったが…“柔軟な演技”坂本花織」(『SBSニュース』)など、団体戦で披露した演技の写真や映像を紹介するメディアはあるが、二人の経歴や平昌での期待度について詳しく伝える報道は見られない。

昨年末に日本代表が決定した際は、宮原を日本のエースと報じるメディアも少なくなかったが、現在は注目が薄れている印象だ。韓国のチャ・ジュンファンよりも日本の羽生結弦や宇野昌磨の存在感が圧倒的だった男子と比べると、対照的でもある。

「かわいい」と絶賛の“フィギュアの妖精”

現地で日本の女子選手たちが注目を集めていない一因には、韓国の女子選手に関心が集中していることもあるだろう。

今大会、韓国から出場するのは、チェ・ダビンとキム・ハヌル。二人は、昨年7月から今年1月まで行われた韓国代表選考レースで、宮原と重なる境遇として注目されたパク・ソヨンらを破って平昌行きを決めた。

特に注目したいのは、代表選考レースをトップ通過したチェ・ダビンだ。

昨季の札幌冬季アジア大会で韓国史上初めて金メダルを獲得し、今年1月の四大陸選手権では、表彰台を独占した日本勢に次いで4位に入った18歳。

その実績にキュートなルックスも相まって、韓国国内では絶大な支持を集めている。韓国フィギュアファンたちも、「最高の美貌」「かわいい…」などと絶賛しており、“フィギュアの妖精”との別名まで付けられているほどだ。

(参考記事:「はぁ…かわいい…」韓国の“フィギュアの妖精”チェ・ダビンに現地ファンがメロメロ

チェ・ダビンはそのビジュアルゆえに、今大会の衣装も話題を呼んでいる。

米国メディア『ELITE DAILY』が発表した“平昌五輪で最高の衣装を着る8人”にも、宮原やアリーナ・ザキトワ(ロシア、個人資格)らとともに選出。同メディアは、チェ・ダビンがSPで着る白とエメラルドグリーンが混ざった衣装について、「アクアマリン色の衣装は、アイスランドの人魚を思わせる」と評価している。

会場となる江陵アイスアリーナ(著者撮影)
会場となる江陵アイスアリーナ(著者撮影)

キム・ヨナの「もっとも愛着のある選手」

話題性も抜群だ。チェ・ダビンはキム・ヨナに憧れてスケートを始めた“ヨナ・キッズ”の一人だが、現在はキム・ヨナから直接指導を受けている。

キム・ヨナは現役引退後、平昌五輪の広報大使に任命。開会式でも最終点火者を務め、最近も韓国誌で披露した大胆なグラビアが話題になっていたが、そんな多忙な中でチェ・ダビンを指導しているのだ。

(参考記事:【最新グラビア】韓国の“フィギュア女王”キム・ヨナ、大人の色気漂う美ボディを披露

チェ・ダビンに対する思い入れの強さがうかがえるが、実際にキム・ヨナもこう話している。

「(チェ・ダビンは)幼稚園の頃からずっと近くで見てきた選手です。私が育てたわけではありませんが、五輪に出場することを誇らしく感じます。もっとも愛着のある選手の一人ですね」

実績にルックス、さらには話題性も持ち合わせているチェ・ダビン。

最近は平昌五輪を盛り上げる“韓国7大美女アスリート”にも選ばれているが、キム・ヨナが一番にかわいがる“フィギュアの妖精”は、今日のSPでどんな成績を残すか。その演技に、韓国中が注目している。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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