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旧正月の大型連休を利用して“美容整形”に走る…変わりゆく韓国の旧正月の風物詩

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
ソウルの地下鉄構内にあった美容整形広告(2016年著者撮影)

本日2月16日は、陰暦1月1日にあたる旧正月だ。韓国では“ソルナル”と呼び、前日の2月15日から土日を含めて4連休となっている。

日本の年末年始の正月休みと同様に、韓国では旧正月の連休に全国に散らばった家族や親戚が故郷に集まり、お年玉をあげたりもらったりする。

韓国の伝統的な連休といえるが、過ごし方は人それぞれのようだ。

というのも近年は、大型連休を利用して美容整形を受ける人が増えている。韓国のお盆といえる「秋夕」(チュソク)の連休を利用した“秋夕整形”という言葉も生まれているほどだ。

大物女優やアイドルも整形を告白する時代に

旧正月の連休も例に漏れないようで、「旧正月の連休“目の再手術”増加、病院を選ぶときは専門性の確認が必須」(『デジタルタイムズ』)などと韓国メディアが報じていた。

そもそも、アメリカ『ワシントンポスト』紙が韓国の美容整形事情を特集して「韓国は美容整形共和国、ソウルは美容整形の首都」と報じたこともあるように、韓国で美容整形は決して特別なことではない。

かつては整形を告白する芸能人はほとんどいなかったが、近年は「美貌を保つ秘訣はエステと整形」と堂々と公表する女優やタレントも増えている。

(参考記事:【画像あり】大物女優やアイドルも大胆公表!! 整形告白した韓国芸能界のスターたち

それどころか、昨年には話題作りと人気獲得のために韓国のとあるガールズグループが美容整形に挑んだ過程を公開したこともあった。

整形を話題作りの手段に使うアイドルも

「SIX BOMB」というガールズグループがそれで、何かと話題を集めていた“お騒がせガールズグループ”として知られていた。

とはいえ、さすがの韓国でも現役アイドルの整形は珍しかったようで、一部では所属事務所がメンバーたちに美容整形を強要したのではないかとの噂も流れた。

しかし「事務所としては一切強要していない。メンバーたちのアイディアで全員同意のもとで実施された」というのだから驚きだ。

(参考記事:過熱競争の果てが生み出した韓国ガールズアイドルの「美容整形ビフォー&アフター」

結果的に話題作りにも成功しているのだから、そのたくましさに感嘆してしまう。

「訪韓整形手術」のトラブルも増加

それでも韓国メディアが整形手術が急増する大型連休前に、「整形の前に必ず注意すること」「正確な健診が重要」「安全性を優先して専門医と相談すべき」と警鐘を鳴らしているのは、整形トラブルも相対的に増えるからだろう。

特に近年は、美容整形を目的に韓国を訪れる外国人も増えている。

韓国保健福祉部(日本の厚生労働省に相当)が「外国人患者誘致事業」を始めた2009年には2851人だったが、2016年には9万5221人と大幅に膨れ上がっており、外国人女性が最悪の事態に巻き込まれたケースも続発しているのが現実だ。

(参考記事:死亡事故も続発…「訪韓整形手術」で医療事故が絶えないワケ

わざわざ美容整形病院が混雑する旧正月シーズンに整形のために訪韓する外国人は少ないかもしれないが、注意が必要なことだけは間違いないだろう。

また最近、韓国で大人気のオーディション番組『アイドル学校』の影響で女子中高生の整形も増えているというのだから、心配になる。

いずれにしても、旧正月などの大型連休に整形手術が急増するのは、韓国では当然になりつつある。なんのトラブルもなく、多くの人が家族・友人・恋人たちと楽しく有意義な連休を過ごしてくれればと願うかぎりだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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