逮捕から6カ月…何をしていたのか。朴槿恵(パク・クネ)が韓国の裁判に“絶望”している理由

(写真:ロイター/アフロ)

10月22日の投開票を目前に日本では選挙の話題が尽きないが、お隣・韓国では朴槿恵(パク・クネ)前大統領が注目を集めている。

朴前大統領は今年3月31日に逮捕されて、すでに半年以上が経過。容疑を否認し続けている彼女に、裁判所は10月16日、拘束期間を延長したのだが、その日、朴前大統領は初めて今の心境を法廷で語った。

複数の韓国メディアによれば、朴前大統領は「この事件の歴史的責任は私が負う。すべての責任を私に問い、私のことで法廷に立った元政府関係者や企業関係者に寛容をお願いしたい」などと語ったという。

その際、「拘束されて裁判を受けた去る6カ月は、みじめで悲惨な時間だった」と振り返っており、拘置所生活の苦しみが伝わってくる。

(参考記事:韓国の前大統領・朴槿恵(パク・クネ)は今、どこで何をしているのか

韓国の裁判に絶望

それでも「身から出た錆」「自業自得」としかいいようがないだろう。

かつて朴前大統領らの警護を担当し、現在は女優に転身したことで “美しすぎるSP”と呼ばれる イ・スリョンなどは「(朴前大統領)政権がいろいろと騒がしいから青瓦台(大統領官邸)を出て女優になったのか」と言われることもあるというが、政府関係者ではない一介の元SPにさえも迷惑をかけていることを、朴前大統領はもっと自覚すべきだろう。

(参考記事:「朴槿恵前大統領も安倍総理も守った」女優転身の“美しすぎるSP”イ・スリョンが人気急上昇中!)

ただ、それでも興味深いのは、朴前大統領が韓国における裁判に“絶望”していることだ。

「政治的外圧と世論の圧力をはねのけ、憲法と良心に従って裁判をするだろうという裁判部に対する信頼は、もはや意味がないという結論に達した」

「自らに対する拘束と裁判は政治報復であり、今後の裁判における判断も認めない」

「法治の名を借りた政治報復は、私で終止符が打たれるよう望む」

こんな発言が飛び出したのである。

これらの発言は国政介入事件に関連して、サムスングループの事実上のトップである李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が懲役5年の有罪判決を下されたことも影響しているのかもしれない。

(参考記事:サムスン後継者にナッツ姫…韓国の“財閥2世”たちはなぜ、不祥事ばかりを起こすのか

というのも、李副会長の一審判決で裁判所は「朴前大統領に対する具体的な請託はなかった」としながらも、「心の中で請託を行った」として実刑を宣告したのだ。

日本の“共謀罪”を嘲笑していた韓国だが…

“心の中で思っただけで有罪”になるとは驚かざるを得ない。

日本で「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法が成立したときには、「日本は国民の心も処罰する国家」などと揶揄していただけに、なおさら目を疑ってしまった。

韓国メディアも警鐘を鳴らしている。『朝鮮日報』は社説「法を無視、最悪に向かう朴槿恵裁判」で、「裁判所がこのような判断を下しているようでは“政治裁判”との指摘を受けるのも当然といわざるを得ない」と嘆いている。

社説タイトルの通り、朴前大統領の裁判では法律が無視されている状態なのだ。いくら朴前大統領自らがまいた種だとしても、彼女が絶望しているのも当然かもしれない。

一部の熱狂的な支持者はいるが世論は厳しい

以前、韓国の弁護士を取材した際に、韓国は法よりも心情を重視する“情治国家”という揶揄について聞いたことがある。

その際「大きな枠組みで見れば韓国は法治国家」としながらも、「ほんのわずかなところで人脈や情などの影響を受けてしまう側面があるのも事実。本来は裁判所が判決を下すが、政権などの影響をまったく受けないかというとそれは違う」と話していた。

何よりも世論の影響が多いのだろう。

朴前大統領には“パクサモ”という熱狂的な支持団体がいるが、一般的な韓国の人々の評判は非常に悪い。

前出の初めて心境を明かした朴前大統領の関連報道にも、「まるで自分が被害者のようだな」「何が政治報復だ」「死ぬまで自分の罪が何かわからずにいるんだろう」などなど、辛らつなコメントが書き込まれていた。

はたして容疑を否認し続けている朴前大統領は、どんな結末を辿るのだろうか。いずれにしても、厳正中立な立場で公正な判決が下ることを願いたい。