深刻なケミカル・フォビア。韓国製品は世界だけでなく自国民からも嫌われていくのか

殺人加湿器事件に続く不祥事が絶えない(写真:ロイター/アフロ)

韓国に来て感じるのは、「殺虫剤入り卵」に関するニュースの続報の多さだ。

ヨーロッパでも問題になったフィプロニルやビフェントリンなど殺虫剤の成分が入った卵が、韓国内49カ所の農場から生産・流通されたことが8月中旬に判明。そのニュースは日本でも報じられたが、韓国政府が右往左往している中、今でも回収や出荷停止において大きな混乱が生じているそうだ。

有害物質トラブルは過去にも

それらのニュースを見ていて、思い出すのは加湿器用の殺菌剤が原因で100人を超える死亡者(韓国政府判定)を出している「殺人加湿器事件」だ。

家庭での加湿器使用が多かった妊婦や子供たちが、CMIT(クロロメチルイソチアゾリノン)やMIT(メチルイソチアゾリノン)といった物質による被害を受けたこの事件は、化学物質による韓国初の大規模災害と言っても過言ではない。

その騒動が一段落を見せつつあった昨年には、市販の歯磨き粉やウェットティッシュなどからも殺菌剤に使われていたものと同じ成分が混入していたことが分かり、韓国内が再びパニックに陥ったりもした。

(参考記事:「何を信じればいいのか」大手メーカーの歯磨き粉に殺人成分が混入していて韓国中がパニック

「HACCP」「オーガニック」認証マークも信用できない

人にとって有害な化学物質が食材や商品に混入していることは深刻な問題にほかならない。特に卵は庶民の味方とも言える食材だ。

ところが、これらのニュースでさらに衝撃を受けたのは、殺虫剤入り卵を生産した49ヵ所の農家のうち、半数以上である31ヵ所が「HACCP」(ハサップ)認証を得ていたことである。

HACCPマークとは、食材が科学的な衛生管理システムのもとで生産されていることを保証するという印。だからこそ消費者はHACCPマークを信頼し、通常より最大40%高い値段にも納得する。

にもかかわらず、HACCPマーク付きの卵に有害物質が入っていたことは、消費者に対する“裏切り”としか言いようがないだろう。

注目すべきことは、こういった化学物質トラブルが頻繁に発生しているためか、韓国では最近「ケミカル・フォビア」(化学物質恐怖症)という言葉をよく聞くようになったこと。

商品を選ぶときは体に優しい成分でできているかを注意深くチェックし、少しでも天然に近いものを選ぼうとする動きが広がっているのだ。

以前韓国で流行っていた“アナキ育児法”は、まさにケミカル・フォビアの極端な例とも言える。

薬を使わずに自然療法だけで子供を育てるという趣旨は良かったものの、「高熱を出したときは浣腸をする」「アトピー性皮膚炎の場合、しょうゆの水割りを塗る」といった常識はずれの方法が多いため児童虐待だと問題視された。

しかし、今となっては常識や節度を守った形のアナキ育児法はむしろ必要なのかもしれない。

(参考記事:「高熱を出したら浣腸」「やけどにはお湯に浸かる」…韓国で流行中の“アナキ育児法”が危険すぎる!

ドイツの統計・調査会社Statistaが行なったアンケートでは、日本やアメリカ、ヨーロッパ諸国などでは「メイド・イン・コリア(Made in Korea)」があまり好まれないという結果も出ているが、今回のようなトラブルが続くとなると、韓国製品は世界どころか自国民からも背を向けられることを覚悟しなければならないだろう。

(参考記事:メイド・イン・コリアは嫌われいる!? 韓国製品に対する世界の認識調査に、韓国人が自虐

いずれにしても、当分の間はケミカル・フォビアが続きそうな韓国。“信じられない”というストレスが長続きしないよう、しっかり対策を取ってほしいものだ。