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【韓国独占取材】アン・シネが心を震わせた、とある日本人ファンとの出来事とは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
インタビュー中のアン・シネ(写真提供:KANG MYEONG HO)

“韓国女子ゴルフ界の超絶セクシークイーン”と呼ばれるアン・シネ。今や日本でもその名は広く知られており、テレビや雑誌、新聞の取材などにも引っ張りダコだ。

しかも、日本だけではなく、KLPGA(韓国女子ゴルフ協会)ツアーにも参戦中。韓国と日本を行き来する。そんな彼女に密着取材すべく向かったのが、韓国ツアーの『MYムンヨン・クイーンズパークチャンピオンシップ2017』だったことは前回紹介した通りだ。

常に新鮮な話題を提供してくれる“セクシークイーン”

同大会の冠スポンサーはアン・シネのメインスポンサーであり、ホステス・プロでもあった彼女は大会前々日にプロ・アマにも出場してその役割を見事に務めていた。日本ではなかなか見ることができない姿もあって、かなり新鮮だった。

(参考記事:プロアマでも華やかでキュート!!  アン・シネ、韓国でのホステスぶりに完全密着!!)

ただ、アン・シネ自身も日本で多くの“新鮮な経験”を味わったという。

例えば、日本のテレビ番組への出演だ。7月29日にはTBSのスポーツバラエティ『炎の体育会TV』、8月8日には日本テレビの『ザ!世界仰天ニュース』に出演したが、それらはかなり新鮮だったらしい。

「日本のテレビ番組、特にバラエティ番組は面白いですよね。言葉はまだよくわかりませんが、構成がユニークですし、想像もつかない企画が本当に多いです。私たちスポーツ選手はおしゃべりのプロではありませんが、それでもそのスポーツ選手の特長を引き出そうといろんな仕掛けがあって、私自身も楽しかったです。ちょっぴり緊張もしましたが(笑)」

緊張したというのはちょっぴり意外だった。

何しろ韓国では“韓国美女ゴルファー神セブン”に選ばれているスター選手だ。その人気から、過去にはプロ野球始球式を務め、大観衆の前でも動じず堂々のピッチングを披露した彼女が日本のテレビ番組の収録で緊張したとは……。

一問一答で垣間見えた温かい人柄

そこでインタビューの途中にこんな提案をしてみた。「今から投げる質問に即答してください。そう、テレビ番組の連想ゲームのように」と。その雰囲気が活字でうまく伝わるかどうかはわからないが、アン・シネが答えた一問一答はこうなる。

―日本でもっとも驚いたことは?

「ギャラリーの多さとマナーの良さ」

―日本でもっとも感動したことは?

「ギャラリーの多さとマナーの良さ(笑)」

―日本でもっとも意外だったことは?

「日本の普通の人々もゴルフに関心を持っていること」

―日本でもっとも美味しかったことは?

「北海道で食べたウニ(大笑)」

―では、日本でもっとも嬉しかったことは?

「……」

一瞬間を置いたアン・シネは「ちょっと長くなってもいいですか?」と前置きしたあとで、語るのだった。

忘れられないとあるファンとの出会い

「もちろん、もっとも嬉しかったことは多くのギャラリーの方々から声援と愛情をいただいたことですが、個人的にとても嬉しく温かい気持ちになったのは、とあるファンとの出会いでした。

その方は障がいを抱えられていらっしゃっていて日常的に車椅子を手放すことができないそうなのですが、わざわざ私のプレーを見るたびに付き添いの方とゴルフ場まで足を運んでくれただけではなく、一ギャラリーとして私のラウンドに見守ってくださったんです。心が震えるほどありがたかったですし、嬉しかったですし、“私は頑張らなきゃいけない”と強く思いました」

嬉しかったですし、頑張らなきゃいけないと思った。その言葉には実感がこもっていて、やや目が潤んでいたようにも見えた。

アン・シネの人間的なやさしさに触れたような瞬間であったが、明朗活発で頭の回転が早いセクシークイーンはいつも見出しになりそうな発言で照れを隠す。

アン・シネを長く撮り続けてきた韓国の名物カメラマンのカン・ミョンホ氏も、「スポーツ選手って、女性であっても言葉が少なかったり、ボキャブラリーが少なかったり、朴訥としている場合が多いのですが、彼女にはそういう悪い意味でのスポーツ選手らしさがまったくない」と語っていたが、まさにその通りだと思った。

(参考記事:アン・シネと親交が深い名物カメラマンが捉えてきた“セクシークイーン”の素顔)

込み上げてきたものをグッと抑えながら、アン・シネも言うのだ。

ファッションばかり注目されることの是非は?

「日本で泣いたことはないですよ(笑)。優勝したら泣いちゃいそうですけど(大笑)」

そんな彼女の照れ隠しを察知してこちらも質問を変えていた。話題は今やアン・シネの代名詞ともなっている“ファッション”だ。

韓国はもちろん、今や日本でも膝上30センチのミニスカートや、ボディラインにジャストフィットしたウェアで話題を振りまいているが、毎度のように“ファッション”について問われ、クローズアップされていることをアン・シネ本人はどう思っているのだろか。

「私はまったく問題ありませんよ。むしろファッションのことでも話題になることは良いことだと思います。一応、プロである以上話題を提供することは必要でしょうし、どうせ着るなら人よりもうまく綺麗に着こなしたい。うまく着こなせると自信も芽生えますし、すっきりした気持ちでフェアウェイにも立てます。そういう私の姿を通じて、多くの人々に影響を与えられると思うと、それはとても光栄なことにも感じます。ファッションで注目されることを負担に思ったりすることもありません。むしろ感謝すべきことでもあると思うんです」

さすが韓国の現役プロたちが同業プロたちのルックスや人気を評価した“禁断のアンケート”で、自己プロデュースの達人と呼ばれているだけはある回答だ。アン・シネは話題を提供することもプロの条件と考えているようだ。

「それにプロゴルフは、サッカーや野球のようにいつも同じようなユニホームを着てするスポーツではないじゃないですか(笑)。同じウェアだったら着る側も見る側も飽きちゃうと思うんです」

“ミニスカ規制”にも持論を展開

ただ、だからといって見た目重視や目立ち根性むき出しは自分のスタイルではないと語る。スカートの丈が極端に短かったり、過度に肌を露出させるのはナンセンス。

昨今、LPGAが選手着用ウェアに規定を設ける“ミニスカ規制”が話題になったが、アン・シネは「私もLPGAの方針には肯定的に。ゴルフというスポーツのトラディショナルな部分は守るべきです」という見解を持っている。

(参考記事:【現地取材】アン・シネに“ミニスカ規制”について直接聞いてみた!!)

プロとして話題を振りまく一方で、ゴルフの伝統は守るべき。そう語るアン・シネはちなみに1つのトーナメントに出場するとき、どれだけのウェアを準備するのだろうか。

「そうですね。1日に2着は用意しますね。ですから、4日間大会で8着ぐらい用意することになります。以前はミニスカートを避けたジンクスもありますが、今はそういうこだわりもありません。あるとしたら、一度着たウェアは少なくともその週には着ないようにすること。二度目の着用となっても、洗濯して数週間の間をおいてから着ますね」

―ゴルフウェアも多くなって大変ですね?ちなみに誰が洗濯するんですか? 

「洗濯ですか? 洗濯機がしてくれます(笑)」

ときに真摯に、ときに和やかに、ときに笑いを誘ってインタビューを楽しむアン・シネ。話を聞けば聞くほど、まだ見ぬ一面があるように思えてくるから不思議だ。(つづく)

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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