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チャンミン&シウォン帰還!!除隊アイドルとこれから兵役に就くスターたちの悲喜交交

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
8月18日に兵役を終える東方神起チャンミン(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

韓国はもちろん、日本のK-POPファンたちも心待ちにしていた日がついにやって来た。本日8月18日、東方神起のチャンミンとSUPER JUNIORのシウォンが晴れて兵役を終えて除隊するのだ。

2人は2015年11月、芸能生活を一時中断して論山(ノンサン)にある韓国陸軍訓練所に入所して兵役をスタート。訓練所で“地獄の4週間”といわれる軍事基礎訓練を受けたあと、ソウル地方警察庁に配属されて兵役を務めていた。

義務警察で兵役を務めたチャンミンとシウォン

2人が所属したのは警察広報団。“ソウル警察の顔”として、全国各地の学校や地域コミュニティ、孤児院や老人ホームといった福祉施設を訪ね、公演活動などを通じて犯罪防止や安全対策などの啓発活動に取り組んでいた。

(参考記事:【動画】兵役で“ソウル警察の顔”になったチャンミンの近況とは?

そんな兵役の日々を無事に終えて晴れて除隊の日を迎える2人。ただK-POPファンたちが気になるのは、2人が所属した義務警察の今後だろう。

義務警察は兵役対象年齢に差し掛かった芸能人やK-POPアイドルたちの受け皿だったが、以前、本欄でも紹介したように、韓国警察庁は2023年までに義務警察制度を廃止する方針であることを発表しているのだ。

直近の兵役スターで「義務警察」はいない

現在、K-POPアイドルで義務警察官として兵役に従事しているのは、京畿道(キョンギド)南部地方警察広報団に所属するJYJのキム・ジュンスなどだが、韓国メディアによると、警察庁は来年度から芸能人を義務警察要員として選出せず、来年末までには警察広報団や警察楽団を廃止する方針だという。

(参考記事:韓流スターやK-POPアイドルたちの兵役受け皿だった「義務警察」が廃止される背景

実際、ここ最近、義務警察行きが決まった芸能人はほとんどいない。

元2AMのメンバーで、現在は歌手兼俳優のイム・スロンも義務警察での兵役を志願し、義務警察選抜テストを受けているが、最終合格者に彼の名はなかった。

イム・スロンが受験したのは、特技兵枠の「楽隊」部門。前出のBIGBANG T.O.Pが所属していた部隊だった。不合格が発表されたのは、6月30日。T.O.Pの大麻吸引事件が発覚したあとだった。この例ひとつとっても、義務警察が芸能人にたちにとっては“狭き門”になっていることが伺える。

そうしたこともあるのだろうか。続々と発表されている有名芸能人たちの兵役入隊情報を見ても、「義務警察」に行く者はいない。

例えばSUPER JUNIORのキュヒョンは、JYJYのユチョンや俳優イ・ミンホらと同じく社会服務要員として兵役に。元ZE:Aのメンバーで俳優として大活躍していたイム・シワンは現役兵として陸軍に。

俳優イ・ジュンも自身のインスタグラム(8月1日)で10月に陸軍新兵訓練所に入所することを表明しているし、人気俳優チ・チャンウクも8月14日から現役兵として、陸軍で兵役生活を送ることになった。

こうした例を見ると、いよいよ義務警察は芸能人・アイドルたちの受け皿ではなくなるということを感じずにはいられなくなるが、だからこそ気になるのは兵役対象年齢になるスターやアイドルたちの動向である。

兵役タイムリミットを迎えたスターたち

というのも、前出のキュヒョン(1988年生まれ)、イム・シワン(1988年)、イ・ジュン(1988年)、チ・チャンウク(1987年)などは、もともと兵役入隊タイムリミットにあった。

「29歳までの入隊」が義務付けられていることを考えると、2PMのテギョンやJun.K、BIGBANGのG-DRAGONやSOL(テヤン)など、もはやこれ以上先送りができない状態の芸能人は多い。

そのほかにも多くの芸能人たちが、決断を迫られているのである。兵役は「国民の務めだ」とわかっていても、人気絶頂の中で芸能活動を中断せねばならないだけに躊躇や迷いも生じることだろう。義務警察という受け皿がなくなりつつある今、なおさらかもしれない。

(参考記事:来る者拒まず、去る者追えず…。2017年除隊・入隊予定の韓国芸能人を一挙紹介!!

チャンミンやシウォンなど晴れて除隊して芸能活動を再開させる者もいれば、人気絶頂の中で芸能生活を中断して軍隊へと消えてくスターたち。北東アジアが何かと緊張関係にある今だからこそ、この現実がやけに重くのしかかる。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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