今度は新名所が手抜き工事!? 残念すぎる韓国・ソウル市の“取り組み”

(写真:ロイター/アフロ)

韓国・ソウルの新名所が“手抜き工事”という非難を浴びている。去る5月にオープンしたばかりの「ソウル路7017」がそれだ。

ソウル路7017は、ソウル市の交通の要として1970年に開通し、老朽化が問題視されていた「ソウル駅高架車道」を完全補修して、去る5月にオープンした歩行者専用路。名称につけられた「7017」という数字は、1970年に開通し、2017年にリニューアルしたという意味が込められているという。

そんなソウル路7017は、ソウル駅はもちろん、周辺のホテルや地下鉄駅、観光スポットなどにもつながっており、ソウル駅の新たな顔になると期待されていた。実際にオープンすると、毎週10万人が利用していたそうだ。

筆者も先月の韓国取材時に物珍しさに足を運んでみたが、夜でも人通りが多く、帰路につくビジネスマンやデート中のカップル、さらには職場の仲間同士で見物にやって来たであろうサラリーマンの集団などにも出くわし、まさにホットプレイスと呼ぶに相応しい活況だった。

歩道に亀裂…原因は手抜き工事?

しかし、歩いていると新しいはずなのにコンクリートの小さな残骸や亀裂がところどころに目がついた。聞けば、オープンから3カ月近く過ぎた現在、ソウル路7017は“つぎはぎ工事”の真っ只中にあるという。

韓国メディアによると、歩道に亀裂が少なくとも8カ所も生じており、市民たちも不安を隠しきれない。「亀裂があって、倒れそうで怖い」とインタビューに答える若い女性もいた。一部では、手抜き工事との指摘も出ている。

ソウル市は亀裂の原因をソウル路7017の下を通る車の振動と考えているようだが、亀裂も見た目が良くないだけで「安全性に問題はない」と結論付けているようだ。

当然のことながら韓国ネット民たちはそのずさんさに呆れて非難の声を上げているのだが、近年、ソウル市の積極的な取り組みが市民に批判されるという構図が目立つように思う。

パブリックアートや新スローガンも不評

直近では、ソウル駅に設置された「シューズツリー」が思いつく。ソウル路7017のオープンを記念して設置されたパブリックアートで、10万足の靴を使って作られていた。

しかし設置前からソウル市民から「ゴミ山」などの非難が集中。不評のまま、撤去されている。

(参考記事:「ゴミの山」「税金のムダ」ソウル駅前の巨大シューズツリーに市民が大ブーイング!

また、14年ぶりにソウル市のスローガンを変更したときもそうだった。

発表直後から「意味不明」「恥をかかせる気か!」と反発があり、「このスローガンの意味は、お前に死ぬほどの努力を強要する」などとパロディされる始末だった。

(参考記事:ソウル市の新スローガン「I.SEOUL.U」に、市民は「恥をかかせる気か!」

日本統治時代の建造物も撤去され…

また、こちらは一部の韓国人が問題視していただけだが、2015年に「光復(解放)70周年記念事業計画」として、日本統治時代の建造物を撤去したこともあった。

そのときは1937年に建設され、当時は朝鮮総督府逓信局庁舎として、現在は韓国国税庁別館として使われていた建物が撤去されている。

ソウルには日本統治時代の“遺構”が多数あるのだが、「負の遺産」として処理してしまったのだ。とある韓国の歴史学者が「日本の遺構も韓国の歴史であり、価値があるもの」と嘆いていたのは印象的だった。

(参考記事:負の遺産か、近代化の象徴か。韓国ソウルに現存する“日本統治時代の遺構”

このように何かと矢面に立たされることの多いソウル市。

『江南スタイル』で知られるPSY(サイ)がソウル市の江南区が建立した同曲にまつわる“踊り手“銅像について、1年以上が過ぎた7月末に「やりすぎだと思う」と初めてコメントしたが、それだけ関心の高い韓国人が多いことの裏返しだとも言えなくもない。

それでも600億ウォン(約60億円)を投入し、完全補修したはずのソウル路7017が“手抜き工事”だったことは問題だ。ソウル市は10月までに補強工事を終わらせると明かしているのだが……。