Yahoo!ニュース

セクシー女王アン・シネのミニスカ姿には“禁断のジンクス”が関係していた!!

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
今季のアン・シネ(写真提供:Kang Myung Ho)

日本女子ゴルフ界で“セクシー旋風”を巻き起こしている韓国のアン・シネ。その様子は連日のように報じられているが、枕詞のように使われているのが「ミニスカート」だ。

韓国でも刺激的な“ミニスカ姿”を披露するアン・シネ

「アン・シネ、ミニスカ再上陸」(『スポニチアネックス』)、「アン・シネ、黄緑ミニスカの“わさびウェア”」(『スポーツ報知』)、「アン・シネ、膝上30センチのミニスカで日本初の60台」(『デイリースポーツ』)など、まさにミニスカが彼女の代名詞にもなっている。

それは韓国でも変わりない。アン・シネは韓国でもミニスカ姿で多くの試合に出場しており、そのファッションは常に話題になる。先月も韓国で行われた『2017斗山(ドゥサン)マッチプレーチャンピオンシップ』では、膝上35センチのミニスカ姿を披露して話題になった。

(参考記事:追跡撮影!! 韓国では膝上35センチの“スカイブルー”!? アン・シネとマッチプレー!!)

ただ、今でこそ「ミニスカ=アン・シネ」のイメージが定着しているが、旧知の韓国人記者によると、それはここ数年のことだという。

教えてくれたのは、韓国のゴルフ雑誌の編集者だ。アン・シネがプロデビューしたのは2008年からだが、当時はミニスカが彼女のトレードマークではなかったというのだ。

かつてはミニスカを遠ざけていた時代も

ためしにKLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)の資料を調べてみた。

KLPGAでは登録記者たちを対象にしたメディア専門サイトを設けており、登録が許可された記者たちはそのアーカイブを閲覧することはできるのだ。

そこには毎年行われるKLPGAアワードで両肩をあらわにしたドレス姿やクリスマス・キャロルを歌うアン・シネの姿なども発見できたが、時間を遡って過去の資料写真を調べてみると、プロ1年目から2年目、つまり、2008年から2009年ぐらいの若き日の(今も若いが)アン・シネはミニスカ姿よりも、スラックス姿のほうが圧倒的に多いのである。

(参考記事:韓国時代のイ・ボミ、アン・シネ、キム・ハヌルも!! 厳選写真で振り返るKLPGAアワード名場面集!!)

アン・シネは2010年に『ヒードゥンバレー・女子オープン』と『ハイウォン・リゾートカップSBSチャリティー女子オープン』で優勝も飾っているが、そのときもスラックス姿だった。『ヒードゥンバレー・女子オープン』は7月、『ハイウォン・リゾートカップSBSチャリティー女子オープン』は8月と、真夏の開催だったにもかかわらず、にである。

そこで気になってさらに調べてみると、アン・シネがミニスカを着るようになったキッカケについて話している記事を発見した。媒体は韓国のゴルフ専門誌『月刊ゴルフダイジェスト』。2013年7月号のインタビューで、彼女は言っていたのだ。

「ジンクスですか? おかしいことに以前はミニスカートを着ると成績が良くなかった。ブラック系統のカラーのウェアを着用すると、ボールの当たりがよくない。それがジンクスでしょうか」

プロゴルファーに限らず、多くのスポーツアスリートたちには自分だけのジンクスがあるもの。

例えば“韓国美女ゴルファー神セブン”たちにもジンクスがある。「サングラスは着用しない。最終日はスカイブルーのウェアを着用する」とは目下、日本ツアーで賞金ランキング1位を走るキム・ハヌルの勝負ジンクスだが、かつてアン・シネは意外にも「成績が悪くなるのでミニスカートをあえて着用しなかった」というのだ。

そんな彼女がなぜ、“禁断のジンクス”を破ることになったのか。そこには、2012年の成績が関係していたようだ。

2012年、アン・シネはKLPGAツアー18試合出場で5回の予選落ち・賞金ランク61位というキャリア最悪のシーズンを送っているが、そのスランプから脱するために、あえてジンクスを破ったらしい。

実際、近年はシックで気品あふれるブラックのタイトシャツにミニスカートといういで立ちも披露している。

アン・シネが“禁断のジンクス”を破った理由

そうした変化の理由を、アン・シネは前述した韓国『月刊ゴルフダイジェスト』のインタビューでこう言っているのだ。

「2012年は最悪でした。いくらスランプから抜け出そうと頑張ってもダメでした。心療治療も受けたし、いろいろとカウンセリングも受けましたが、解決しなかった。ただ、その過程で自分にさまざまなジンクスを課してることに気づき、ジンクスをひとつずつ破っていくことを決心しました。そのひとつがスカートなのですが、私がミニスカートを着るとイシューになり、これほどまで波紋を呼ぶとは思いませんでした。ただ、ジンクスを破りたかっただけなのに」

苦しい中で自分を見つめ直し、その末にたどり着いた禁断のジンクスの打破。アン・シネのミニスカートには、かつての自分の殻を破る意味合いもあったのだ。

現在、韓国女子プロゴルファーの多くがミニスカートを着用しているが、そこに意外なエピソードがあるのもアン・シネらしいと言えるのではないだろうか。

(参考記事:話題のアン・シネは膝上30センチ!! 韓国女子ゴルファーが「超ミニスカ」にこだわる理由)

先週の『ニッポンハム・レディスクラシック』最終日ではミニスカを封印し、ショートパンツ姿でプレーしたアン・シネ。

明日から始まる『サマンサタバサガールズコレクション』ではどんな姿を披露するのだろうか。今週も「ミニスカ」がキーワードになることだけは、間違いなさそうだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

慎武宏の最近の記事