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「約束の地」にふたたび降臨する“噂の8頭身美女ゴルファー”ユン・チェヨンとは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
昨季のユン・チェヨン(写真提供:KLPGA)

本日3月30日から始まる国内女子プロゴルツツアー第4戦の『ヤマハレディースオープン』。昨季賞金女王のイ・ボミはアメリカ女子ツアーのメジャー大会「ANAインスピレーション」出場のためエントリーしていないが、韓国メディアの間でひそかに注目を集める選手がいる。

今季から日本ツアーに本格参戦している“奇跡の8頭身美女ゴルファー”ユン・チェヨンだ。ゴルフメディア『マニアリポート』も、「ユン・チェヨン、日本初経験の場所で優勝に挑戦」と題した記事を掲載し、「ユン・チェヨンがヤマハレディースオープンにふたたび帰ってきた」と報じている。

実際、ユン・チェヨンにとって「ヤマハレディースオープン」は特別な大会だ。2014年に初めて日本ツアーに挑戦したのが同大会であったし、昨年は同大会で3位タイに入って日本でもその名が一躍、有名になった。彼女は当時のことを韓国メディアで連載するエッセイでこう綴っていた。

「桜が満開で、大会場はまるで“花畑”でした。大会が選手中心に運営されているというところが素晴らしかったです。練習環境とギャラリーのマナー、ボランティアたちの献身がとても印象的で、“日本でプレーしたい”という思いが生まれたほどでした」

ユン・チェヨンが「日本でプレーしたい」と語ったのは、このときが初めてだったと思う。8年連続してKLPGA広報モデルを務め、現役女子ゴルファーたちが選んだ“禁断の美女ゴルファーランキング“でも1位なった人気者が日本進出への意志を表明したのだから、ほかの韓国メディアでも話題になったことは言うまでもない。

その真意が知りたくてすぐに韓国に飛び、ユン・チェヨンに直接、日本について訪ねたが、彼女はこんなエピソードを嬉しそうに話していた。

「日本でプレーしてからは、私のツイッターに日本の方たちが韓国語でいろいろとコメントをくれるようになりました。そのなかには“日本に来い”と言ってくださる方も。たった一度しか活躍する姿を見せていないのに、私のことを覚えてくれて、日本で見たいと言ってくれるのだから、とてもありがたいことですよね」

(参考記事:【独占インタビュー】“元祖美女ゴルファー”ユン・チェヨン)

当時はまだ日本ツアーのQTを受験するかも「半々」と語っていたユン・チェヨンだが、このときから日本のファンたちの関心の多さに驚くとともに、感謝しているようだった。

「ボミやハヌルの人気が高いおかげですよね。それで私はボミとハヌルに“あなたたちのおかげでこうやって記事が出たんだよ、ありがとう。もっと日本で活躍して”と感謝を伝えました」と笑っていたが、今ではユン・チェヨン自身も日本にやって来てファンを増やしている。それだけにそろそろ期待されるのは、「結果」だろう。

開幕戦の『ダイキン・オーキッド・レディス』で46位タイの日本デビューを飾ったユン・チェヨンは、第2戦の『ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ』では予選落ち、第3戦の『Tポイントレディス・ゴルフトーナンメント』では28位タイ、先週の『アクサレディス・ゴルフトーナメント』では17位タイと、順調に成績を伸ばしている。前出の『マニア・リポート』も、「4試合を消化した中、ユン・チェヨンは次第に日本舞台に適応している」と期待を込めている。

ただ、「優勝」は決して簡単ではない。ユン・チェヨンはKPGAツアーでも優勝はたった1度しかなく、彼女の成長を記録してきた韓国人カメラマンも「唯一残念なのは、彼女の優勝の瞬間を捉えた写真が少ないこと。せめて日本で優勝する姿を見たい」と言っていた。

(参考記事:韓国人カメラマンが追い続けたユン・チェヨン成長の記録21連発!!)

そんな期待に応えて、ユン・チェヨンは相性の良い『ヤマハ・レディースオープン』で結果を残せるだろうか。

今季開幕前には、「新しい挑戦ですから何か期待感でワクワクしている部分もありますが、年齢も年齢ですから、背水の陣で挑まなければならないでしょうね」と語っていたユン・チェヨン。

今月の3月5日で30歳になった彼女は、韓国では“ノジャン”の部類に入る。「ノジャン」とは漢字にすると「老将」のこと。つまりベテランというわけだが、日本では1年目のルーキーでもある。韓国での人気や実績に安住することなく、日本での挑戦を選んだ“元祖美女ゴルファー”にもぜひ注目したい。

(参考記事:環境文化? 金銭条件? 韓流美女ゴルファーはなぜ日本を目指すのか)

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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