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速報!!イ・ボミの前に立ちはだかる強くて若く美しいKLPGAツアーのスターたち

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
大会3日目は雨の中でのプレーとなった。(写真提供:KLPGA)

KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)ツアーの『BMWレディース・チャンピオンシップ』に出場しているイ・ボミ。その動向について連日お伝えしているが、反響の多さにちょっぴり驚いている。その結果を詳しく報じるところが日本には少ないので、それも当然かもしれない。

興味を持っていただいていると受け止め、KLPGAツアーについてもう少し詳しく紹介しよう。

韓国プロゴルフ協会傘下の女子団体として産声を上げ、韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)として独立したのは1988年のこと。当時は8大会、賞金総額8440万ウォン(約844万円)という規模だったが、今年2016年は年間33大会で、賞金総額は212億ウォン(約21億円)だ。28年で251倍のスケールに膨れ上がっているのだ。

まさに隆盛の最中にあるわけだが、その人気を牽引してきたのはもちろん、選手たちだ。パク・セリが登場した1998年頃から韓国国内にゴルフブームが生まれ、2000年代後半からはパク・セリに影響されてゴルフを始めたいわゆる“パク・セリキッズ”たちが台頭した。

アン・ソンジュ、シン・ジエ、チェ・ナヒョン、イ・ボミ、キム・ハヌル。彼女たちはみな“パク・セリキッズ”の代表格であるが、最近はその“パク・セリキッズ”たちよりも若い世代が台頭している。女優キム・テヒに似ているルックスから“フェアウェイを歩くバービー人形”と呼ばれるパク・キョルなどはまだ20歳になったばかりである。

(参考記事:イ・ボミも気が抜けない!? 韓国ゴルフ美しき新世代がスゴい!!)

そんな群雄割拠のツアーだけに競争も厳しい。韓国女子ゴルフ界の“元祖美女ゴルファー“と言われるユン・チェヨンも、インタビューしたときにこんなことを言っていた。

「最近は若い選手が続々と出てきて、うかうかしているシード権を失ってしまうこともある。韓国では試合に出なければランキングが下がってしまうから、みんなが休まない。昨年、一昨年に優勝した選手でも、ちょっとつまずけばシード権を失うほど、競争が激しいんです」

イ・ボミ、キム・ハヌルに続く!? “元祖美女ゴルファー”ユン・チェヨン独占インタビュー ヤフーニュース個人 2016/06/24

しかも、競うのは実力だけではない。知り合いの韓国人記者も言っていた。

「最近の韓国女子ゴルフ界は世代交代で20代前半が主流となり、彼女たちは自分の外見や露出回数にも気を使うようになりました。それが個人スポンサー獲得にもなるから」

つまり、実力だけではなく、外見やパーソナリティも選手を評価する基準になっており、実力と美貌を兼ね備えた選手をKLPGAが奨励している部分もある。KLPGAでは実力と美貌を兼ね備えた選手を毎年10人ほど選抜し、“KLPGA広報モデル”として積極的に売り出している。

実際、歴代のKLPGA広報モデルには才色兼備の美女ゴルファーたちが並ぶ。イ・ボミは2年連続(2010~2011年)、キム・ハヌルに至っては6年連続(2009~2014年)で選ばれている。韓国ゴルフ界の“美女ゴルファー神セブン”と呼ばれるスター選手たちは、ほぼ全員、KLPGA広報モデルの常連と言っても良いだろう。

この“KLPGA広報モデル”が人気と実力を推し量るひとつのバロメーターと言える部分もあるが、最近は韓国の女子プロゴルファーたち自らが選んだランキングがあるのだから驚きだ。

(参考記事:韓国女子プロが選んだ“禁断”の美女ゴルファーランキング。イ・ボミの順位は?)

実力、外見、人気。この三拍子を備えた選手がスターとなる。韓国時代のイ・ボミはまさにその代表格でもあったわけだが、約3年ぶりのKLPGAツアー出場である『BMWレディース・チャンピオンシップ』では苦戦が続く。

初日は68位、昨日二日目は30位、そして雨の中で行われた本日三日目を終えて32位タイ。優勝争いに絡めていない。明日の最終日でどれだけ存在感を示せるだろうか。3年ぶりとなるKLPGAの舞台で、韓国のファンたちにも“スマイル・キャンディ”健在を示してほしいところだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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