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イ・ボミが韓国で再始動!!リオ五輪落選の心境についても告白!!

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
約3年ぶりに韓国凱旋したイ・ボミ(写真協力:KLPGA)

昨季の日本女子ゴルフツアー賞金女王で、7月11日に発表された世界ランキングでも17位につけながら、惜しくもリオデジャネイロ五輪の韓国代表の座を逃してしまったイ・ボミ。最後のチャンスとして挑んだ『全米女子オープン』で予選落ちしたあと、イ・ボミは韓国に戻っているが、地元メディアを通じてこれまで明かされなかった全米女子オープンでの知られざる舞台裏が明らかになっている。

『全米女子オープン』開幕前、イ・ボミは極度の腹痛に悩まされていたらしい。紅斑が出来るほど状態が悪化したという。それもいつものように母イ・ファジャさんが娘のために用意した韓国食材が原因だったというのだから、やるせない。らしくない予選落ちの背景には、思わぬアクシデントがあったわけだ。

(参考記事:実は食中毒に苦しんでいた!! イ・ボミ予選落ちの知られざる舞台裏)

それでも気丈に振る舞ったイ・ボミは、昨日7月14日から開幕したKLPGA(韓国女子プロゴル協会)ツアーの『BMWレディース・チャンピオンシップ』に出場しているが、約3年ぶり、正確には2年9ヶ月ぶりの母国凱旋ということもあって、「“ボミチャン”イ・ボミ、BMWレディースに出撃」(『スポーツ朝鮮』)、「ボミチャンを見に行こう」(『イートゥデイ』)などと複数のメディアで取り上げられるなど、韓国でも注目度は大きい。

とりわけクローズアップされているのは、全米女子オープンで一時は首位に立ち、今季KLPGAツアーでは賞金女王レースのトップを走るパク・ソンヒョンとの対決だ。

「パク・ソンヒョンVSイ・ボミ、韓日賞金女王が国内で激突」(『ニュース・トマト』)、「韓国ツアークイーン対日本ツアークイーン」(『東亜日報』)など、日韓女子ツアーの賞金1位同士のマッチアップに期待が集まっている。その初日ラウンドを密着した写真グラビアまで特集されているのだから、イ・ボミへの関心の高さが伺える。

(参考記事:韓国カメラマン急接近!! 3年ぶり母国凱旋のイ・ボミを追え!!)

もっとも、今回の『BMWレディース・チャンピオンシップ』はイ・ボミやパク・ソンヒョンだけでなく韓国国内の人気選手が大挙出場。“8等身の元祖美女ゴルファーの ユン・チェヨンや女優キム・テヒに似ていることから“フェアウェイのバービー人形”と呼ばれるパク・キョルなど、“韓国美女ゴルファーの神セブンたち”と呼べるような人気ゴルファーたちが多数エントリーしている。

それは大会のスケールの大きさも無関係ではないだろう。今年で2回目の大会だが、優勝賞金3億ウォン・賞金総額12億ウォンというKLPGAツアー最大規模のスケールで、優勝者にはBMW X5が副賞で贈呈されるという豪華さだ。

イ・ボミの専属キャディを務める清水重憲氏が着用するビブスにもメインスポンサーの大きなロゴマークが入り、そこに韓国語で“イ・ボミ”の名がプリントされているのもどこか新鮮に映るのだが、イ・ボミの初日は思うようにはいなかったようだ。

初日のスコアは68位タイ。滑りだしは上々とは言えず、中には前日までの報道とは一転、「“ボミチャン”イ・ボミ赤信号、初日で予選落ちの危機に」(『イートゥデイ』)と報じるところもあったほどである。

だが、現地で取材したゴルフ記者によると、当のイ・ボミは危機感を漂わせることもなく、いつものような笑顔で記者会見に応じながら、「(久々の韓国でのプレーなので)上手くやろうという気持ちが強すぎた」と自己分析することも忘れなかったという。

記者会見では惜しくも逃してしまったリオ五輪に関しても、公の場で初めてコメント。その挑戦の日々と叶わなかった夢について、赤裸々にその心境を語っている。その挑戦の日々を改めて振り返りつつ、「残念ですが、自分に足りないものがあった」と語った彼女の言葉に、一安心した日本のファンも多いのではないだろうか。

(参考記事:「人生の大きな目標でした…」イ・ボミがリオ五輪落選について初めて語った!!)

いずれにしてもイ・ボミは夢破れても立ち止まることなく、ふたたび前を向いて歩き始めた。ちなみに『BMWレディース・チャンピオンシップ』は初日から大混戦だ。韓国ゴルフ界の“超絶セクシークイーン”とされるアン・シネも初日を3位で終えるなど、好位置に立っている。

久々に競い合う韓国のライバルたちを追撃し、イ・ボミは再出発の狼煙を高らかと上げることができるだろうか。韓国でリ・スタートを切ったイ・ボミが、果たしてどんな結果を残すかということに、日本と韓国のファンたちが注目している。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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