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【独占インタビュー】韓国NO.1チアリーダー、パク・キリャンに会ってきた!!

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
韓国で人気を誇るチアドル、パク・キリャン(写真提供:RS ENT)

韓国プロ野球界で今、ひときわ注目を集めている人物がいる。選手ではない。監督でもない。“野球場の華”と称されるチアリーダー、パク・キリャンだ。

日本のプロ野球にも、読売ジャイアンツの「Team Venus」、阪神タイガースの「Tigers Girls」など華麗なチアリーダーたちがいるが、韓国プロ野球のチアリーダーたちは、テレビやCMに出演するなど半ばアイドル化しており、“チアドル”と称されることもある。

そのなかでもパク・キリャンは、“国民チアリーダー”と呼ばれるNO.1の存在だ。ロッテ・ジャイアンツのチアリーダーとして球場を盛り上げるだけでなく、テレビ出演や化粧品ブランド「Essild」のモデルを務めるなど、活動の幅を広げている。一挙手一投足がニュースになる、まさに最高のチアドルといえるだろう。

(参考記事:グラドルのいない韓国で最高の“チアドル”、パク・キリャンがアツい!!

去る6月のとある日、ロッテ・ジャイアンツの本拠地、社稷(サジク)球場を訪れ、パク・キリャンを独占取材した。そのインタビューを紹介したい。

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――お会いできて光栄です。去る2月にはロッテ・ジャイアンツの合宿に参加するために、日本に訪れたそうですね。日本の印象は?

「人々がとても親切だなと思いました。私の性格が大雑把だからかもしれません(笑)。私が訪れた鹿児島は、田舎のほうだと聞きました。それが理由なのか、人々がとてもゆとりを持っていた印象もあります」

――日本で何かおもしろいことがありましたか?

「初日にホテルに入ったときに、30代くらいの男性が少しぎこちない韓国語で“アンニョンハセヨ、パク・キリャン氏、ファンです”と話しかけてきたんです。プレゼントを渡してくれて、足早に去っていきました。最初は韓国の人かなと思いました。だって日本の方が私のことを知っているなんて思わないでしょう? でもやっぱり日本の方だと思うし、とてもうれしかったですね」

――それは貴重な体験でしたね。パク・キリャンさんが所属するロッテ・ジャイアンツは、韓国でも一、二を争う人気球団と聞いています。

「ロッテ・ジャイアンツは本当にファンの多いチームです。応援にも地域性があるというか、特徴があります。球場に訪れるロッテファンは、本当に情熱的。ロッテ・ジャイアンツの一員ということは私にとって大きな誇りですし、すべてのチアリーダーが一度はロッテ・ジャイアンツでやってみたいと話すほど、応援も盛り上がるんですよ」

――試合当日、チアリーダーたちはどのように過ごすのでしょうか。

「ホームで試合があるときは、いつも舞台に立ちます。試合の3時間前には球場に入って、メイクをして、髪を整えて、食事もして。その後に簡単にリハーサルも。試合のある日は、ほとんど丸一日球場にいるという感じですね。月曜日は試合がありませんが、チアリーダーたちにとっては練習日。つまり、ほぼ毎日ということ(笑)。シーズンが始まったら休日というのはほとんどないんです」

――実際のチアリーディングを拝見しましたが、攻守が切り替わるたびに観客席にダンスを披露するわけで、とても過酷だと感じました。体調管理には、かなり気を使っているのでは?

「それが、特にしてないんですよ(笑)。気をつけていることと言えば、試合中に汗をたくさんかくので、水をよく飲むようにしています。水はあんまり好きじゃないんですけどね。でも以前に一度、脱水症状で救急室に運ばれたことがあって…。それからは気をつけています。本当にそれくらいです」

――こうやって間近で、本人を目の前にして聞くことではないかもしれませんが、美しさを保つために何か努力されているのでしょうか。

「強いて言えば、日差しをたくさん浴びるので家に帰ったらパックをつけるようにしています。あと、食事はたくさんとるようにしています。試合が終わって帰宅すると夜12時近くになるので、本当は食べたらいけないでしょう? でも食べてしまう(笑)。ラーメンを食べてご飯まで…。もっと若かい頃はいくら食べても太らなかったのに、最近はちょっとお肉がつきやすくなってきているので、気をつけないとですね」

(参考記事:写真15連発!! 韓国一の美女チアリーダー、パク・キリャンに急接近!?

――では、ここまで注目を集めている理由をどう自己分析されますか。

「多分、一番人気のあるチームに長くいることが理由だと思います。チアリーダーはチームを移すことも多いのですが、私は2009年からロッテ・ジャイアンツにいて、もう8年目になります。一つのチームで3年やれば、お客さんも覚えてくれてファンもできる。ファンの方々が“この子は私たちのチームの一員だ”と家族のように思ってくれるんです。私はその倍以上もいるわけですから。そう考えると、ロッテ・ジャイアンツと出会ったことが、本当に幸運だったと思います」

――今年1月には出演したCM動画が1週間で再生回数38万回を突破するほどのヒットを記録しましたし、6月17日にはミニアルバム『Lucky Charm』を発売されるそうですね。テレビやCMの出演に加えて、チアリーダーがアルバムを出すというのは、韓国でも異例なことだと思いますが…。

(参考記事:【動画】焼酎CMのパク・キリャンにメロメロ!? 方言がかわいすぎる

「小さい頃の夢は歌手でした。いろんなジャンルの曲が入っていますよ。バラードもありますし、ダンスミュージックや球場で流れる応援曲も入っています。1年くらい準備してきました。どんな反応があるかいまからドキドキしています。多分、なぜチアリーダーが歌を出すのかという批判も受けると思います。“芸能人気取りか”という声もあるかもしれない。自分自身、どんなインタビューでも“チアリーダーをずっとやりたいし芸能人にはなりたくない”と話してきましたしね(笑)。でも、いいんです」

――とういうのは?

「やろうと決心したのは、チアリーダーの後輩たちに新しい道を示すことができると思ったから。本当に才能のあるチアリーダーが多いんです。でも、今までは機会がなくて、新しい道を探せませんでした。彼女たちにそういう道を切り開きたい。私がチアリーダーを辞めるときまでに、すべてのチアリーダーが安定した給料をもらえるようするのが目標なんです。やれるときに、なんでもやろうと思っています」

(参考記事:韓国スポーツ界は“チアリーダー天国”。だが、彼女たちの収入の実態は意外と少ない!?

――ロッテ・ジャイアンツのチアリーダーを務めて8年目になりました。これほど活動が幅広いと、チアリーダーをいつまで続けられるのかが気になります。

「そういう質問をされたときは、“ロッテ・ジャイアンツが優勝するまで”と答えています。するとファンの方たちは“じゃあ、おばあちゃんになるまで辞められないね”って言ってくる(笑)」

――たしかに、ロッテ・ジャイアンツは現在も10チーム中、6位です。ここ数年、厳しいシーズンが続いていますね。

「だからこそ、絶対優勝するところを見たいんです。私は毎年、“今年こそ優勝する”と本気で信じています。いろんな活動もありますが、優先順位はチアリーダーが一番。これからもいろんな人に球場に足を運んでほしい。そして一緒に応援していただけたら、うれしいです」

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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