スポーツバラエティ番組がひとつのジャンルとして定着している日本。トップアスリートたちの技やパフォーマンスの凄さを紹介したり、その快挙の裏側やエピソードを紹介するトーク番組などその形式はさまざまだが、スポーツバラエティというジャンルは韓国でも人気だ。

特に人気があるのが国営放送局ＫＢＳで放映中の『ウリトンネ（僕らの街）の芸・体・能』。バトミントン、卓球、ボーリング、テニス、バスケットボールなどを趣味や特技とする芸能人たちが、トップアスリートや地元の達人たちと対決するバラエティ番組で毎週火曜日夜11時からの放送ながら視聴率５〜6%台と高く、最近は番組内で結成された芸能人バレーボールチーム団が人気らしい。イメージとしては日本の『炎の体育会ＴＶ』（ＴＢＳ）に近いスポーツバラエティだと言えるだろう。

韓国ではこうしたスポーツバラエティ番組で特に引っ張りダコとなるのが、アイドルたちだ。視聴率を獲得できることもあるが、普段からダンス・パフォーマンスのレッスンや練習などをしているせいか、運動神経に優れていることも大きい。スポーツ万能のアイドルたちは “チェユク（体育）ドル”や“ウンドン（運動）ドル”と呼ばれているほどだ。

（参考記事：歌とダンスだけじゃない!? 韓国男性アイドルたちの特技）

東方神起のチャンミンはバトミントン、２ＡＭのジヌンはバスケットボール、ＭＡＤＴＯＷＮのジョタは柔道など、意外な特技を持っている韓国の“運動ドル”たち。特にSHINeeのミンホは『アイドルスター陸上・水泳選手権大会』なる番組で、水泳、走高跳、50mハードル走で優勝し、“韓国を代表する体育ドル･ランキング1位”に選ばれているほどだ。

実はミンホの父は、元韓国代表で現在はKリーグ・チャレンジ（2部リーグ）の江原（カンウォン）ＦＣの指揮するチェ・ユンギョム監督。つまり、息子もその血を受け継いで運動神経バツグンというわけだ。サッカーもかなりの腕前らしい。

意外なのは、少女時代、f(x)、SISTARなど、日本でも人気のガールズ･グループのメンバーたちの中でも“運動ドル”が多いことだ。それも陸上、水泳、フィギュアスケート、アーチェリーなど得意種目も多彩。とある人気ガールズ・グループのメンバーは、韓国らしくテコンドーの有段者というのだから面白い。また、日本でも人気を誇った元ＫＡＲＡのク・ハラなどはその短距離走の速さから、ウサイン・ボルトならぬ“クサイン･ボルト”と呼ばれているという。

（参考記事：もっと好きになっちゃう!! プロ顔負けの韓国女性“体育ドル”たち）

韓国ではそんな“運動ドル”たちが一堂に集結する芸能人運動会のような公開収録番組も年に数回あり、その会場はファンたちの黄色い歓声で包まれる。一度その公開収録の現場に立ち合ったことがあるが、その熱気は彼ら彼女たちの本業であるライブをも凌ぐほどだ。

ちなみに韓国では日本のジャニーズ･アイドルたちも人気で、ジャニーズ･アイドルたちもスポーツバラエティ番組などでその特技を披露したり、ジャニーズ・アイドルだけが集結するスポーツ･フェスタのようなものが行なわれる。

先日も東京ドームでジャニーズ野球大会が開かれたが、驚くことに会場には韓国のジャニーズ･ファンたちも駆けつけていたらしく、嵐やＫＡT－TＵＮ亀梨和也の野球の実力を評価する観戦記をブログにアップしていたというのだから、アイドル好きにとって “運動ドル”への関心は国を問わないようだ。

（参考記事：韓国のジャニーズファンが見る、嵐メンバーたちの運動神経）

ふと思ったが、そんな“運動ドル”同士の日韓戦が行なわれたら面白いのではないか。Ｋ－ＰＯＰアイドルとジャニーズ・アイドルの夢の対決。応援席に国境はなく、コンテンツとしても日韓両方でヒットする人気スポーツバラエティになると思うのだが。