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ゴルフ女王イ・ボミは韓国でも人気1位なのか

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
昨季は圧倒的な強さで賞金女王に輝いたイ・ボミ(写真:アフロスポーツ)

3月3日から沖縄で行なわれている『第29回ダイキンオーキットレディストーナメント』でスタートした日本女子プロゴルフツアー2016年シーズン。昨季は賞金女王に輝いたイ・ボミが一大ブームを巻き起こしたが、今季もイ・ボミ人気は衰えそうにない。

ゴルフ雑誌はもちろん、一般誌や写真週刊誌などでもイ・ボミ特集が組まれている。“イボマー(イ・ボミのファンたちの総称)”なる造語も生まれたほど、日本では絶大な人気を誇っている。

(参考記事:「日本を沸かすイ・ボミ人気の秘密」)

では、彼女の母国・韓国でもイ・ボミ人気は凄まじいのだろうか。

まず結論的に言えば、人気はある。昨季、賞金女王を決めたときも韓国では「イ・ボミ、新しい歴史を刻んだ」(経済紙『韓国経済』)、「イ・ボミ、JLPGA平定」(スポーツ新聞『スポーツ東亜』)、「日本を揺らす“ボミちゃん熱風”想像を超える人気」(テレビ局SBSスポーツ)と報じられた。

「日本列島に“スマイルキャンディ”熱風」と特集を組んだ報道チャンネル『YTN』(ニュース)は、「ゴルフを通じた韓日友好の橋渡し役になりたいという小さな巨人」と彼女を高く評価したほどだ。

もっとも、人気ナンバーワンか問われれば、そうでもない。決してイ・ボミの人気がないというわけではない。人気はある。韓国時代も「スマイルキャンディ」の愛称で人気者だった。ただ、ダントツではない。正確に言うと韓国女子ゴルフ界にはイ・ボミのほかにも多数の人気者がいるということだ。

例えば数年前まではチェ・ナヨンがダントツの人気者だった。もともと美顔ゴルファーとして人気があったが、2012年に全米女子オープンを制覇してなお上昇。SKテレコムをはじめ複数の企業が彼女のスポンサーになっている。

その美しいルックスから “フィールドの妖精”と呼ばれるキム・ジャヨンも人気だ。私設ファンクラブには2000人以上の“サムチョン(おじさんの意味)ファン”が集まるほどの人気を博しており、「第二のチェ・ナヨン」と呼ばれたこともあった。

2014年はキム・ヒョージュが一世を風靡した。KLPGAアウォードで大賞(年間MVP)、最多勝、賞金女王、最小ストローク、ベストプレー賞、海外特別賞の6冠に輝いた彼女は、先輩のパク・インビはもちろん、チェ・ギョンジュ、ペ・サンムンら男子プロも差し置いて、韓国のゴルフメディア関係者50人が選ぶ「ゴルフ界に影響力ある人物」1位にも選ばれたほどだった。

昨季から日本でプレーするキム・ハヌルも絶大な人気を誇る。11年〜12年まで2連続KLPGA賞金女王に輝いた彼女は、ピンチやミス時も微笑を絶やさないことから“微笑天使”や“微笑クイーン”と呼ばれ、日本に来るまではKLPGA広報モデルも務めている。KLPGA広報モデルに選ばれることは、その人気を物語るバロメーターとされているが(イ・ボミも過去に選ばれている)、キム・ハヌルは6年連続でKLPGA広報モデルを務めているのだ。

(参考記事:「実力だけでなく美も競う韓国女子プロゴルファーたち」)

昨年はこれら美女ゴルファーたちを差し置いて、ニューヒロインが誕生している。日本、韓国、アメリカでメジャー大会を制したチョン・インジだ。現役女子大生で頭脳もピカイチという彼女の人気は凄まじく、ファンクラブ会員数が4000人を超え「2015年もっともホットな選手」(韓国ゴルフ記者)とされたほどだ。

(参考記事:「日米韓のメジャー大会を制した“若き女王”は現役女子大生だった!!」)

このほかにもユン・チェヨン、ヤン・スジンなど多士済々な韓国女子ゴルフ界。特に“美女ゴルファー”として絶大な人気と知名度を誇るのが、アン・シネだ。「顔もいいし、脚線美も素晴らしく、なおかつ大胆なファッションで注目を集め、韓国では“ゴルフ界のセクシークイーン”と呼ばれている」(韓国ゴルフ記者談)らしい。

実際、その容姿はモデルか女優かと思わせるほど美しく、ファッションも大胆。韓国メディアとのインタビューでは「ウエストがゆったりしたものよりもタイトなもののほうが胸のラインがきれいに出る」と語っているほどこだわっている。そんな彼女に、韓国の男性ファンたちは釘づけ。イ・ボミも日本のオジサンたちから圧倒的な支持を得ているが、それをも凌ぐほどの人気なのだ。

(参考記事:「韓国ゴルフ界最高の超絶セクシークイーン、アン・シネがスゴい!!」)

つまり、イ・ボミに勝るとも劣らない“美しきゴルファー”たちが韓国にはまたまだたくさんいるのである。しかも、「一部の人気ゴルファーたちが今季も日本にスポット参戦する可能性もある」(韓国のゴルフ記者談)

はたしてそんな韓国女子ゴルフが、今季も日本でその存在感を炸裂させるのだろうか。今季は女たちの日韓ゴルフ対決にも注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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