4月から学校の先生になるかたへ 仕事を進めるヒント #教師のバトン

(写真:Paylessimages/イメージマート)

 明日から新年度。新しく学校の先生になるかたもいますね(ここでは幼稚園~高校くらいを想定)。不安なこともたくさんあることと思います。子どもたちと仲良くやれるかな、授業はうまくいくだろうか、保護者から舐められないか、同僚の先生たちとうまくやっていけるか・・・などなど。

 ぼくは教員経験はない、ヨソ者なので、わかったような口をはさむつもりはないのですが、ひょっとすると、職場(学校)の先輩や教員養成の大学の先生たちとは少しちがった角度から見られる部分もあるかもしれないので、ちょっとだけ、新人の先生に向けたメッセージを書きますね。少しでも参考になれば、嬉しいです。

■ヒント1.「ちょっと教えて」って言っていい。

 教育実習などを経験しているとはいえ、各学校のローカルルール(その学校でしか通用しないこと)も少なくないですし、もちろん、子どもたちとはお互いにはじめまして、という状態なので、うまくいくこともあれば、いかないこともあるでしょう。校務分掌といって、校内の事務分担などでは、引き継ぎ資料等がちゃんとしていればいいのですが、そうでない学校もあるようです。

 新任の先生にとっては「何がわからないかが、わからない」、「なにを聞いていいかも、わからない」という状態かもしれませんね。

 そんなとき、もちろん自分で考えることも重要ですが、ある程度考えたら(5~10分くらい?)、さっさと同僚、先輩に聞いてみましょう。そのほうが早いし、我流よりもよい方法が身につく確率が高いです。

 幸い、みなさんのいる職場は学校です。教師の職業柄、「教えてください」と言われて、悪い気になる人はそうはいません。

写真はイメージ
写真はイメージ写真:Paylessimages/イメージマート

 たとえ、周りの先生が忙しそうにしていても、「お忙しいところすみません、ちょっと2~3分だけいいですか?」、「~~を考えてみたんですけど、これでいいのか、わからなくて・・・」などと聞いてみましょう。

 なお、指導教諭(新人の指導者役)がついていることが多いと思いますが、その人と合う、合わないがあります。もちろん、いい人も多いと思いますが、なかには新人をつぶしてしまう指導教諭も見かけます。正直、このあたりは運と、校長ならびに教育委員会のマネジメントの問題です。

 新人のみなさんは、別の同僚(先輩含む)に聞くことを遠慮してはいけません。指導教諭がなにか気になる顔をしたら、「先生がとってもお忙しいようだったので、○○先生に教えてもらいました」、「△△先生が去年担当されていたと聞いたので」などと言っておけば、メンツをつぶさなくて、よいかもしれません。このあたりのノウハウも、どなたか先輩に聞いてみるといいと思います。

 なお、新人のほうが優位性があることもあります。人にもよりますが、ICTの活用は若い人のほうが得意なケースが多いですし、大学等で学んだ最新の知見はすぐに役立つことばかりではありませんが、何かの時に参考になるかもしれません。ですから、「教えてもらってばかりで申し訳ない」とかあまり思わず、いつか自分もなにか役立つかもしれないし、お互い様という感じでいいと思います。

■もともと”無茶ぶり”

 自治体によって異なりますが、新学期は4月5日、6日から児童生徒の登校が始まるという地域も多いと思います。今年はカレンダー上、4月1日が木曜なので、5日スタートの場合は、配属されて3日目です。小学校ではほとんどの場合、1年目から学級担任などを務めますが、どこの企業等で、3日目の新人にいきなり重たい仕事を任せるところがあるでしょうか?ほんと、このあたりは教育委員会も、文科省も、もっと真剣に向き合ってほしいです。

※なお、始業式の日は教育委員会の権限で決められるはずですから、文科省が規制しているものではありません。

 これを嘆いても、新人の先生にとって励みになりませんが、もともと難易度の高いことをいきなり任されている、かなり”無茶ぶり”とも言える職場なのですから、わからないことや困ることが多いのは、当然のことです。人に尋ねるのを遠慮する必要はありません。

■ヒント2.メモを取ろう。

 ぼくがオススメするポイント、その2は、メモを取ることです。ちょっと打算的な話になりますけど、メモを取っている新人は、熱心そうに見えるという効果があります。教える側も悪い気はしません。

写真はイメージ
写真はイメージ写真:アフロ

 ぼくはかなりの数のシンポジウム、パネルディスカッションなどを経験していますが、有識者や政治家のなかには、メモを一切取らず、見ずに、スラスラと語れる人もいます。すごいなあと思うわけですが、そういう芸ができるのはごく一部の人でしょう。

 あなたが普通の人であれば、メモを取らないと、忘れてしまうことも多くなりますし、記憶することにワーキングメモリが消費される分、考えることにエネルギーが向いにくくなると思います。メモは思考を助ける、というわけですね。

 実は、学校の先生のなかには、生徒たちには「しっかりノートを取るように」と言っていながら、自分が研修会などに参加するときはほとんどメモを取らない人も多くいます。よほど記憶力のある方なら別ですが、あまり真似はしないほうがよいと思います。

■ワークログ、時間の使い方のふりかえり

 メモ、ノートと言えば、単に先輩等から教えてもらったことをメモするだけでは、ちょっともったいない気がします。オススメが2つあります。

 ひとつは、自分が考えたことやちょっとしたアイデアをメモしておくこと。ぼくの場合は、こういう記事や本などを書いていますから、ネタ帳は必須アイテムですが、教師の職業なら、児童生徒について気づいたことなどをメモしておくと、後々通知表のときなどにも役立ちますね。

 初任者研修などでレポートなど書く機会もあると思います。まあ、あまり時間かけてもどうかなと思う「宿題」もあるかもしれませんが、時間がかかるのは、自分のアタマのなかが整理できていないからかもしれません。メインメッセージ(主な主張)と根拠(理由、データなど)のアウトラインをメモしておくと、書き進めやすいです。

 それから、新人の優位性について先ほど述べましたが、学校に赴任してみると、「これって、もうちょっと別のやり方があるんじゃないかな」とか「なんでここに他の先生たちはこだわるんだろうか」、「こういうところがアナログなままだな」などフレッシュな視点から気づくこともあるかもしれません。

 これらは業務改善や働き方を見直すうえで、いいヒントになりますから、ぜひ校内外で共有して、ちょっとでも改善できるといいと思います。ですが、すぐに提案できることばかりではないでしょう。そんなときは、メモに残しておくと、いつか役立つかもしれません。

 もうひとつは、1日の自分の時間の使い方をメモしておくことです。「ワークログ」と呼ばれるものです。たとえば、次の写真はぼくの雑なメモですが、こんな感じです。ぼくの場合は、遊びや料理したことなどもたまに書いています。

筆者作成
筆者作成

 一番上には、その日これはぜひやり遂げたいということを書きます。ひとつだけにしておくことをオススメします。優先順位が明確になります。とはいえ、先延ばしにしてしまったりすることも、ぼくはあるのですが(とほほ・・・)。

 1日の終わりや翌朝に、ちょっと(数分)でいいので、ふりかえりをすると効果的です。何に時間を使ったかを確認すると、思いのほかレポートに時間がかかっていたなとか、もう少し工夫できたことなどを反省する材料になります。

 それから、一番上に書いたことが、かなり進んだときは〇、あまりできなかったときは△などを書いて、確認しましょう。

 授業のリフレクション、ふりかえりって、先生たちは重要視しますよね。が、自分の時間の使い方のふりかえりって、ほとんどしていないんじゃないでしょうか?先生たちの長時間労働は社会問題とも言うべき大問題ですけど、こういう地道な診断と改善も大切にしたほうがよいと思います。

 ほかもお伝えしたいアイデアはありますが、きょうはこのへんで。ここ数日、文科省の「#教師のバトン」プロジェクトでも、さまざまな声が上がっていて、不安を増している新人のかたもいるかもしれません。不安をすぐに消すことはできませんし、それが望ましいとも思いません。不安とうまく付き合っていくためにも、ちょっとしたヒントをお届けしたいと思い、記事をアップしました。

 児童生徒との関係づくり、授業づくりなどは、ぼくは詳しくないのでお話ししませんが、優れた書籍等もありますし、おそらくみなさんの近くにも詳しい先輩等はいると思いますから、聞いてみてください。4月、5月は先輩教員のかたは、新人に送るヒントみたいな情報をシェアしていったり、校内外の研修でやってみたりしてもいいかもしれませんね。

 4月から先生になる、みなさん、ボン・ボヤージュ!

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