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ロシア国防大臣、軍事訓練センター視察「ウクライナ軍もドローン部隊をかなり強化している」

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2023年10月にイギリスのメディア「ザ・テレグラフ」がロシアの国防大臣のセルゲイ・ショイグ氏がロシア軍の軍事訓練センターを訪問して、ドローンの操縦士らの訓練を視察する様子を報じていた。英国メディアのザ・テレグラフによるとショイグ国防大臣がこのようなロシア軍の軍事訓練センターを訪問する動画は珍しい。

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。ロシア軍もウクライナ軍も監視・偵察目的で導入した民生品ドローンに爆弾や手りゅう弾を搭載して上空から落下させたり、標的に突っ込んでいき爆破させてダメージを与えている。

ロシア軍ではイラン製軍事ドローン「シャハド」やロシア製軍事ドローン「Lancet」を主に攻撃ドローンとして利用している。またロシア軍ではウクライナに侵攻直後から監視偵察用にはロシア製の「Orlan-10」を使用してきた。たまに「Eleron-3」でも偵察を行っているが、ほとんどが「Orlan-10」か中国製の小型民生品ドローンで監視・偵察を行っている。「ZALA 421-16Е2」といったレアなドローンが迎撃されて写真や動画が公開されることもある。だが監視ドローンなら「Orlan-10」、攻撃ドローンなら「シャハド136」か「Lancet」がほとんどである。

ショイグ国防大臣が訪問した軍事訓練センターでは「シャハド」や「Lancet」、「Orlan-10」といったロシア軍が頻繁に使用しているドローンの操縦訓練ではなく、民生品ドローンで操縦の訓練を行っているシーンが報じられていた。ロシア軍のドローンといえば「シャハド」や「Orlan-10」ばかりの報道が目立っているが小型の民生品ドローンも使用している。民生品ドローンは誰もが簡単に操縦して上空から監視ができるので訓練センターに来たばかりの人の練習用には最適である。

軍事訓練センターで説明を受けたショイグ国防大臣は「ロシア軍は多くのドローンで奇襲攻撃しているが、ウクライナ軍もドローン部隊をかなり強化している」と語っていた。

ロシア軍は特に深夜にイラン製軍事ドローン「シャハド」で奇襲を行っている。そしてショイグ国防大臣が語っているように、ウクライナ軍でも大量のドローンを調達したり、ウクライナ国内で製造したりしてドローンによる監視や攻撃を強化している。そのため、お互いにドローンを検知するとすぐに機能停止したり破壊したりしているので、ドローンは戦場では何機あっても足りない。歴史上、ここまで多くのドローンが戦場で活用されたのは初めてである。

▼ロシアのショイグ国防大臣の軍事訓練センター訪問を報じる英国メディア

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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