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イスラエル軍、夜間も武装組織ハマスからのロケット弾を「アイアンドーム」で迎撃

佐藤仁学術研究員・著述家
2023年10月8日にハマスからのロケット弾を迎撃するイスラエルのアイアンドーム(写真:ロイター/アフロ)

42時間で3284発のロケット弾を発射

2023年10月7日に、イスラエルに向けてパレスチナ自治区ガザを実行支配する武装組織ハマスから大量のロケット弾が発射された。イスラエル軍は10月9日12時15分(イスラエル時間)時点で武装組織ハマスが42時間で3284発のロケット弾を発射したと公式SNSで伝えていた。

ハマスからの大量のロケット弾の攻撃に対して、イスラエル軍はアイアンドームで迎撃してイスラエル領土をロケット弾から防衛している。10月7日の早朝に攻撃を仕掛けてきて、昼間にロケット弾を発射して、イスラエル軍はアイアンドームで迎撃していた。

武装組織ハマスは昼間だけでなく夜間でも大量のロケット弾でイスラエル領土を攻撃している。そして昼間だけでなく夜間でもイスラエル軍はアイアンドームで武装組織ハマスのロケット弾を迎撃している。昼間では太陽が出て明るいので、アイアンドームで迎撃しても白い煙が写っているだけだが、夜間でのアイアンドームでの迎撃は空が暗いので、迎撃してロケット弾を破壊しているシーンが鮮明である。

▼夜間のパレスチナからのロケット弾を迎撃するイスラエル軍のアイアンドーム

アイアンドームは地上にいる人たちや建物への攻撃を回避させダメージを最小化させることが目的。アイアンドームは上空のロケット弾やドローンをレーダーが察知すると、地上からミサイルが発射されて、地上の標的が攻撃されて大惨事になる前に、敵のロケット弾や攻撃ドローンを上空で爆破させている。

イスラエルでハマスからのロケット弾や攻撃ドローンを迎撃しているのが、イスラエル軍の「アイアンドーム」と呼ばれるミサイル迎撃システムである。2011年に完成したアイアンドームはイスラエルの軍事企業が製造。2021年5月にも約3000発のハマスからのロケット弾や攻撃ドローンの9割を迎撃したと報じられていた。

イスラエルとパレスチナの間で衝突が起きて緊張関係が高まり、パレスチナ側の上空からのミサイルやロケット弾、攻撃ドローンが飛来してくると、アイアンドームで迎撃している。2023年4月7日にもパレスチナからのロケット弾34発中、25発をイスラエルのアイアンドームで迎撃したと報じられていた。

今回、イスラエル軍は武装組織ハマスから3284発のロケット弾が発射されたことを発表しているが、そのうち何発をアイアンドームで迎撃したかは現時点では明らかにしていない。

イスラエルにはロケット弾や攻撃ドローン迎撃のためのアイアンドームやアイアンビーム、さらには地対空ミサイルなどが充実している。以前からパレスチナ、ハマスからの攻撃ドローンやミサイルを迎撃してイスラエルの国土防衛に大きく貢献している。

2022年2月にロシアがウクライナに侵攻してから、ロシア軍はイラン製軍事ドローンやミサイルなどでウクライナ軍や民間施設などを奇襲している。ウクライナ政府にとってはイスラエルの「アイアンドーム」は喉から手が出るほど欲しい防空システムだ。今までにもゼレンスキー大統領らが何回もイスラエル政府に「アイアンドーム」の提供を要請していた。だがイスラエル政府はウクライナには「アイアンドーム」は提供していない。

▼武装組織ハマスから42時間で3284発のロケット弾が発射されたことを報告するイスラエル軍の公式SNS

2023年10月8日にハマスからのロケット弾を迎撃するイスラエルのアイアンドーム
2023年10月8日にハマスからのロケット弾を迎撃するイスラエルのアイアンドーム写真:ロイター/アフロ

▼「アイアンドーム」

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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