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ウクライナ軍、ドローンから対戦車地雷を投下して攻撃へ

佐藤仁学術研究員・著述家
(提供:36TH SEPARATE MARINE INFANTRY BRIGADE/ロイター/アフロ)

2023年9月にウクライナで対戦車地雷を搭載したドローンの動画が公開された。地上でウクライナ兵がドローンに対戦車地雷「TM-62」を搭載して、留め金が外れるシーンである。

ウクライナ軍ではロシア軍の装甲戦闘車両や戦車、大砲といった軍事施設をドローンで攻撃して破壊することが多い。偵察監視ドローンが上空から大砲を探知したら、ミサイルを撃ちこんだり、攻撃ドローンで攻撃したりして破壊している。

今までは小型の民生品ドローンに小型の爆弾や手榴弾を搭載して、上空から小型の爆弾や手榴弾を投下して爆発させていた。小型の爆弾や手榴弾でも燃料などに引火すると大爆発することもよくある。安価な民生品ドローンを改造して小型爆弾を搭載して落下させるだけの簡単な攻撃ドローンだが、コストパフォーマンスも高く効率的にロシア軍を攻撃している。

今回の動画では大型ドローンから対戦車地雷を投下する。仕組みは小型民生品ドローンに小型爆弾を搭載するのと同じで、ドローンに対戦車地雷を搭載して、上空で敵の上で留め金が外れて対戦車地雷が投下される。今回の動画では地上でドローンに対戦車地雷を搭載しているシーンだけで、実際に戦場で使用したかどうかは報じられていない。対戦車地雷を投下して爆弾も投下すれば、ほとんどの軍事施設は大爆発する。

またウクライナ軍では、ドローンから爆弾を投下するだけでなく、小型民生品ドローンに爆弾を搭載して突っ込んでいき爆発させるいわゆる神風ドローンのタイプで、上空から軍事施設に突っ込んでいき破壊している。

▼中型ドローンに対戦車地雷を搭載するシーン

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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