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ウクライナ軍、安価な民生品ドローンから爆弾1ダース投下してロシア軍の装甲兵員輸送車を破壊

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

ウクライナ軍では安価な民生品ドローンで爆弾1ダース(12個)を投下して地上のロシア軍の装甲兵員輸送車「BTR-82A」を破壊していた。動画も公開している。上空から爆弾1つ1つが装甲兵員輸送車に何回も投下されて、そのたびに装甲兵員輸送車の一部一部から煙が上がっている。

▼ロシア軍の装甲兵員輸送車に民生品ドローンから小型爆弾を何回も投下する様子

安価な民生品ドローンでも小型爆弾を大量投下で敵へのダメージ

攻撃用の軍事ドローンではウクライナ軍が使っているトルコ製のドローン「バイラクタルTB2」でのロシア軍への攻撃ばかりが目立っている印象がある。「バイラクタルTB2」は大型攻撃ドローンで爆弾を上空から落として攻撃するので破壊力もあり、ロシア軍へのダメージも大きくロシア軍の装甲車を上空から破壊して侵攻を阻止することにも成功したり、黒海にいたロシア海軍の巡視船2隻をスネーク島付近で爆破したりとインパクトも大きい。そのため「バイラクタルTB2」での攻撃が成功するとウクライナ軍が動画や写真をSNSで世界中にアピールしているので目立っている。

だが「バイラクタルTB2」のような大型の攻撃ドローンは購入費用も高く、目立つのでロシア軍に地上から迎撃されて破壊されやすい。安価な民生品ドローンであれば、迎撃されても簡単に入手しやすい。「バイラクタルTB2」での攻撃によるダメージも大きいが、安価な民生品ドローンでも爆弾を1ダースも投下したら敵へのダメージは大きい。たしかに「バイラクタルTB2」に搭載している大容量の爆弾であれば1発で装甲兵員輸送車は破壊できるだろうが、安価な民生品ドローンでは少量の爆弾を多く搭載しているので1発の爆弾で完全に破壊することは難しい。それでも1ダースも投下すれば、再利用もほぼ不可能だろう。

民生品ドローンは監視・偵察のために利用されていることがほとんどだが、ウクライナ軍では以前から民生品ドローンに爆弾を搭載してロシア軍に投下させたり、ドローンごと突っ込んでいき爆破している。今までは民生品ドローンで投下する爆弾は1個か2個程度と少量だったので、戦車や地対空ミサイルなどを完全に破壊したり、ロシア兵を殺害することは難しかった。だがウクライナ軍のドローン部隊は工夫を重ねて民生品の小型ドローンにも小型爆弾を多く搭載して落下させる方法を考案して、このように実戦で活用している。そして1ダースもの爆弾をいっきにロシア軍へ投下すると攻撃の効果も大きい。

▼民生品ドローンに1ダースの爆弾を投下して飛び立つシーン

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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