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ロシアの軍事企業、米軍よりも小型で軽量・極寒地でも飛行できる偵察ドローン開発・南極で飛行試験

佐藤仁学術研究員・著述家
Zala Aeroが開発した小型偵察ドローン(Zala Aero提供)

ロシアの軍事企業のZala Aeroは小型・軽量の偵察ドローン「Zala 421-08」を開発し、南極で飛行試験を実施した。

Zala Aeroのニキータ・カミトフ氏は「ロシア製のドローンのみが北極と南極の両方の極寒地域でも飛行することが確認できています。摂氏マイナス52度の極寒まで飛行が可能です」と語っている。80センチで1.7キログラムで15キロ飛行できる。同社によるとロシアの「Zala 421-08」は敵国アメリカの対抗機である偵察ドローン「RQ-11 Raven」よりも小型で軽量とのこと。

以前は偵察ドローンも大型のものが多かったが、小型・軽量化は年々進んでいる。小型だからといって探知されにくいということはないが、小さく目立たない偵察ドローンが主流になりつつある。「Zala 421-08」の具体的な価格は公開されていないが、今後は低価格化も進んでいくだろう。

そして、今回のロシアの「Zala 421-08」は南極での試験飛行も実施しており、極寒地域でも飛行に耐えられるのも強みの1つである。アメリカや中国の軍事企業も対抗してさらに小型・軽量かつ極寒地でも飛行可能な偵察ドローンを開発してくるだろう。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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