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インド YouTube月間利用者3億2500万人「3人に2人はテレビよりもYouTubeを視聴」

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

 インドでのYouTubeの月間ユニークユーザーが2020年5月に3億2500万人を突破したことをComscoreが明らかにした。Googleインドのバイスプレジデントのサンジャイ・グプタ氏は「インドは世界最大の動画コンテンツがあります。インドでの動画視聴の傾向が根本的に変わろうとしています。インド人の3人に2人がテレビを見ないでYouTubeを見ていると言っています。またYouTubeでの動画視聴はエンターテインメント(娯楽分野)だけでなくて、教育分野でも多くの動画が見られています」と語っていた。

 日本でもYouTuber(ユーチューバー)が多いがインドにも多くのYouTuberがいる。特にゲームの実況動画のYouTuberのチャンネルの人気が高い。また教育系のコンテンツの人気も高い。登録者数1200万人以上の「Wifistudy」は動画の合計再生回数が15億回を越えるアジア太平洋地域最大級の教育系人気チャンネルの1つになっている。

新型コロナの影響で人気の映画と教育系動画

 インドでは低価格のスマートフォンや中古のスマートフォンも大量に普及しており、多くの人がスマートフォンを所有するようになってきた。また鉄道駅など多くの場所でWi-Fiも導入されてきて、多くのインド人がYouTubeで動画視聴を楽しんでいる。インドでは以前から映画が大人気でボリウッド(ハリウッドとボンベイの造語)と呼ばれるインドの映画産業は有名で、インド人は映画館で映画を楽しんでいた。だが、新型コロナウィルス拡散防止のために映画館が閉館されていたため、多くのインド人がYouTubeに投稿された映画や歌などの動画を楽しんでいる。新型コロナウィルス拡散の影響で学校にも行けなくなったためにYouTubeでのオンライン学習コンテンツの動画も見られている。

 そして映画などのエンターテインメント系の動画や教育コンテンツだけでなく、個人のYouTuber(ユーチューバー)が投稿しているあらゆる動画コンテンツがあり、朝から晩までスマートフォンでYouTubeを視聴しており、Googleインドのサンジャイ・グプタ氏も指摘しているように多くのインド人がテレビを見なくなってきている。人口13億人を超えるインドではまだスマートフォンを所有していない人も多く、これからもスマートフォン所有者は増加していくため、インドでのYouTube視聴はこれからも成長の余地が多いにある。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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