Yahoo!ニュース

ポーランド「2018年は科学イヤー」:今年はコペルニクス生誕545年

佐藤仁学術研究員・著述家
(ポーランド大使館提供)

 ポーランドと聞くと、ショパンに代表されるように音楽のイメージが強いかもしれない。だが、ポーランドは科学にも強い国なのだ。

 ポーランドを代表する科学者といえば、日本でもよく知られているのが天文学者のニコラウス・コペルニクスだ。1473年2月19日にポーランドのトルン生まれたコペルニクスだが、今年2018年は生誕545年だ。

マルチに活躍していたコペルニクス

 そこでポーランド政府では「2018年は科学イヤー」と制定して、過去と現在のポーランドの科学を世界中で紹介している。

 コペルニクスが地球を中心とした天動説を覆し、太陽中心説(地動説)を発見したことは世界的にも有名だ。また経済学の「悪貨は良貨を駆逐する」ことに気がついたことなどは、世界的に有名だ。さらにコペルニクスは天文学や経済学だけでなく、カトリックの司祭や法学者、医者としてもマルチに活躍をしていた。

画像
日本の小学生がポーランド銘菓「ピエルニク」作りに挑戦(2018年2月、ポーランド大使館提供)
日本の小学生がポーランド銘菓「ピエルニク」作りに挑戦(2018年2月、ポーランド大使館提供)

日本の小学生やプラネタリウムでワークショップ

 そしてコペルニクスの誕生日である2018年2月19日には、日本のポーランド大使館では、東京都内の小学生らを集めてコペルニクスのワークショップを開催。コペルニクスの生まれ故郷トルン地区博物館の職員であるスミタ・モジンスカ氏が、日本の小学生にコペルニクスについて語った。

 また、当日は「ピエルニク」と呼ばれるコペルニクスが生まれたトルンの町の銘菓であるジンジャーブレッド(生姜のパン)を作ってみんなで食べていた。子供たちにとってはコペルニクスよりもポーランドの銘菓「ピエルニク」を作って食べた方が印象的だったかもしれない。

 さらに2018年3月9日にはコスモプラネタリウム渋谷でも、コペルニクスを紹介するイベントを開催。コペルニクスの生まれ故郷トルンからポーランド人天文学者のイエジー・ラファルスキ氏が来て説明を実施。コペルニクスの子どもの頃の話や現在も残る彼の生家の様子、彼の発見が最初は認められなかったにもかかわらず支持し続けた人々の存在、さらにポーランド人が発見した星座を紹介した。また、コスモプラネタリウム渋谷の解説員との対話もあった。

真剣に耳を傾ける日本の小学生にコペルニクスを説明(2018年2月、ポーランド大使館提供)
真剣に耳を傾ける日本の小学生にコペルニクスを説明(2018年2月、ポーランド大使館提供)

コペルニクス以外にもエニグマ暗号解読も

 ポーランドの科学といえば、コペルニクスとキュリー夫人が有名だ。だが、他にもナチス時代にアメリカやイギリスでも解読することができず、解読不能と言われたドイツ軍のエニグマ暗号機を解読した数学者マリアン・レイェフスキ、ヘンリク・ジガルスキなども有名だ。

 ポーランド大使館広報文化センターのマリア・ジュラフスカ所長は「エニグマ暗号機の解読でのポーランド数学者の貢献についても、これから日本の多くの人に知ってもらいたいので、イベントを開催したいと考えている。コペルニクスだけでなく、ポーランドの科学分野での世界的な貢献を日本で広く知ってもらいたい」と語っていた。

 ロシアで2018年6月に開催される「FIFAワールドカップ」では日本とポーランドはグループHで対決する。これから6月に向けてポーランドのサッカーの話題も多くなるだろうが、科学の観点からもポーランドを注目してみると新たなポーランドの一面が見えてくるかもしれない。

ポーランドの科学や文化を日本で伝えているポーランド大使館広報文化センターのマリア・ジュラフスカ所長
ポーランドの科学や文化を日本で伝えているポーランド大使館広報文化センターのマリア・ジュラフスカ所長
学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

佐藤仁の最近の記事