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Facebook:インドで輸血ドナーサービス登録者400万人突破:次はバングラデシュで

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

 Facebookは2017年10月1日からインドで献血者情報の登録と提供を開始した。サービス開始2か月でドナー登録者数が400万人を突破した。

 インドでは輸血ドナーの情報をFacebookに登録できる。提供者の同意があるまで個人情報は開示されない。患者や病院が輸血を必要としている時にはFacebookで必要としている血液、場所などの情報を要求する。その後、必要とされる血液の情報がドナー登録している人にFacebookやメッセンジャーで通知が届く仕組みだ。

 FacebookのVice Presidentを務めるNaomi Gleit氏は「このサービスは輸血が必要な人々とドナーを結びつけるだけでなく、病院なども効率的に利用できる」とコメント。

 

 また同氏は「2018年には、Facebookは、この輸血ドナー登録サービスをバングラデシュでも開始する。バングラデシュでも毎週、輸血を求めている投稿が何千もある」とバングラデシュでも同様のサービス提供を開始することを明らかにした。

インドのFacebook利用者の1.7%程度だが

 インドでは2017年7月にFacebook利用者が2億4,100万人を突破した。アメリカを抜いて世界一になった。2億4,100万人の利用者のうち、輸血ドナーサービスに登録しているのは400万人だから、インドでのFacebook利用者全体の1.7%程度に過ぎない。

 それでも400万人のインド人が輸血ドナーに登録したことは画期的なことだ。インドでは、輸血によるHIV感染が多いこと、社会的な背景から同性愛者や異なるカーストからの輸血を受け付けない習慣が根強いことから、輸血に対するネガティブなイメージが強い。そのため慢性的に血液が不足している。特に農村地域にはその伝統が残っており、国土が広く血液センターや医療機関の整備がまだ遅れているためにドナーの大部分は近親者、もしくは同じカーストの知人だ。

 インドでもスマホがだいぶ普及してきて、スマホ利用者のほとんどがFacebookも利用している。今後、インドでFacebookの輸血ドナー登録者数はどのくらいまで増えるのか。インドの輸血に対する長い歴史と社会的なネガティブな風習は打破されるだろうか。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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