Yahoo!ニュース

Apple、中国での売上も復活:新製品は未来のビジョン実現に向けて

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

 Appleは2017年11月2日に2017年Q4(2017年7~9月期)の業績発表を行った。売上高は前年同期比12%増の525億7,900万ドル(約6兆円)、純利益は19%増の107億1,400万ドル(約1.2兆円)だった。

どの製品も売上、出荷ともに増加

 Appleの今期の売上高525億7,900万ドルのうち、iPhoneは288億4,600万ドルと約55%を占めている。今期はプロダクトはどれも売上を伸ばした。9月から販売開始されたiPhone 8とiPhone 8 Plusの売上台数の内訳は明らかにしていないものの「過去最高のスタートを切った」とティム・クックCEOは語った。iPadは中国やインドなどの新興国で出荷を伸ばした。

 売上の伸びでは2016年以降、サービス分野(AppleCare、Apple Pay、ライセンス事業など)の成長が著しく、売上の増加は大きく過去最高に達した。iPadやMacよりも売上に占める割合は大きく、iPhoneに次ぐ稼ぎ頭になりそうだ。

(Apple決算資料を元に作成)
(Apple決算資料を元に作成)

中国での売上復活、日本での売上減

 Appleは今まで長い間、中国市場での売上が低迷していたが、今期は久しぶりに中国市場での売上が増加した。2017年6月から販売している10.5インチの新型「iPad Pro」が中国市場で売れたようだ。これからクリスマスシーズンや旧正月に向けて、中国人の好きな数字の「8」がついたiPhone 8とiPhone 8 Plusの売上増も大きく期待されるところだ。

 今期、日本だけが売上が減少した。日本での売上だけが下がっているからといって、日本でiPhoneの人気がなくなったわけではない。これは明らかに新モデルであるiPhone 8とiPhone 8 Plus、iPhone Xが登場するのを待っているユーザーが買い控えたからだろう。また日本では春の卒業・入学シーズンや年末と違って夏場はスマホが売れない。

(Apple決算資料を元に作成)
(Apple決算資料を元に作成)

新製品はAppleのビジョンの実現

 業績発表を踏まえて、ティム・クックCEOは「iPhone 8とiPhone 8 Plus、 Apple Watch Series 3とApple TV 4K、さらには iPhone X といった魅力的な新製品で、素晴らしいホリディシーズンを迎えよう。これらの新製品はAppleの未来のビジョンを実現しようとしており、ワクワクしている」と呼びかけた。

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

佐藤仁の最近の記事